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藍色吐息  作者: 久遠 ヒカリ


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第十一話 世界は生きていた

 翌朝。


 私達は街を歩いていた。


 情報収集のためだ。


 すると。


 路地裏で泣いている少女を見つけた。


「どうしたの?」


 思わず声を掛ける。


 少女は涙を拭った。


「お母さんが病気なの……」


「え?」


「薬を買うお金がないの」


 イベント?


 クエスト?


 そう思った。


 でも。


 少女の震える声を聞いた瞬間。


 そんな考えは吹き飛んだ。


 だって。


 本当に苦しそうだったから。


 結局。


 私達は薬を買って届けた。


 少女は何度も頭を下げる。


「ありがとう!」


「本当にありがとう!」


 涙を流しながら笑う。


 その姿を見て。


 私は呆然と立ち尽くした。


「NPCなのに……」


「違うのかもしれない」


 アイトが呟く。


「え?」


「この世界の人達は、本当に生きてるのかもしれない」


 その言葉に。


 私は反論できなかった。


◇◇◇


 旅を始めたのはその日からだった。


 ログアウトできないなら。


 魔王を倒すしかない。


 そんな噂が広まり始めていた。


 真偽は不明。


 でも。


 手掛かりはそれしかない。


「行こう」


「うん」


 私達は街を出た。


 果てしない旅の始まりだった。

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