お前が射貫いたのは本当に的だけか?
さて今回で五幕目
ようやく一日が終わりに差し掛かった放課後回です。
和装で的を射る零、それを見守る明日香
もどかしくもてぇてぇ空間再発
おはこんばんにちわ、三守瑠璃です。現在、弓道場の外にいます
放課後。
それはそれぞれが好きな場所に散っていく時間。
朔夜はバイトでさっさと帰った。
で、私はというと――
「るり、こっち」
明日香に引っ張られて、弓道場の外フェンス前。
理由はシンプル。
**白月零がいるから。**
「……ほんと好きだね」
「うん」
即答。
隠す気ゼロ。
フェンス越しに見えるのは、弓道場。
静かな空気の中で、
白い髪をひとつにまとめた零が、的の前に立っている。
和服に袴。
無駄のない所作。
弓を構えて――
放つ。
――パン、と乾いたいい音。
矢はまっすぐ、中心へ。
「……相変わらずすごいね」
「うん、きれい」
隣を見る。
明日香の視線は、完全に一点。
やわらかくて、でも真っ直ぐで――
**完全に恋する顔。**
(……まあ、そうなるよね)
あれを見て何も思わない方が無理。
しかも問題はここから。
「今日も待ってくれてると思う?」
「待ってるでしょ」
軽く返す。
明日香は少しだけ嬉しそうに目を細める。
で、たぶん。
(あいつはまた、“一緒に帰るために待ってくれてる”って思ってるんだろうな)
違うからね?
**見に来てるんだよ。**
お前を。
こんな顔で。
(はよ気づけ)
視線を戻す。
再び弓を引く零。
背筋が伸びて、指先まで綺麗で――
正直、目を引くのはわかる。
実際綺麗だし。
「今日も来てるね」
「やっぱかっこいいよね」
周りには、他クラスの女子も結構いる。
ちょっとした人だかり。
まあ、そりゃそう。
あれは普通に見に来る。
でも。
「……またあそこいる」
「定位置すぎでしょ」
その中でも。
**最前列、ど真ん中。**
堂々と居座る金髪。
愛澤明日香。
他の視線?気にしない。
押される?動かない。
ただ真っ直ぐ、零だけを見る。
(強いなぁ)
いやほんとに。
この状況で一歩も引かないの、普通にすごい。
「……好きなんだね」
「うん」
また即答。
ぶれないねぇ。
そのまま、ぽつり。
「れいくん、かっこいいし」
「そうだね」
それは否定しない。
でも。
(かっこいいから好きなんじゃないでしょ)
知ってるよ。
もっと前から。
もっと近くで。
ずっと見てきた結果でしょ、それ。
――パン。
またいい音。
矢は中心。
小さくどよめきが起きる。
その中で。
明日香だけが、少しだけ誇らしそうに笑う。
(……ほんとさ)
視線を二人に向ける。
的を射る零と、それを見てる明日香。
距離はあるのに、
繋がってるみたいな空気。
(こんなの、見せられて)
(気づかない方がどうかしてる)
でもあいつは、
きっと今日も。
「すまん、待たせた」とか言って、
普通に隣歩くんだろうね。
で、
「れいくん」
「ん?」
って呼ばれて、
何も知らない顔で返す。
(はぁ……)
小さく息を吐く。
でもまあ。
それでもいいか、とは思う。
少なくとも――
この顔が見れるなら。
おはこんばんにちわ、三守瑠璃でした。
今日も、ちゃんと射抜かれてます。
おはこんばんにちは、投稿主です。
今回はどうでしたか?
投稿主は高校時代は軽音部でしたね。
(一年半でやめちゃったけど)
正直弓道部も入りたかったけど軽音入ったなー
皆さんはどうでしたか?
それではまた次回
くしゃみが止まらねぇよ By投稿主




