66/104
プロローグ
――覚悟は、出来ていたはずだ。
「春近……これは、どういうことかしら」
あの日、あの場所に立ち入って。
それを手にした瞬間、いつかこうなることは予想できていただろう。
今更後悔なんてする気はない。
過去を悔やんだところで今は変わらないのだし、当時の俺がそれを欲したのは紛れもない事実。否定することは、一人の男として許されない。
……許されない、けども。
「早く説明してくれない? 黙ってたら何もわからないんだけど」
出来ることなら、誰か助けて欲しい。
ラッドでも久道さんでもミハイルさんでも。
この際、今は亡き父さんでも元いた世界に残してきた友人たちでもいい。
ていうか男なら誰でもいい。
どれだけ考えてもわからないんだ。
俺には、この状況をどうやって乗り切ればいいのか。
未だかつてない危機を前にして、俺はあまりにも無力だった。
「白状しなさいよ……さぁ」
頼む。
誰でもいいから、今すぐ俺に教えてくれ――
「これが! あなたの机の上に! 置いてあった! 理由をね!!」
彼女にエロ本見つかったんだけど、どうればいい!?
我ながら、酷い温度差だ……




