第71話
もう一つ
土龍のあなぐらについてだ。
図書館で調べた通り、昔土龍が住処にしていた所がダンジョン化した場所だ。
そして現在そこには土龍はいない。
土龍はどこに行ったのか行方は知られていない。
大陸のどこかにいるのか、海や空を渡って別の大陸に移動したのか…
そこには龍の残滓の影響で亜龍型モンスターが多数出現報告されている。ブレスも吐くし、とても硬い鱗で身を守っている。そこら辺のモンスターよりはかなり強いようだ。
ただ、明確な弱点がある。首と尾部に逆鱗があり、そこは他の鱗ほどの硬さがないために弱点だと記載があった。もしここに入る時のために覚えておこう。
〜時間は入城した日戻る〜
城に入ったその日。
案内や侍女達がやけに色目使ってこっちを見ているように感じていた。
翌日からも、侍女に会う回数や声をかけられる回数が増えていく。部屋と食堂やトイレ等特にあちこち探検してるわけでもないのに何度も案内を申し出たり、飲み物もってきたり、本を読んでいても何でも申し付けてくださいとか、それにしてもまだまだ年若い子どもに対して色目使うか?俺まだ13なんだが…
ついには夜伽をしないかとお誘いまでされた。
もちろんはっきり断ったが、なぜだろうか…
たまたま廊下で宰相とすれ違ったので聞いてみた。
「こちらにお世話になり始めて侍女の方々がたくさん気にかけてくださるのは助かるのですが、お世話どころじゃない人もたくさんいます。これは何かの意図があるんですか?正直困ってます。」
「あぁ…おそらく王命じゃないかなと…」
「王様からの指示?」
「おそらくですが…マァト殿のような力ある方を国として取り込みたい意図があるんではないかと思います。私の方からそれとなく止めるように言ってはみますが、むしろ激化していくと思います。なんとしても離すな、とりこぼすな!と…」
「宰相さんは話ができる人のようで助かります。せっかくよくしてもらいましたが、あと数日でフッと消えます。禁書庫を制覇するつもりでしたがとりあえず最低限は読み終えて旅立つ予定としておきます。それまで少しでも抑えてもらえると助かります。」
「善処いたしますね。」
「ありがとうございます。」
…………………
そして今
「さぁそろそろ読み終えたし、ここから離れるか。」
置き手紙を置いた。
「禁書庫の閲覧非常に助かりました。城内での生活もとても楽しかったです。ですが、私にはまだやることがあるので急ではありますが出立いたします。 マァト」
これなら角がたつこともないだろう。
次は獣人自治区だ。
ひとまずイメリアに行こう。
転移にてイメリアに移動した。
皇城に顔を出すか迷っていて宿を探そうと歩いているとお忍びでこっそり城下におりてきていたハルとばったり遭遇。
「あっ!」
「え?」
「あなたなら来るなら真っすぐ皇城にきても大丈夫なのよ。なんでこっちなのよ!」
「いやいや、ハルこそなんでこんなコソコソ町にでてるのさ。」
「一応お姫様だからコソコソしないと護衛だらけになって歩きにくいのよ。」
「そうだね。お姫様なんだもんね。」
「それで、宿は決まったの?決まってないならウチくる?」
「いやいや、そんな軽いノリでウチくる?って言う?お城だよ?」
「まぁお城だけど、自宅なのは自宅だし。そりゃウチって言うわよ。」
「まぁ、そりゃそうか。まだ決めてなくてウロウロしてたところだからお願いしようかな。」
「よかった!それならどうせ一緒に戻るし、町を一緒に歩きましょ!」
「そうだね。」
背中に隠れているシラナが背中をつついてくる。
「あぁ。そっか。」
「ご主人様。こちらの女性とは仲睦まじく見えるが恋人じゃろうか?」
「恋人!?いやいや、なかのいい友達だよ。」
(恋人って言えたらいいけど、いきなり言われるとビックリするよ。)
「ちょっ!この空飛ぶ蛇は何なの?」
「あ…ハルそれ言っちゃダメなやつだわ。シラナ落ち着いて。怒っちゃだめだよ。俺から謝るから…」
「ご主人様にそこまで言われたら仕方ないわ。妾は水神龍:シラナじゃ。蛇ではないからの。以後お見知りおきを!」
「あら!すみません。龍なのね。これからよろしくね。私はハルマーナ。みんなからはハルって呼ばれてるわ。…というかマァトはまた龍をテイムしたの!?あなたは何を目指してるの?世界征服でもする気?」
「世界征服か…それもいいな…なんて言うかよ!そんな面倒くさい事する必要がどこにあるんだよ。俺はあちこち冒険しながら気ままに生きていくのがいいかな。まぁゲイルもシラナも心強い仲間だな。」
「何か色々聞かないといけなさそうね。夕食の後にでもまたテラスで話そうよ。」
街ブラをして城へ入る。
城門ではシラナとゲイルを見せると俺を思い出したようですんなりと入れた。
非公式だが、応接間での皇帝陛下との謁見があった。
「マァト殿1年ぶりだの。今度は水神龍とな。会うたびにとんでもない話をしてくれるな。今回の滞在は何か目的が?」
「今回は獣人自治区に興味があって。伝承や歴史を調べに行こうかと。」
「そうか…困った時は以前渡したメダリオンを見せるといい。あれをみれば王族とのつながりを証明できるから何かと便宜を図ってくれるだろう」
「ありがとうございます!」
そのまま夕食をいただいて部屋に戻った。
コンっ、コンっ
部屋の窓に何か当たっている音だ。
ハルからのお呼び出しかな?




