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藍色吐息  作者: 久遠 ヒカリ


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2/20

第二話 放課後の冒険者

よろしくお願いしますm(__)m

 その日の夜。




 私は自室のパソコンの前に座っていた。




 画面には見慣れたタイトル画面。




 ルミナス・オンライン。




 サービス開始から五年。




 決して有名とは言えないが、根強い人気を持つMMORPGだ。




 私が中学生の頃から遊び続けている大好きなゲームでもある。




「さて、と」




 ログインすると、見慣れた噴水広場に降り立つ。




 銀色のローブを纏った魔法使い。




 私の愛用キャラクター『ユズ』だ。




 するとすぐにチャットが飛んできた。




『こんばんは』




「おっ」




 差出人はアイト。




 風原くんのキャラクターだ。




『こんばんはー!』




『待ってました』




『まだ始めて一週間なんだけどね』




『十分すごいよ』




 そう。




 問題はそこだった。




 風原藍斗。




 彼はゲームを始めてまだ一週間。




 なのに。




「いやいやいや、おかしいでしょ……」




 私はステータス画面を見て呟く。




 レベル。




 装備。




 スキル構成。




 どれも新人とは思えない。




 というか。




『ねぇ』




『うん?』




『なんで回避タイミング全部成功するの?』




『感覚かな』




『感覚!?』




 ボス戦で重要になるジャスト回避。




 普通は何十回も失敗して覚える技術だ。




 それを彼は。




 初見で成功させた。




『なんか光る瞬間が分かるから』




『それを才能って言うの』




『そうなの?』




 本人に自覚がないのが一番恐ろしい。




 そんな会話をしながらダンジョンへ向かう。




 モンスターの群れ。




 連携攻撃。




 強敵との戦闘。




 気付けば二時間が経っていた。




『今日はここまでかな』




『うん』




『ありがとう』




『こちらこそ』




 チャットのあと。




 少しだけ沈黙が流れる。




 ゲームの中なのに。




 なんだか名残惜しい。




『じゃあまた明日』




『また学校で』




 その言葉を見て。




 なぜだろう。




 胸が少しだけ温かくなった。




◇◇◇




 翌日。




「おはよう」




「お、おはよう」




 隣の席。




 風原くんはいつも通りだった。




 静か。




 無表情。




 窓の外を見ている。




 昨日のアイトとはまるで別人だ。




(本当に同一人物だよね……?)




 昨日はあんなに話したのに。




 学校では会話が続かない。




 女子達も相変わらず彼を遠巻きに眺めている。




「風原くんって格好いいよね」




「話しかけづらいけど」




「彼女とかいるのかな」




 そんな声が聞こえてくる。




 すると。




 ふいに。




 机の上に小さなメモが置かれた。




『昨日の続き、今日もできる?』




「!」




 顔を上げる。




 風原くんは相変わらず窓を見ている。




 でも。




 耳が少しだけ赤かった。




 私は慌ててメモを書く。




『もちろん!』




 返事を渡す。




 すると。




 彼の口元がほんの少しだけ緩んだ。




 その笑顔を見たのは。




 たぶん私だけだった。

ありがとうございます!

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