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七罪の裁定者  作者: まーるぽー
第4章・中立学園都市国家・ゴンドヴィル後編

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第92話

翌日からは議会と裁判が並行して始まり、テミス家、ファルノールおよびドークス個人の処遇がそれぞれ議論されている。


エルレインの言っていた開かれた議会というところで、今までと違って一般市民でも自由に傍聴できる議会となっていた。元来は閉鎖されて関係する貴族だけの会議だったために興味を持って聞きに来る市民が多かった。

おかげでテミス家の悪しき慣習が国中に知れ渡ることとなった。

ミリテナは聖教国にいたたまれないからか実の息子サバトも3級になっているため中央大陸にさっさと引越しを決めている。


テミス家は貴族の身分を剥奪され、平民になった。政治に関与させてまた同じことが起こっては意味がないのだ。

ファルノールとドークスは地下牢獄にて無期懲役の判決が下された。2人から恩恵を得ていた取引相手の貴族達も軒並み爵位を下げられるか剥奪されていた。

テミス家敷地内ならびに関係している秘密倉庫には違法奴隷や違法薬物が多く残っていたため、元の家に返したり、焼却処分となった。


「エル兄さんってこう見ると本当に有能な人だね。」

「そうね。エル兄さんが後継者だったら、教主だったらこんなことにはなってなかったのかもね。」


「そう言えば、興味本位なんだけどさ、死の瞬間ってどういう感じなの?」

「え?死の瞬間?死んでないから分かんないよぉ」

「そうか…そこの記憶はないんだね。はっきり言うけどディケ、一回死んでるからね。」

「は?いやいや。そんな冗談…」

「いや、冗談じゃなくて。ドークスの魔道具から解放された時はそれどころじゃかったから気づかなかったかもしれないけど、まわりは血の海だったんだよ。状態異常は解除されたけれども、魔道具の副作用の有無や極度の疲労があった関係で医務室に運ばれてたからディケが部屋に戻った頃には綺麗になってただろうけども。あの時、自分で首に蒼牙を突き刺したんだよ。」

「え…そんな…じゃあなんで私は今生きてるの?え?今生きてるんだよね??」

「うん。大丈夫。間違いなくディケは生きているよ。俺のスキルで死ぬ前までディケの体の時間を戻したんだよ。その後に魔道具の支配から解放したの。」

「そんなことがあったなんて…これはもうマァ君に娶ってもらわないと割に合わないわね。ありがとう。未来の旦那様!」

「いやいや、まだ旦那様は早いよ。俺14歳なんだけど。」

「マァ君はもう少し時間が必要だけど、私もハルも年上のお姉さんなんだから、そんなに遠い未来の話じゃないわよ。あと4年もあればあなたも適齢期だもの。そんなのすぐよ。」

「まぁ…そうか。でももう家に縛られることもないし、自由だから思うままに生きていけるね」

「そうね。でもこの騒動が一段落するまではエル兄さんのお手伝いしないとならないわ。もう少しここにいていいかな?」

「もちろんだよ。実は時間があるなら俺も行きたいところがあるんだ。この国に来るのは嫌だったから敬遠してたんだけど、ここにいる今のうちにしておきたいんだ。」

「どこで?何を?」

「ここの国には天使の試練があるはずなんだ。」

「ダンジョンでマァ君だけいなくなったやつね。」

「そう。この町の西にある森の中に湖があるでしょ?そこにあるみたいなんだ。今回は1人で行ってくるからディケはエル兄さんを支えてあげて欲しいな。たぶん1人では大変だろうから。」

「ありがとう。そうさせてもらうわ。でも1つ約束して。無理だけは絶対にしないこと。危なかったら転移ですぐに帰ってきて。あと、できたら晩ご飯くらいは一緒に食べれたらいいかな。」

「毎日戻ってこれるとは限らないけど、善処するよ。」


その日からアイテムボックスの食料や備品を確認補充して西の森へ向かった。

今回は湖のあたりにダンジョンがありそうなので始めからシラナと同行している。

「ご主人様と同行できるとは良い旅行になったのぉ」


この西の森の湖とは昔にできた川の途中にあるカルデラ湖だ。

上流からの川は滝となって湖に水を注ぎ、その湖からは海に向かって流れている。


「湖の底や壁面にダンジョンの入口やそれらしい建物とかないか見てきてくれないか?」

「承知した。しばし待たれよ。」


ここにくるまでにモンスターにも遭わないし、ピクニックにはいい景色なんだよなぁ…

でもここにダンジョンあるんだよなぁ…


すぐシラナがあがってきた。

「なんもないぞよ。ただ水質のよい湖なだけじゃ。底の近くにいたヌシにも話を聞いてきたが、そのようなものは見たことがないらしい。」

「そうか…ありがとう。湖の中にないなら周りを歩いてみようか。そうだ!みんなにも手伝ってもらおう!」

神獣化でグリード、プライド、グラトニー、ラーストを呼び出してみんなに探索してもらった。

上流側に歩いていくと滝についた。

かなり大きく水量も多い滝だ。

これを見に来るだけでもここに来た価値を感じるくらい壮観だ。


滝に見取れているとグラトニーに裾を引っ張られた。

「ん?どうした?何かあった?」

他の神獣達も揃って滝に目を向けている。

「シラナ。滝の裏に何かあるか見てみてくれないか?」


「大当たりじゃ!滝の裏にダンジョンのような入口があるぞ。」

「よし!気を引き締めていこう!」


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