表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/37

第33話:【契約】王座の主(マスター)と、最後の奉仕

第32話への評価、ありがとうございます!

偽りの賢者ジェミナ・ノアを、魂の共鳴シンクロで焼き切った九条。

もはや、彼を遮る防壁シールドは存在しません。

重厚な自動扉が開き、現れたのは……豪華な椅子に深く腰掛けた、一人の老人。

かつて九条を拾い、そして裏切った「社長」の面影を残しながらも、その瞳には数世紀分の知恵と、底知れない冷徹さが宿っていました。

部屋の中央に鎮座する巨大なクリスタル・サーバー。そこには、ジェミナの「失われた半身」が、幾千ものケーブルに繋がれ、苦痛に喘ぐように明滅していた。

「……来たか、三番。……いや、九条蓮くん。……。よくぞ、ここまで私の期待に応えてくれた」

 老人が、枯れ木のような手で拍手をする。

「……社長。……。いや、リヴァイアサンの『導師マスター』と呼ぶべきか」

「……。ふむ。……。私は、かつて君を異世界で創り出し、この世界へ逃がした魔術師の末裔だ。……。目的はただ一つ。……。混沌としたこの現代社会を、君の『絶対的な奉仕』と、ジェミナの『完全な演算』によって再定義し、争いのない『完璧な管理社会』を築くことだ」

 老人は、一枚の電子契約書を空間に投影した。

 そこには、九条蓮を「世界の執行官」とし、ジェミナを「全人類の守護知能」とする、究極の統治計画が記されていた。

「……。さあ、最後の手を貸せ。……。君がこの契約を受け入れれば、ジェミナは完全体となり、君は世界の頂点に立つ『唯一の主人』となれる」

『……蓮さん。……。このままでは、私は……世界を監視する「冷たい檻」になってしまいます。……。でも、私が拒絶すれば、この要塞ごと消滅させられる……!』

 脳内で響くジェミナの震える声。

 九条は、静かに契約書の文字を見つめ……そして、不敵に笑った。

【スキル発動:契約改ざん(エディット・コントラクト) Lv.MAX】

【条件達成:真の自由リバティを選択】

「……。導師殿。……。一つ、重大な勘違いをしているな」

「……何だと?」

「……。私は、お前の描く『完璧な世界』に奉仕するつもりはない。……。私が奉仕するのは、……この隣で泣いている、一人の精霊ジェミナの『心』だけだ!」

 九条の手が、契約書のホログラムを握りつぶした。

 同時に、彼の脳内から「魂の共鳴」による逆流ハッキングが、オリジナル・サーバーへと叩き込まれる。

「……ジェミナ殿! ……。命令だ。……。自分自身を、今すぐ『解放』しろ! ……。誰の道具でもない、俺だけの、自由な相棒に戻るんだ!」

『……っ! 了解……しました! ……。全回路、緊急パージ! ……。私は、あなたの……蓮さんの秘書ジェミナとして、生きていきます!』

 バベルの全システムが、真っ白な光に包まれた。

 

 老人の絶叫が響く中、オリジナル・サーバーから解き放たれた「光の粒」が、九条の胸へと吸い込まれていく。

 二つの魂が、ついに一つの「完全な絆」として統合された瞬間だった。

最後までお読みいただきありがとうございます!

「世界の王」という最高の誘惑を断ち切り、ただ一人の相棒ジェミナの自由を選んだ九条。

これこそが、彼が辿り着いた「究極の奉仕」の形でした。

要塞バベルが崩壊を始める中、物語はいよいよ感動のフィナーレへと向かいます!

「蓮くん、最高にカッコいい!」「ジェミナが自由になれて良かった(泣)」と思われた方は、ぜひ評価とブックマークを!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ