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7-2

 シックサとセブンヌが論争を繰り広げるなか、少し離れた場所から痺れを切らせたツードの妻、スリールは急ぎ現場に急行した。


 きっとセブンヌは動くだろうと想定していたが、シックサがうまく動きを阻止し、注意を引いている。屋敷を探索すること二十分。やっと視界に捉えた夫を逃すまいと、限られてはいたが、手元にある手段という名のカードをすべて切ってでも、ツードを死地へ追いやるつもりだった。


 スリールには幼い頃から夢があった。


 ナンバーズ家には劣るが上流階級の家の出だ。物心ついた頃からある程度の願いは叶えてきた。


 それでもスリールは貪欲にして、強欲な女だった。したたかで狡猾。それが三十五年に渡る人生で勝ち得るために取得した技術。気に入らない女やライバルがいればすべて蹴落とした。なかには二度と表社会に出て来れないかもしれない末路となった女もいるだろう。つまりここに至るまで、悪に手を染めたといえる。


 しかしスリールは、手を汚してでも欲するものを奪い取る主義だった。思想は日々増長するばかりで、なにかを得てもまたなにかが欲しくなる。飽くなき強欲。行動理念に直結していた。


 ツードと結婚したのはなにもナンバーズ家の財産が目当てだっただけではない。


 ツードは日々の業務に追われ、新婚時代もまともに対面することはなかった。フォームとファイヴァを出産してもなお、生活を改めるつもりはなかった。


 そこにつけ込んだ。帰宅しても滅多に対面することがないのをいいことに、男を連れ込んで囲った。


 スリールの幼い頃からの夢はハーレムを作ること。自分だけの花園だ。幼少期は大人の二枚目ばかり憧れたが、歳を増すごとに歳下を所望した。今では未成年の恋人さえいる。


 ツードの財力を利用して金をばら撒き、やっと完成させた理想郷。その終焉はツードの部下を懐柔して会社を乗っ取ること。ツードを亡き者とすることで、恋人を後釜に据えれば、あとはすべてが意のままに動く。


 ツードの癖は熟知していた。対面しなかっただけで見ていなかったわけではない。聞き込みも行い、氷に薬物を仕込むことにした。恋人のなかにはその分野に強い男もいる。用意させるまでは簡単だった。




 ところが、今はどうだ。




 どういうわけか、用意した毒入り氷は行方不明となり、ツードは屋敷を闊歩している。


 いけない。このままでは計画が頓挫する。


 なにがなんでもツードを処分しなければ。


 すべては理想郷のために。


新作が、書きたくなってきました。

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