第7話
何が起こった?
死んだと思ったけど
まだ死んでいない
目の前には振り下ろされている剣
もう間もなく俺の体を深く斬りつけるであろう
時が止まっている
見上げると私兵の横にステータスウィンドウが見えている。
何故??
これもしかして鑑定使えるようになったのか?
名前:ロンバルス・ダムド
Lv.32
ジョブ:ソードダンサー
HP:480
MP:100
筋力:50
素早さ:90
魔力:50
精神:40
運:3
スキル:剣舞Lv8、暗殺術Lv.2、忍び足Lv.3、回避Lv.2
システムメッセージのようなものが視界に現れる。
傲慢の開放により強欲での強奪範囲が広がります。
ステータスのみ→ステータス、スキル、ジョブ
対象:ロンバルス・ダムドから強奪可能です。すべてを強奪でよろしいですか?
は?ステータス見えるようになったし、強欲が強欲っぽくなってきたー
今のピンチを抜け出せるならなんでもしてやる!
なんとしてでも生き抜くんだ!
お前のすべて俺に全部よこせ!
マスター:マァト・テミスがステータス、ジョブ、スキルを奪取します。
ならびに新規スキル開放によりボーナス取得。
今まで他者から収集したステータスを振分けます。
ん?「今まで」っつった??
あーー!!
ちょいちょいステータスさんが光ってたやつだ!
なんだー強欲さんしっかり仕事してんじゃん!
ステータス確認!
名前:マァト・テミス
Lv.1
ジョブ:七つの大罪
HP:6700
MP:2800
筋力:730
素早さ:550
魔力:880
精神:980
運:300
スキル:強欲Lv.5、上級剣術Lv.6
んー
あの人と比べてめっちゃ強ない??
もう…あれだ…
ラスボスになった気分よね
ロンバルスのステータスがHP以外オール1になった。
もちろん剣を振回す力なんて微塵もない。
止まった時間が動き出した途端に手からこぼれ落ちる剣。
「えっ?」
少し距離を取ろうとロンバルスに軽く体当たり。
バンっ!!
5メートルほど先の木に弾き飛ばされる。
「うわっ!」
そんなに力入れてないのに…
チートすげー
落とした剣を拾い上げてロンバルスの困惑した顔を見える距離まで歩いたところで
「なにがあった?お前何をした!」
「んー?俺も教えてほしいところだが、とりあえずお前は終わりってことだよね。」
「やめろっ!くるなっ!」
「俺が試し斬りしてやるよ。」
ロンバルスの体は真っ二つ。
「ホントに良い剣なのかもな」
「ロン!!」
「…これは看過できんな。」
「敵意を向けられたのなら殺すのもやむなし!」
今度は二人だ。一人は剣、一人は槍を構える。
《傲慢発動》
名前:ザクス・ヘイブル
Lv.35
ジョブ:剣闘士
HP:513
MP:80
筋力:70
素早さ:50
魔力:30
精神:60
運:10
スキル:上級剣術Lv.6、シールドバッシュLv.5、頑強Lv.5、不屈Lv.1
名前:カイゲル・シュザーム
Lv.33
HP:500
MP:110
筋力:60
素早さ:70
魔力:50
精神:70
運:18
スキル:十字槍術Lv.7、気配察知Lv.3、罠察知Lv.2、風薙Lv.4
やっぱ俺もうラスボスかそこに挑む勇者くらいステータスじゃん
ステータスは置いといてもスキル増えるのはおもしろいよね!
《強欲発動》
…
あれ?さっきのメッセージみたいのは??
…
「前回の発動から24時間は再発動はできません。」
えー
制約付きのスキルかよー
くそー!罠察知とか欲しかったなー
あれ?傲慢は制約ないのか?
ステータスをまじまじと見ていると二人が挟み撃ちのように両側から走ってくる。
せっかくだしスキル使ってみようか!
《剣舞》
足の運びが感覚でわかる。
敵の攻撃を避けながらカウンター気味に攻撃できるスキルだ。
「視える!」
二人がかりの攻撃がまったく当たらない。
「くっ!」
「たった10際のガキだろう!なぜ当たらない!」
焦れば焦るほど増えた手数の精度が落ちていく。
「そろそろいいか。全部試したいけど、終わらせよう。」
ザクスが振り下ろした剣を回転して避けてそのままの勢いで首を落とす。
カイゲルの突いてきた槍をそのまま奪い取り体勢の崩れたところで心臓に槍を突き立てた。
残る一人に目をやると
「俺はやらねぇよ。命は何より大事だ。見逃してくれないか?こいつら自らの意志で闘って負けた。お前が何か責を問われることは無い。もし必要なら魔獣に食われたとでも言っておくさ。どうだろうか?」
戦意がないのは伝わった。
どうせこのまま国に戻っても暗部の人間を使って消しにくるだろう。
ディケ姉さんに挨拶できなかったのはバツが悪いが俺は魔王領を旅してみよう。
「わかった。このまま俺は魔王領に入る。逃げたフリして追いかけてくるようなら容赦はしない。あっ。それと父様にバレないようにディケ姉さんにだけ俺は生きてはいるから心配しないでほしい。いつか会いに行くと伝言を頼めるか?」
「絶対にできる約束はできないが善処しよう。このまま道なりに行けば山頂にたどり着く。そこから先は未開の地ゆえわからんが、ふもとに明かりが見えることもあるから誰かいるのやもしれない。行ったことがないから知らんがね。」
「では。」
名も知らぬ私兵に背を向けて歩きだした。
俺はこれからこの闇夜の向こうの先に希望の光を見ることは叶うのか。
山頂まではまだ歩くようだ。
前を向いて歩を進めよう。




