分かれ道‐じゅういっこめ
アスカが背を伸ばし、ぐんと地面につま先を立てる。
「だぁ・・・久しぶりの太陽だ。」
くたびれたおじさんの協力のもと、アスカ達は無事、地上に戻る。
「結局、あのおじさん、なんだったのかしら。名前でも聞けばよかったわね。」
アキナはそんな言葉を残すが、たいした後悔は持っていない。目をこすり、久方ぶりの太陽に苦しんでいる。
そんな三人はアンダーとは既に分かれている。ゆっくりしている場合ではないと、せっせと歩き出してしまった。それでもアスカ達は、自分たちへの依頼の出し方を伝えておき、困った時には連絡が取れるようにしておいたのだった。
アキナはいまだ目を擦っている。
ゴミ?とアスカが尋ねるが、首を振られる。
「・・・・・泣いてる?」
アキナが勢いよくその顔を心配そうにしているアスカへと近づけ、驚かせようとする。思いのほか上手くいき、アスカは勢いのまま、尻もちをつく。
「ふふっだいじょぶ?」
アキナが手を差し出す。アスカをすんなりと立たせる。
アキナは心のなかで夢という単語を反芻していた。
「?・・・・・どうした?」
アスカは何かを察知する。
「いやっ・・・・・あなた達に無理言ってついてきたけど、結構日が経ったよなって。懐かしくなってきただけ。」
アスカの疑いは消えない。
「それだけ?」
「・・・・・・・うん。それだけ。・・・・・いや嘘。ほんとはね、アンダーとアンダーのお父さんのこと考えてた。・・・・・羨ましいなって。」
アスカは、それに賛同する。
「うん。羨ましいよね。俺も思うよ。」
後ろを振り返る。もうあの穴は見えない。地下の景色を思い出すことはできても、地下を目の前にすることはできない。
「後ね、私、不安なの。世界を見たところで、夢を見つけられるのか。私らしくいるための何かを見つけられるのか。見つけたところでそれを実現できるのか。私には帰れる場所があるのかなって。」
アキナは目を擦っていない。確かな瞳で、目の前に視線を送っている。どこまでも続いている前方に視線を向かわせている。
「考えよう。考えて、考えて、そうやってずっと考え続けよ。その先にあるんだよ、何かが。ひとえにさ、成功があるのかも。」
アスカはもう一度、振り返る。
「アンダーもきっとそうだったんだよ。いやそうしたんだよ。」
「そうね。」
アスカとアキナ、そしてイエレナの歩みは止まらない。その足は既に次の目的地へと向かっているのだった。
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