第五話 藍色の独占欲
六月。
ルミナス・オンラインでは大型イベントが開催されていた。
プレイヤー同士でパーティーを組み、高難易度ダンジョンへ挑むイベントだ。
『ユズさん、一緒に行きませんか?』
見知らぬプレイヤーから誘いが届く。
『どうする?』
私はアイトへ聞いた。
『行きたい?』
『うーん』
『なら行こう』
『アイトも?』
『もちろん』
そしてイベント会場へ。
そこには数人のプレイヤーが集まっていた。
『ユズさん可愛い名前ですね』
『ありがとうございます』
『声聞いてみたいなー』
『通話とかしません?』
その瞬間だった。
『ユズは初心者支援で忙しい』
アイトのチャットが飛ぶ。
『え?』
『今日は二人で攻略予定』
『えっ』
初耳である。
『そうなんですか』
『そうです』
なぜか断定された。
その後。
『じゃあまた機会があれば』
相手は去っていった。
私は思わず笑ってしまう。
『アイト』
『なに?』
『もしかして嫉妬した?』
数秒。
沈黙。
『してない』
『絶対した』
『してない』
『した』
『……少しだけ』
私は思わず椅子から転げ落ちそうになった。
『正直すぎる!』
『ごめん』
『なんで?』
返事はすぐに来なかった。
そして。
『ユズと遊ぶ時間が減るの嫌だから』
心臓が大きく跳ねた。
画面越しなのに。
顔が熱くなる。
私は慌ててキーボードを叩いた。
『そ、そういうことなら仕方ないね!』
『うん』
その返事には。
どこか満足そうな気配が滲んでいた。




