第6話
遅くなりました。期末テストがようやく終わりました。
「」
「えっ・・・、誰?」
壁の穴からがんばって出ようとしていたら、なんか妙に低くてきれいな声が聞こえてきた。そろそろと顔を私は上げたら、わーっ、すっごいカッコいいおじさんが居るー。私のことすっごいみてるー。どうしよう、見つかっちゃった。この家の人だよね。服は綺麗だし見た目は貴族だし、だけど・・・
「おじさん、なんで太ってないの?」
あっ・・・言っちゃったーーー!目の前のおじさんも、めっちゃ驚いてるよー。目見開いてるし。心の内にしまっとこうと思ったのに・・。罰せられちゃうかな。早く謝ろう。
「あのーっ・・・ごめんなさい。失礼な事聞いてしまって。」
「くくっ、いやっ、大丈夫だ。問題ない。お嬢さんはここで何をしているんだ。泥棒ならやめておけ。ここには、盗むものなんてないからな。」
「えっ、違います!!私はそんなことしません!!私のお母さんの忘れ物を届けに来たんです!」
「そうか。ならなぜ門から入らないのだ?こんな壁の穴より確実に簡単に入れるだろ?」
「あっ・・それは、その、貴族様のお屋敷の門っておっきくって怖くって・・・」
「それで、こんなとこから入ろうと思ったのか。で、出られないと。」
「・・・はい。」
たっぷりと間をあけてクレールは返事をした。ラメールは先ほどから笑うのを必死で耐えていた。このかわいらしい少女が泥棒ではなく届け物。しかも、門が怖くて壁の穴から入ろうとしている。これが、笑わずにいられるのか。
ただ、クレールは目の前のおじさんが、黙ってしまったからとても危機を感じていた。もしかして、罰せられる。ばれないと思ったけど、やっぱり悪い事だよね。お母さんごめんなさい。
「ううーーっ・・・」
「どうしたのだ、何故泣く。穴から出られないからか。まてまて、引っ張ればすぐに抜けることが出来る。よっと・・」
ずぼっ・・
「ほら抜けた。なっ、抜けたぞ。だから、もう泣くな。」
「うーーーっ、ごめんなさーーーーーいっ!!!えーーーーーーーーーんっ。」
「泣くな、泣くな。お願いだから泣き止んでくれ。」
子供はどうしたら泣き止むのだ。どうすればいいのだ、どうすれば・・・。ラメールは、その場でクレールを抱き上げながらオロオロしていた。なんだ、いないいないばぁ?でもすればいいのか?それは、赤ちゃんか。この少女は、どう見ても6,7歳だ。えーっ、どうすれば・・・。
「クレール!!」
次、クレールのお母さん登場です!




