第93話
洞窟内部にはいると滝の影響からか苔があると思ったらこれはヒカリゴケだった。
全体的にほんのりと明るい洞窟のようだ。
「みんな準備はいいか!?事前情報がないからどんな危険があるかわからない。慎重に気をつけてな。」
「ご主人様がおればなんとでもなるじゃろうて。神獣達も妾もおるしの。」
「シラナ、余裕ぶっこいてると痛い目みるぞ。」
1層においては角ウサギが出現するようだ。
「コイツの肉、結構美味いんだよな〜」
「ご主人様よ。美味なのか!それなら是非一度ご相伴にあずかりたいのぉ」
「昼にでも食べよう!」
ボス部屋にも大きな角ウサギがいたから夕食にディケにも振る舞おうかな。
2層に降りるとまた角ウサギなのだが、なぜか…
「帽子?おしゃれに気を使うモンスターがいるのか?」
「帽子が兜としての機能があるのかぇ?」
「まぁ、ないよりはマシだろうけど、あったとてなぁ…だって見た目はただの帽子なんだよな。」
予想通り手応えとしては一層の角ウサギと何ら変わりがなかった。とくに帽子をドロップするわけでもなかった。ただ帽子の分だけ剣の入りが若干悪いだけだった。
「これだけウサギ肉が集まればパーティーでもやれそうだな。」
ボス部屋も難なく帽子ウサギを倒すことに成功する。
レベルダウンしたとしてもこんなところで躓くことはないな。
神獣もシラナもいる今の状況なら随分下の層まで潜れるだろう。
そこから先は3層は白い鎧の歩兵のようなリビングアーマーがでてきたが、俺が手を出すまでもなくボスを含めて簡単になぎ倒していった。なんせ彼らの爪はかなり鋭い。
軽く振り下ろすだけで簡単に鎧を引き裂いてしまうのだ。
「今日は一旦帰ろうか。たくさん肉もあるしな。」
転移でテミス家まで飛んだ。
すでに貴族の位はないので市中の一軒家にエルレインの家として少し大きめの邸宅が与えられた。今回はそこでの滞在となるが、数名のメイド、ディケもそこにいる。
「今戻りましたー!今日はウサギ肉がたくさんとれたので豪勢にいきましょー!!」
戻るなりキッチンに入って肉の山を調理台に並べた。
「さすがにこの量は…」
メイドさんドン引きです。
「多かった?じゃあこれくらいにしておきましょうか?」
少しアイテムボックスに回収した。
これだけあればダンジョンでも食べていられるから結果オーライかな。
そして夕食。
「い〜っぱいウサギ狩ってきたからみんなで食べてくれ!…って料理してくれたのはメイドのみなさんなんだけどさ。」
「マァ君!私も作った!!」
「あぁ。ごめんよ。ディケも美味しく料理してくれました。さぁ召し上がれ!」
10人以上座ることのできるテーブルに肉料理が溢れんばかり並んでいる。
「お前は猟師か何かか?」
「いやいや、ダンジョンに入ったらウサギだらけだっただけだよ。エル兄さんは肉苦手だった?」
「いいや、前と違って貴族の生活ができるわけじゃないからな。こんなに並ぶと勘違いしてしまう。」
「それでマァ君は今日は何層まで行ってきたの?」
「4層のボスを倒して帰ってきたよ」
「そもそもお前はどこのダンジョンにいってるんだ?」
「西の森にある湖のほとりにあるダンジョンだよ。何か知ってることある?」
「いや、そもそもそんなところにダンジョンがあるなんて初耳だよ。よくそんなところにあるなんて知ってたな。」
「ちょっとスキルでね。滝の裏側に入口があったけど、今までなんで知られてなかったんだろう?」
「あそこは景色がいいからピクニックやら猪や、ウサギ狩りに行く人がいるから気づかないことはないと思うが、なぜだろうな…?」
「まぁエル兄さんから教会にでも伝えておいてよ。騎士隊の鍛錬にも使えるんじゃないかな?」
「あぁ。有効活用させてもらうよ。」
翌日はまた朝から継続して攻略を再開した。
5層からは今度は赤い鎧を着た歩兵がでてきた。
相変わらず俺が手を出すまでもない程度のモンスターだったからみんなにまかせてすいすい進んだ。敵の鎧達は紙でできてるんじゃないかと思うほどに神獣達は簡単に切り裂いていく。
10層になるとクートの時のように広いフロアになっていて、いきなりボスのようなモンスターが現れた。
「何このデカいミミズは」
《鑑定》
シェルワーム
HP:2000
MP:200
筋力:120 素早さ:80
魔力:80 精神:30
運:30
スキル:硬化Lv.8、吸引Lv.5、シェルショットLv.13
硬い貝殻のような鱗で守られているワームのようだ。
「みんな!魔法メインで戦った方がよさそうだ!距離をとってバンバン打ち込んで!」
……みんなの「バンバン打ち込んで」は容赦がなかった。
氷の魔法で穴が開いてたり、別の部位では焦げたり、そもそも体はバラバラに。
「人のことは言えないけど、とんでもない破壊力だな…」
一瞬で戦闘が終わってしまった…
「まだまだ、みんな余裕そうだね。もう1層くらいいって今日は帰ろう。」
11層になるとライオンに騎乗した白鎧の騎士が出現した。
モンスターといえど、ライオンがグリフォンに対峙するととっても萎縮するらしい。
プライドの威圧でほとんど戦意喪失したモンスターだったから余計に楽に進めることができた。
転移でエルレインの家に帰った。
まだエルレインは忙しいようで一日中書斎にこもりっきりで書類作業が続いているようだ。
「ねぇマァ君、ダンジョンは順調そうだね。問題なさそう?」
「うん。順調だよ!シラナも神獣達もみんな強いから俺なんもしなくていいくらいだよ。何層まであるかわからないから何とも言えないけど、もうそんなにかからないで攻略終われそうな気がしてる。」
「私の方もそろそろ終わりが見えてきたからマァ君が終わったら学校に戻ろうかな。」
「わかったよ。もう少し待っててね。」




