第10話
休みがずっと続かないかなと思いながら夏休みとか過ごしてきたけど、ずっと続くと少し暇ですね。
クレールは、真っ赤な顔を両手で覆って子ども特有のすばしっこい動きでラメールの屋敷の塀の壁の穴から外に出た。足がまた引っ掛からなかったのは上出来だが、顔を覆っていたため何も考えず、そして何も見ずに市場の道なりにそって走っていた。運が良かったのか、よくなかったのかクレールの走りを止めてくれるものはいなかった。そして、何かよく分からないことを叫びながら走っていた。
「みぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
(お母さん、敬語のこと教えてよーーーー!!)
恥ずかしすぎて、クレールは脳内でロージュにやつ当たりをした。そして、先ほどのラメールに話しかけた言葉を思い出し、また叫んだ。そして、前を見ていなかったのだから当たり前だが、石につまずいてこけた。
「いっつーー。人間の体はすぐにけがをするはね。」
少し、いやかなりやんちゃをするクレールは、普通の人間の子どもよりもけがをたくさんを本人は自覚がない。そして、そのことをツッコンでくれる人はいなかった。余談だが、やんちゃとは猫を助けようとして木に登ったり、近所の子どもが投げて屋根に引っかかってしまったボールを屋根に上って取ってあげたり、もしかしたら人間は羽が無いだけで飛べるのではと思い自分の家の屋根の上から飛び降りて大けがをしたりなどである。最後の一つ以外は、擦り傷を作った程度だったからロージュは少し注意をしたがむしろほめた。だが、最後の一個だけは近所の人がいままでに聞いたことがないくらいのロージュが大けがをおっているクレールを抱きしめながら悲痛な泣き声をあげていた。
まぁ、その泣き声も意識が薄れていく中でクレールも聞いていたためその後は少しやんちゃが無くなったのだが、全て無くなったわけではない。そのことはロージュはもうあきらめている。一緒に長い間暮らしているからこそクレールがお人よしなことを一番知っているのだ。まぁ、諦めていても口を酸っぱくして注意はしているのだが。
話は戻して、クレールはこけたことにより正気を取り戻した。そして、周りを見渡したが何にもなかった。普段周りにあるはずの人も動物も音も無かったが、少し離れたところにとってもおおきな大樹があった。
その大樹は、何もないところにポツンと立っていて、少し異質でだけど神聖すら感じるほどうっすら光り輝いているように見え大樹の周りを羽が生えた小さな人間が飛び回っていた。
クレールは、何も言わずただ大樹に近づいて行った。そして、大樹まであと少しの所でその大樹の上から五、六人の耳がとんがっており剣や槍を持っており敵意むき出しの人が降ってきた。少し離れたところには、弓を構えている同じように耳がとんがっている人がいた。リーダーらしき男の人が剣を構えながらクレールに近づき怒気をかもちだしながら言った。
「貴様何者だ!!!」
その声を合図にクレールは、武器を持った人たちに囲まれた。
クレール、ピンチ!!




