第86話
アルテミスをしまって翡翠に持ち替えた。
スキル:一閃で首をはねた。
はずだった。
「ニンゲンよ。ゴーストのように霊体のリッチに物理攻撃が効くものか!」
「都合よく攻撃回避すんじゃねぇよ!」
翡翠の刃に風属性を纏わせて構える。
「これならいけるだろ!」
一瞬本気のダッシュで切り込むとリッチだけでなくて剣圧でダンジョンの壁もかなり大きく抉る形になったが、リッチは真っ二つになった。
「な…なぜだ…こんな…簡単に…」
「よしっ!討伐完了!」
「マァ君どうしたの?一瞬いなかったよね?」
「変な声聞こえたと思ったらマァトが消えた気がするのよ。」
「2人にはそう見えたんだね。俺は天使の試練に連れ出されてたんだよ。強制転移させられたって感じかな?」
「それで試練はどうだったの?」
「無事突破したよ。それでもらったのがこれ。」
2人に隠冠:ハデスを見せる。
「これは?」
「見てて。」
ハデスを装備して魔力を込める。
「あ!いなくなった。」
「そう。見えなくなるというか、感知できなくなるんだ。」
「もしどこかに潜入することになったらこれ以上ない装備ね。でも私達の部屋には潜入しないでよ!」
「わかってるよ。そんな使い方はしないよ。」
「天使ってどんな感じなの?」
「ここの天使は遊び心が旺盛な感じだったかな。ちゃんと背中に羽根は生えてたよ。」
「試練って何をしたの?マァ君だし、戦うの?」
「戦う方がどれだけ楽だったか…さっきみたいに見えない天使と鬼ごっこしてきた。」
「私達がリッチと戦ってたのにマァトは天使さんと遊んでたと?」
「いやいや、俺の意思で行ったわけじゃないし、それは勘弁してくれよ!最後はちゃんと倒したしさ。」
「まぁ間に合ったからよしとしましょうか。」
3人で話をしていると部屋の真ん中に下りの階段が現れた。
「ここが最下層なんじゃなかったのか?」
「マァトこれはボスを倒した宝があるんじゃないかしら?」
「ボスを倒した証があるかもね。行ってみよう!」
階段を降りると割れた大きな卵の殻があった。
「これって土竜の…」
「ここのダンジョンの名前にもなってるし、そうなんじゃないかしら。」
「龍の卵となると硬さが段違いなのね。」
ハルが殻をガンガンと叩くもビクともしない。
「あれ?宝箱じゃない?」
ディケが殻に隠れている宝箱を見つけて駆け寄る。
「ん〜!開かない。マァ君お願い〜」
「今行く。」
俺が宝箱に手をかけるとすんなり開いた。
「ボスを倒した人を認識してるのかな?」
「そうなのかもね。」
宝箱の中には黒い玉と杖が入っていた。
「この杖は俺もハルも使えない。ディケならうまく使えるんじゃないかな?」
「私もらってもいいの?」
「もちろん。」
「この杖のおかげでマァ君よりも強くなっちゃうかもよ〜」
と話していると黒い玉が勢いよくマァトの体に入っていく。
「マァト大丈夫!?」
「うん。これも天使の試練で今まで毎回あるやつだ。スキル:スキル合成が使えるようになったみたい。」
「スキル合成?」
「そのままだよ。スキルを合わせて別なものを作るんだって。でも俺は今のスキルいっぱい並んでるのが壮観だから使わなくってもいいかな。」
「強者の余裕ね…」
「まぁね。」
「他のみんなは何層までいってるのかしらね。」
「ここまでこれるかな?」
「どうだろ…ちゃんとレベル上げていけばもしかするかもね。とりあえず俺たちはこれでダンジョンでれば課題は終わりでバカンスだ!ゆっくり楽しもう。」
「そうね!」
「さぁ、転移しようか!まだ他のパーティは10層までは辿り着いてないだろうからまた10層から帰ろうか。」
「わかったわ。」
転移をしてそこから帰路についたが、7層で学校のパーティの人達とすれ違った。
「お前ら!下から来たのか?何層までいった?」
「ひ・み・つ!他所を気にしてる暇あったら自分らに目を向けるんだな。ただ、無理だけはするなよ。命がなければ帰るも進むもないからな。」
そこからは何組かとすれ違ったがその度に、何層まで行ったのか、謎解きのヒント、一緒に攻略してくれないか?とか色々言われたが俺達はただ戻ることに注力して拠点に戻った。
食堂にいる先生のところに行くと
「こんなに早く最下層までたどり着くとは…おめでとう。これでお前たち3人は課題修了だ。あとは6級の開始時期までは好きに過ごすがいい。ちなみに最下層まで行けた者はそういない。胸を張って自慢していいぞ。」
(たぶんお前達以外にそこまで降りられる奴らはいない。)
まわりを気遣って先生は小声でそう言った。
「「「はいっ!」」」
談話室に戻ると俺を含めてみんなぐったりした。
「さぁ、これからは長めの休みだしゆっくり楽しもう!」
「そうね。まずは私達の水着を買いに行かないと。ディケ明日買い物に行きましょう。」
「えぇ。よろこんで!楽しみだわ!」
俺も楽しみだー!!休みだー!




