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七罪の裁定者  作者: まーるぽー
第3章・中立学園都市国家ゴンドヴィル前編

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第61話

「ようこそいらっしゃいました!久方ぶりのお客様をおもてなしできる喜びに震えが止まりまっせん!」


目の前にいるのは天使…だよな?


「もしかしてあなたは天使さん?」


「おぉ!とても聡明なお客様であらせられる!私めは天使・ウリエル。そして…サリエルの弓を持っていらっしゃっているならなおさらこちらへご招待した甲斐がございますねぇ。」


なんか…独特な天使さんだね


「俺はあなたと戦わないとならない…んだよね?」


「えぇ。よくご存知で。ですが、ここでは戦いというより試練という表現の方があっているかと存じ上げます。」


「試練?」


「そう。試練でございます。これから私はあなたを一方的に、徹底的に、多角的に、攻撃していきます。ですが、あなたは反撃はもちろん攻撃をしてはなりません。武器で受け流すのもなりません。その時点で試練は失敗で終了です。避けるか受けるかの2択です。もちろん御身で受けても構いませんが、私めの攻撃力はとぉ〜っても高いので避ける一択で考えていただくのが御身のためにはよろしいかと存じます。」


「なかなか難しい設定だね。避けるのはいいとしてどれくらいの時間?」


「そぉ〜ですねぇ〜さすがに反撃も受け流しもしないとなると10分でもとても大変な思いをなさるのでしょう…まずは1時間から始めてみましょうか?」


「まずは?そこからまだまだ延びるのか?」


「えぇ。あなたの真価を発揮してくだされば1秒でも試練は終わりますが、私めは疑り深いのです。ご褒美欲しているのでしょう?あなたの頑張りをお見せくださいまし。」


「わかった。始めてくれ。」


「おぉ!なんと勇ましい!無事に試練を突破なされれば私めからは神器と言われる程の逸品をお渡し致しましょう。では参りますよ!」


ウリエルは槍をもって勢いよく攻め立ててくる。

突きも速く足捌きもなかなかなものだ。気を抜けば一瞬でやられる。

集中力も体力ももたせなければならないか…


確実に急所を狙って突いたり、なぎ払いをしてくる。

「うぉっと!こんなに速い槍は初めてだ。」


「お褒めにあずかり、たいへん幸せです。ですが、状況の変化が見えませんねぇ…ではこうしましょう!」


目が疲れてるわけではない。ウリエルが2人になった。分身するスキルか魔法なのだろう。


今度は2対1になった。

同じ思考で動ける分、連携は寸分狂わず合わせてくる。

逆に綺麗すぎてかわしやすいのだが…


「ん〜当たりませんねぇ。じゃあ今度はこれでいかがですかねぇ?」


槍を地面に落とすと今度は双剣使いになった。

さっきよりさらに激しく攻め立てる。

槍ほどリーチはないが、攻めの速さと柔軟性が先ほどより格段にあがっている。


どうやら10分経過する毎に、何か変化してくるようだ。

すでに30分経過しているのだ。


「これでも当たりませんか…それならこれでいかがでしょう?」


更に1人が増えて今度は遠距離攻撃担当として魔法使いがでてきた。


火球や風の刃がヒュンヒュン飛んでくる。

さらに双剣使い×2人も相手をしないとならない。


3人の連携がすばらしく避けるのがかなり辛い。


「くっ!っはぁはぁはぁ…」


「ハハハハハ!なかなかやりますねねぇ!だんだん慣れてきているようですし、趣向を変えましょうか!」


魔法使い→弓矢、双剣①→槍、双剣②→薙刀に変化した。


「クソっ!レンジが変わるし、長いからまた大変だな」


槍の高速の突きを気にしていたら視界外から矢が飛んできてそこに釘付けになっていると薙刀の薙ぎ払いがくる。なんともいやらしいコンボだ。


「驚きました!人の身で1時間本当に耐えてしまうなんて!」


なんとか1時間耐えられたようだ…


「ふぅ…ようやくこれで…」


「終わりませんよ!とりあえず1時間やってみるという話ですからね。そうですね…あともう1時間耐えられるようならこの試練は合格としましょう!では参りますよぉぉ!」


早速一人増えた…

弓兵がまた増えたのだ。

しかもさっきとは対角にいるため視界外の攻撃がさらに増えることになる。


気配を読む力を持っていてよかった。

集中力が続かなくなってきた。

途切れる瞬間がある。


逃げる方向や跳躍のタイミングすべてに気を張らないとならない。

もちろん止まってなどいられない。


「ハァハァハァ…」


また武器が変わった。近接はこれ以上はそれぞれが武器を振るえなくなるから増えないようだ。

槍→鉤爪、薙刀→三叉の鞭


バチンっ!

「くっ!」

鞭の曲線の攻撃は避けるのが難しい。

鉤爪を両手、両足に着けている体術も手数が多くて避けきれない。

数カ所の切り傷ができている。


「スタミナの減少もそうですが、ダメージを受けても動きが鈍くなりますねぇ。そろそろ限界じゃないでしょうかぁ?」


弓矢は的確に真上から当たるように撃ってくる。

しかも絶妙なタイミングで。


「っはぁはぁはぁ…」


「それにしてもしぶといですねぇ。なかなかの粘りを見せる。ここまでの御方は初めてではないでしょうか。」


「これでもニンゲンとしては規格外と言われててね!」


疲れ、集中力が切れる、足がもつれた瞬間に鞭に両足を取られる。


「あっ!」


あ…終わった…ここまでだ…



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