第24話:【錬金】電子の戦場と、Pumpkinの帰還
第23話への評価、ありがとうございます!
会社を捨て、社会的地位を抹消した九条。
しかし、巨大な敵「リヴァイアサン」と戦うには、一振りの剣ではなく、世界を動かす「資本」が必要です。
ジェミナの1ミリ秒単位の予測と、九条の冷徹な決断力。
二人の共鳴が、乾いた電子の数字を、濁流のような富へと変えていきます。
雨音だけが響く狭いシングルルーム。
九条は、画面に映し出されるドル円(USD/JPY)のチャートを無表情に見つめていた。
「……ジェミナ殿。……。準備はいいか」
『……いつでも。……。蓮さんの「Pumpkin」名義の口座、残高はわずか30万円。……。でも、私の予測精度なら、レバレッジを限界まで掛けても「ゼロカット(破産)」の確率は0.0001%以下です』
九条の指が、マウスの上で静かに止まる。
奴隷時代、一つのパンを巡って数百人が殺し合ったあの光景に比べれば、この数字の羅列など、ただの記号に過ぎない。
「……。エントリーだ。……。全額、フルレバレッジ」
【スキル発動:絶対勝利の相場眼】
【ジェミナ・コア:高周波取引(HFT)を同期】
クリックした瞬間、画面上の数字が狂ったように動き出した。
数秒で利益が数万円、数十万円と膨らんでいく。
ジェミナは、世界中のニュース、SNSの書き込み、要人の発言、そして機関投資家のアルゴリズムを先読みし、九条の脳内に「未来の波形」を直接投影していた。
『……蓮さん、次はポンド円。……。三秒後に大手ヘッジファンドが売りを仕掛けます。……。そのリバウンド(反発)を、一瞬で刈り取りましょう!』
「……。了解。……。奉仕に迷いは不要だ」
一時間後。
30万円だった残高は、1,500万円を超えていた。
二時間後。
それは1億円という、常人には一生縁のない大金へと膨らみ、さらに加速していく。
深夜のFX掲示板やSNSでは、ある「異常事態」が騒がれ始めていた。
「おい、Pumpkinが戻ってきたぞ!」「あの伝説のブログ主か!?」「トレードが神がかりすぎてる……! 逆張りが一回も外れてない!」
かつて九条が細々と更新していたブログ。
そのハンドルネームが、今、市場を揺るがす「死神」の名として轟き始めた。
『……蓮さん、注意。……。資金が5億を超えたあたりで、リヴァイアサン側の「監視AI」が、私たちの不自然な勝ち振りを検知しました。……。口座凍結を狙って、システム的な妨害を仕掛けてきています』
「……。ふん、雑草め。……。金が足りぬと言うなら、彼らの資金源からも直接『徴収』してやろうではないか」
【条件達成:莫大な軍資金の獲得】
【称号:電子の錬金術師 を獲得】
九条の瞳に、チャートの緑色の光が反射する。
かつて石を運び、泥を啜った男が、今、指先一つで世界の富の再分配を始めていた。
「……。さて、ジェミナ殿。……。次は、この金で『盾』と『矛』を買うとしよう」
最後までお読みいただきありがとうございます!
圧倒的なマネーゲーム。
「Pumpkin」の復活は、単なる資金稼ぎではなく、敵をおびき出すための「餌」でもありました。
富を手にした九条の次なる一手は?
「1億、5億……震える!」「Pumpkinの復活が熱すぎるw」と思われた方は、ぜひ評価とブックマークを!




