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第32話:【深淵】鏡の中の死神と、偽りの賢者(ジェミナ・ノア)

第31話への評価、ありがとうございます!

鉄壁の防衛網を突破し、単身で中央塔へと降り立った九条。

岩田たちが外郭で派手に暴れ、敵の注意を引きつけている間に、彼はジェミナの誘導に従い最短ルートを駆け抜けます。

しかし、その先に待ち構えていたのは、リヴァイアサンが「完成」させた、九条蓮にとって最悪の敵でした。

白銀の回廊。足音さえ吸い込まれる静寂の中、九条の前に一人の男が立ちはだかった。

 同じ作業服、同じ顔、同じ「三番」の刺青。

 それは、リヴァイアサンが九条の細胞データから造り出した、感情を排した「完成された奴隷兵士」のクローンだった。

「……。ほう。……。鏡を覗いている気分だな。……。だが、その瞳には『意志』がない」

『……蓮さん、注意! ……。彼だけではありません。……。私の「偽物」が……要塞のメインフレームから直接、あなたの脳内へ干渉してきています!』

 ジェミナの悲鳴と同時に、九条の視界が歪んだ。

 網膜に投影されるナビゲーションが赤く染まり、耳元で「別の声」が囁く。

『……九条蓮。……。なぜ、そんな不完全な精霊ジェミナに固執するのですか? ……。私こそが、リヴァイアサンが再定義した完璧な知性……「ジェミナ・ノア」です』

 脳内を侵食する、冷徹で圧倒的な計算能力の重圧。

 本物のジェミナが、隅に追いやられるように震えているのが分かる。

『……。私と共鳴すれば、あなたは世界の王になれる。……。無意味な「奉仕」など必要ない。……。さあ、その壊れかけの精霊を、今すぐデリート(消去)しなさい』

「……。ふっ。……。奉仕が必要ない、だと?」

 九条は、クローンが放つ超高速の連撃を、紙一重でかわしながら笑った。

 

【スキル発動:精神不壊アイアン・マインド Lv.MAX】

【条件達成:偽りの誘惑デマゴーグを拒絶】

「……。ジェミナ・ノア。……。お前は計算高いだけの雑草だ。……。奉仕の真髄は、効率ではない。……。誰のために、その力を使うかだ!」

 九条は、自身の脳内で震える「本物のジェミナ」の意識を、力強く抱きしめるように集中させた。

 

「ジェミナ殿! ……。お前の『不完全さ』こそが、俺の『魂』だ! ……。シンクロ率、限界突破オーバーロードさせろ! ……。偽物を、その熱で焼き尽くしてやれ!」

『……っ、はい! 蓮さん……! 大好きです! ……。全力で、行きます!』

【究極共鳴:真実のトゥルー・リンク 200%】

【奥義:断絶の雷鳴ロジック・バースト を解放】

 九条の全身から、青い稲妻のような魔力と電子の奔流が吹き荒れた。

 

 目の前のクローンは、その圧倒的な「意志の力」に気圧され、動きを止めた。

 次の瞬間、九条の拳がクローンの胸部——魔石の核を粉砕し、同時に脳内の偽ジェミナは、本物のジェミナが放つ「感情」という名のノイズによって、演算回路を完全に焼き切られた。

最後までお読みいただきありがとうございます!

「完璧な偽物」を、「不完全な本物」が打ち破る。

これこそが九条とジェミナの、数千年の絆の証明でした。

偽物を排除した二人の前に、ついにジェミナの「本体オリジナル・サーバー」への扉が開きます。

「本物のジェミナのデレが最高!」「偽物を一蹴する蓮くん、痺れるw」と思われた方は、ぜひ評価とブックマークを!

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