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第6話

カーテンをした馬車の現在地はわからない

まだ街の中をでていないのはわかる


愛しの弟のジョブ判別の儀のお祝いを買っている姉の背中を馬車は駆け抜ける

「マァ君喜んでくれるかなー」




この世界は東西南北と中央の五大陸でできている。その北大陸の北半分が魔王領、南西部分がシュステル聖教国、南東部がレゼント龍神国。

魔王領との境は険しい山脈が大陸の東西に続いている。

その山脈に向かっているのだ




「おりろ!」

何時間走ったのか、朝日を迎えてからまた夕日が沈んで今に至る。


「ここからは馬車があがれない。歩きだ。」

標高の高い山のようでだんだん寒さが身にしみてくる

「あー、あと2時間くらいかな。」




「なぁ魔王領に捨てても、ここで試し斬りしても同じだよなぁ?」


私兵の一人がおろしたての一振りをだして仲間に問う


「まぁ誰かに引き渡すわけでもねぇしバレなきゃどっちも一緒だろ。」

「この世に存在してたかわからん奴の生死など誰が気にとめようか」


そうだ俺は(また)捨てられたのだ

でも捨てられるのは終わりじゃない!

むしろここから始まるんだ!

こういうタイミングのために剣術がんばったんだ!

書庫でいっぱい勉強したんだ!


4人の私兵のうち前の二人が足を止め振り返る。


挟み撃ちのような格好になった


「俺はやらんぞ。あくまで魔王領へ連れて行く。それが任務だ。逆走するのならば加勢しよう。」


「俺もパス!だって歩くのめんどくさいのにわざわざ戦いたくなーい。」


「俺はコイツの試し斬りをしたくてたまらんのよ!切れ味は人間で試さねぇとな」


「こんなガキんちょに剣を抜くのもばからしい。戦士相手ならば考えてやらんでもない。」


一対一だ!

チャンスまだあるかも!


「おい!誰も手ぇだすなよ!」


月明かりが反射しておろしたてなのがわかるキレイな剣だ


「まぶしっ!」

反射した光で怯んだ瞬間を見逃さなかった


目の前にいたはずの私兵は視界の端に捉えたが

「まずは左足!」


「いってぇ!」

切られた傷跡が熱く痛む


続けざまに四肢のあちこちを切り刻む

稽古の甲斐もあって直撃は避けられた。

それでも確実にダメージは重なっていく。


足も腕もだいぶ動きが悪くなってきて

そろそろ決定打をもらいかねないな



いやだいやだいやだいやだいやだいやだ

死にたくない死にたくない死にたくない

まだまだ生きていたい




「そろそろ…いいか…」


決め手とみえて大きく振りかぶった剣の動く先は読みやすい。

ドスンっ


体重をかけた一閃は地面を大きくえぐり出した。


横にゴロンと転げて避けるもこんなのは何度もできない。


転生して生き直して

まだまだこれからだろ

俺の人生ここで終わるならなんで転生したんだよ!


考えろ!考えろ!!考えろ!!!

魔法もダンジョンもなんも経験してない

俺の自由な転生者ライフはこれからなんだ!



次の攻撃に備えようと体を起こそうとした時

ズルっ

地面についた手が滑った


その瞬間を見逃すことはなかった

「よっしゃ!」


最後の瞬間まで可能性を探っていたマァトだったが目の前の剣に反射で目をつむる


《確定した死の間際に諦めず生への渇望を確認》


スキル:傲慢を解放しました。

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