表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/37

第13話:【断絶】特命の完了と、コンサルの末路

第12話への評価ありがとうございます!

現場責任者・岩田の涙ながらの告白を受け、証拠はすべて揃いました。

成瀬が張り巡らせた「搾取の網」を、九条は一瞬で切り裂きます。

新入社員が、数千万規模の不正を白日の下に晒す――。

ホワイトカラーの仮面の下で、奴隷の「冷徹さ」が光ります。

翌朝。九条は昨夜の現場での「対話」と、ジェミナが精査した裏帳簿を携え、社長室の扉を叩いた。

「……社長。第4物流センターの『正常化』、完了いたしました。……これが、その全貌です」

 提出されたのは、単なる報告書ではない。成瀬の会社が、架空の保険料やシステム維持費として「吸い上げていた」金の流れを、一円単位まで視覚化した完璧な解析図だ。

「……何だと。……成瀬が、ここまで深く現場を侵食していたのか」

 社長の顔が、怒りで赤黒く染まる。その時、社長室の電話が鳴った。

『……蓮さん、注意。……受付に成瀬が来ています。……かなり荒い呼吸です。……石井部長が降格したことで、自分の「集金ルート」が断たれると焦ったのでしょう。……今、エレベーターを上がってきます』

 ジェミナの警告通り、数分後。

 扉が勢いよく開き、血走った目の成瀬が飛び込んできた。

「社長! 騙されてはいけません! その九条という男は、現場の人間を脅して、虚偽の証言を捏造しているんです!」

 成瀬は、俺を指差して叫ぶ。その手は、隠しきれない焦燥で激しく震えていた。

「……成瀬殿。お久しぶりです。……昨夜の酒の席以来でしょうか」

「うるさい! 社長、こいつは危険な男です! 現場の岩田たちも、こいつに暴力で脅されたと言っています!」

「……暴力、ですか。……私はただ、荷物を積んだだけですが」

 俺は静かに、手元のタブレット(スマホの連携画面)を社長に向けた。

 

『……蓮さん、今。……成瀬が五分前に岩田のスマホへ送った「脅迫メール」を、リアルタイムで社内モニターに表示させました。……「余計なことを喋ったら、お前の家族の住所をバラす」……。卑劣極まりない内容ですね』

 社長室の大型モニターに、成瀬が送信したばかりの生々しいメールが、巨大な文字で映し出された。

「なっ……なぜ、それを……!?」

「……成瀬殿。……あなたは、私を『道具』として見くびりすぎた。……そして、この世界の『記録データ』の力も」

 社長は、氷のような冷徹さで受話器を取った。

「……警備員か。警察を。……いや、顧問弁護士も呼べ。……成瀬。貴様とは、法廷で話をしよう」

「ま、待ってください社長! これは誤解だ! 九条、貴様ぁぁ!」

 逆上して殴りかかろうとする成瀬。

 だが、俺は一歩も動かず、その拳を最小限の動作でかわした。

 奴隷時代、主人の理不尽な暴力を数えきれないほどかわしてきた俺にとって、怒りに狂っただけの素人の拳など、止まっているも同然だった。

【条件達成:元凶の完全排除】

【スキル習得:危機回避 Lv.MAX / 感情抑制 Lv.10】

 成瀬が警備員に引きずられていく。

 その背中を見送りながら、俺は深い溜息をついた。

「……九条くん。……君がいなければ、我が社は骨までしゃぶられていた。……本当に、感謝する」

「……。私はただ、自分の名に相応しい奉仕を全うしたまでです」

『……蓮さん、お疲れ様。……これで、第4センターの皆も救われましたね。……さて、次なる「雑草」はどこに生えているでしょうか?』

 ジェミナの声が、達成感に満ちて響く。

 九条蓮の日常は、まだ始まったばかりだ。

最後までお読みいただきありがとうございます!

成瀬の自滅。そして社長からの全幅の信頼。

「新入社員」という肩書きとは裏腹に、九条の影響力は社内で無視できないものになっていきます。

「成瀬、ざまぁ!」「蓮くんの回避がカッコいい」と思われた方は、ぜひ評価とブックマークを!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ