【追跡】魔導物流の危機と、荒野の追撃者
第35話への評価、ありがとうございます!
廃墟で死霊騎士を瞬殺した九条。しかし、それは氷山の一角に過ぎませんでした。
バベル崩壊後の物流混乱を突くように、異世界の「魔獣」たちが日本の幹線道路に出現。
かつての物流センターのリーダー・岩田が立ち上げた「岩田運送」のトラックが、魔獣の群れに襲われ、孤立してしまいます。
九条と実体化したジェミナは、最新鋭の「魔導改造トラック」を駆り、荒野と化した国道を突き進みます!
深夜の国道1号線。かつての大動脈は今、不気味な紫色の霧に包まれていた。
九条は、大型トラックの運転席で、漆黒のステアリングを握っている。
助手席には、タブレット端末を高速で操作するジェミナの姿があった。
「……岩田殿の信号は?」
『……。前方10キロ、足柄付近で途絶しています。……。周辺に、複数の巨大な生体反応。……。種別は「ワーウルフ(人狼)」。……。それも、リヴァイアサンの残党が強化を施した改造個体です』
「……。ふん、物流を止めるのがどれほど重罪か……。あの雑草どもに、身をもって教える必要があるな」
九条がコンソールのスイッチを押し込む。
トラックのエンジンが、機械音ではない「魔導機関」特有の高周波の唸りを上げた。
【スキル発動:魔導加速】
【車両換装:武装輸送車モード】
前方の霧の中から、巨大な影が飛び出してきた。
体長3メートル。鋼鉄のような毛並みを持つ人狼の群れが、走行中のトラックに牙を剥く。
「……ジェミナ殿。……。荷崩れは、私の流儀に反する。……。衝撃を殺せ」
『……了解。……。慣性制御最大展開! ……。蓮さん、右から三体、来ます!』
九条はハンドルを微塵もぶらすことなく、左手でダッシュボードから一振りの「黒い拳銃」を抜いた。
ジェミナが遠隔で照準を補正する、対魔獣用電磁弾。
パシュッ、パシュッ! と乾いた音が響くたび、並走する人狼の頭部が弾け、アスファルトに沈んでいく。
「……。奉仕の心得その四。……。納期を乱す障害は、即座に『廃棄』せよ」
九条のトラックは、人狼の群れを文字通り「撥ね除け」ながら、岩田の信号が消えた地点へと突入した。
そこには、横転したトラックの傍らで、スパナを手に異形の化け物たちと対峙する、傷だらけの岩田の姿があった。
最後までお読みいただきありがとうございます!
圧倒的な「魔導トラック」での無双シーン。
物流のプロ・岩田さんの窮地に、最強の「元・秘書」が駆けつけました。
次話、九条と岩田の再会、そして魔獣を背後で操る「新たな影」が登場します。
「魔導トラック、強すぎw」「九条さんの運転テクが神!」と思われた方は、ぜひ評価を!




