第78話
「え〜これから後期に行なうダンジョン実習について説明する。今回は長期実習のため宿泊等の拠点は確保しているので安心してほしい。場所だが、シュステル聖教国かクート王国どちらかの国のダンジョンを選んでもらう。選ぶのはパーティ毎で構わないからパーティ申請と合わせてどちらの国へ行くか記入して提出してほしい。今回は各ダンジョンの最終階層への到着もしくは踏破すれば早期修了としても構わない。要は最終階層のボスの討伐しなくても大丈夫だ。それか後期終了の20日前に学校へ戻ってくるまで継続的にダンジョンでの探索を続けていること。これは階層の深さは問わないからパーティ毎に好きな方を目標にしてくれ。」
ハルとディケの周りには男どもがわんさか集まっている。長期の実習ともなればきれい所を押さえたいよな。わかるよ。その気持ち。
みんなそれぞれストロングポイントを売り込んで同じパーティになって欲しいと力説するが2人が選ぶのは俺だけだった。
周りからの視線がつらい…
視線で殺されてしまうんではないだろうか…
「マァト!もちろんこの3人よね?」
「マァ君以外の男子はちょっと…ね。」
「ありがとう二人とも。一緒に行こう!」
そうなると今度は俺達3人を取り込もうとする奴らが声を掛けてくる。
男が1人だと心配じゃないか?もっと年上の男がいた方が安心じゃないか?人数が多い方が楽しいだろ?…色んなお誘いの文句があったがどれにも靡かない。決心は硬いようだ。俺は2人がいるなら後はどうでもいいんだよなぁ…
「俺は2人がいればいいから後は任せてもいいかな?」
「任せて!」
かなり強気なハルだ。頼り甲斐があって助かります。
結局全部お断りをして3人パーティとなった。
「あのさ、たぶん俺、脅されたり裏に連れて行かれたりすると思うからさっさと申請書出したいんだけど、いいかな?」
「「なんで?」」
「二人とも見目麗しく、一緒に居たいと思う男性陣がたくさんなんだよ。その自覚ない?だから特に男性陣からのお誘いが多かったんだと思うよ。それで2人は3人パーティであることをみんなに伝えたら、今度は俺を攻略してなんとかねじ込めないかと考えるのだよ。だからもう決定事項としておきたくてね。」
2人とも少し赤ら顔で俯いている。
「どうしたの?」
「そんな面と向かって見目麗しいなんて言われたら恥ずかしくなるに決まってるじゃない!バカ!」
「マァ君ってそういうのことを恥ずかしげもなく言う所があるわよね。」
「だって本当のことだもの。キレイでかわいいよ。俺もそう思ってる。中身を知ってるのももちろんだけど、2人と一緒に居られることを幸せに思いま〜す!」
最後は少し恥ずかしかったけど、ちゃんと想いを伝えるのは大事だからね。
そして2人はもっと赤くなった。
「マァ君?褒めてくれるのは嬉しいけど、ふざけて言ってるのならば少しおいたが過ぎるわよ。」
「いやいや!本心だよ。」
「それはそれで恥ずかしいわよ。さぁ書くわよ。そういえばどっちにする?」
「あの〜できれば聖教国は避けたいなぁ…なんて…思うんですが…」
「あぁ…そうね。でもクートだけど大丈夫?」
「クートで何かあったの?」
「夏休みで行った時に龍騒動を解決した功績で王城に呼ばれたんだけど、そこで侍女やらなんやらいっぱい来て国に取り込もうとされた事があるんだよね…」
「大変だったわね。でも父様やドークス兄さんの目が届く所にいるのはもっと面倒になりそうだからクートにするしかないわね。マァ君のことは私達が守るから大丈夫!安心して!」
「ありがとう。」
「そんな見ず知らずの女達なんかにマァトは渡さない!」
それから各パーティでの準備期間に入った。俺のアイテムボックスがあるから直前にまとめて買っておけばいいから必要な物のリストは2人に任せて俺は以前クートで調べた土龍のあなぐらについて調べてみた。
ノバルビア大砂漠やそこでの生態系(モンスター含む)を調べるには数日を要した。
そして図書館通いが続いたある日。
《怠惰な生活にのまれず勤勉さを発揮しました》
《怠惰のスキルを解放しました。》
え?だらけるだけじゃなくてそれに打ち勝てってことなのか…
《鑑定》
怠惰
消滅に関するスキル。スキルや魔法を対象として発生したものを消去することができる。レベルがあがると何を対象にしても消滅を行うことができるようになる。
防御しなくても消せるってことか!これは助かる。怠惰さんの神獣は何がでてくるか今から楽しみだ。
……………………
「さぁみんな集まったか!?それぞれの船に乗り込んで実習を頑張ってきてくれ!ちゃんと先生はついていくから心配するなよ〜」
聖教国行き、クート王国行きそれぞれの船が出航する。
「あ〜またこの時間か…長いの疲れる。」
「マァトなら一瞬で行けちゃうもんね。」
「そうなの。しかも今ならシラナもゲイルもいるから海路も空路も選べちゃうし。みんなの前にシラナを見せて船引っ張ってもらったらたぶん実習どころじゃなくなりそうだから我慢する。」
「マァ君…力ある人もそれはそれで大変なのね。」
「ありがとう。姉さん。」
「もう!姉さんもやめて!マァ君もディケって呼びなさい!」
「あっ。うん。ディケ。呼び慣れないから少し恥ずかしいかな。」
「私は嬉しいよ。これからは姉さんじゃなくてディケって呼んでよね。」
「わかった。」




