第49話
気配を隠し教会に入る。
4人の黒ローブ集団は祭壇に祈りを捧げている。
そして祭壇の前でしゃがみ込んで何かをしているようだ…
気づかれていないので近くに寄ると何か鍵をあけている。
「そろそろ来るから早く開けろ」
「わかってるから!そう急かすな。」
ガチャン!
黒ローブ集団以外いない夜の教会に解錠した音が響く。
大人が少し屈まないと入れないような少し低い扉を開いて奥へ入っていく。
扉を抜けるとそこには少しの広間と牢屋があった。
中には攫われたであろう数名の女性。子どもも含まれている。
(情報屋のやつちゃんと仕事してんじゃん!)
「そろそろ出荷か?」
「そうだな。ちょうど今晩運び屋がくるはずだ。」
「今日の分合わせたらまたパァーッと遊びに行こうぜ!」
「出荷の日くらいは楽しまなきゃな」
ゲイルからの念話で大きな袋を担いだ2人のローブ姿が教会に入ったとのことだ。
「今日のもなかなかのもんだぜぇ」
「暴れるもんだから袋で運ぶのも一苦労だったよ」
「金払いのいい仕事だからいいけど、なんで雇い主も運ぶ先も教えねぇんだろうな?」
「まぁ何かあった時に俺たちを切り捨てる為だろうな…」
(俺もそう思う。そろそろいいか。)
「切り捨てごっめ〜ん!!」
瞬時に2人にボディを一発ずつ。急な衝撃のため気絶する。
「なんだテメェは!どこから来やがった!?」
「どこってソコだけど?」
さっきの狭い出入口を指差す。
「運び屋が来る前に片付けろぉ!」
チンピラらしくナタやナイフを持って襲いかかってくる。
が!しかし。
所詮はチンピラ。遅すぎる。
勢いよく飛びかかってきたチンピラ。突きだしたナイフをそのままに走ってくる。
ちょんっと避けてその腕を掴んでぶん回す!まさに武器の現地調達!
思いっきりぶん回したせいで肩は脱臼して腕は折れたらしい…
おかげで残りの3人もまとめて討伐完了!
「さっきこれから運び屋がくるって言ってたな?どこへ何の目的で連れて行くんだ?」
「さっきの話きいてたんだろ?俺達はその運び屋に話を持ちかけられて攫って引き渡しているだけで、それ以上はなんも知らねぇんだ!」
「そうか…よくそんな怪しい仕事引き受けてるな。お前たちはこれで全員か?」
「金が貰えりゃなんでもいいんだよ。俺たちはこれで全員だ。殺す…のか?」
「え?なんで?人攫いは許されないけど、お前たちを官憲に差し出して終わりだから殺す必要ないよ。面倒くさいし。この件について知らないならここまででいいからもう寝てて。」
スッと後ろに回って裸締めをして落とした。
チンピラ達は牢屋に入れて縄で手足を縛っておく。
「さぁみなさん脱出しましょう!」
ゲイルから念話がきた
「主よ!近くに大きなかごの馬車が1台近づいておるぞ!」
「わかった。停車したら逃げ道を塞いで大きくなって脅かして!逃さないようにするだけでいいからね。」
「まぶしい魔法を使うので目を閉じて俺に捕まっててください!」
まぶしい魔法なんて使いません。
転移を気づかせないための嘘ですよ〜
宰相が手配してくれた衛兵に引き渡して、教会にチンピラがいることを伝えてまた、教会に転移した。
「あれま!馬も御者も気絶してるけど、なんかしたの?」
〜3分前〜
馬車が止まりその背後についたゲイルは元のサイズに戻った。
上から覗き込むように見るとまず気付いたのは馬車馬だった。死を覚悟したと同時に失神。
その異変に気づき上をみると巨大な龍が口を開けている…
「グォォォォオオ」
少し唸るだけで泡を吹いて倒れてしまった。
そして今
「主よ、ただ姿を見せた程度でのびているのだが…」
「それだけゲイルがド迫力だったってことだな!さぁとっとと縛り上げて情報吐かせないと。」
ペチペチペチ
「おーい!起きろ!おーい!」
「うわぁっ!」
「やっと起きたか。さぁまずはあなたの自己紹介どーぞ!あっ!名前は聞かなくていいや。どーせ忘れるし。所属とかそーゆーやつね。」
「なんなんだ!いきなり縛られて…いや!龍だ!龍が…い…る?」
「喋りたくないか…じゃあ選択肢をやろう。1つそこの龍に喰われる。2つ縛られたまま俺に目一杯ボコボコにされる。3つこの水球に俺がいいよって言うまで顔を埋めてもらおうかな。」
そう言って水魔法で直径1m程の水球を作り出す。
「おいおい!そういう時は最後の選択肢にじゃなきゃ喋るか?って聞くんじゃないか?これじゃただ俺が痛めつけられるだけだぞ…」
「主よ…さすがにそれでは何も始まらんぞ」
「やべっ!そうだっ!嫌なら情報をだせ!」
縛られてる運び屋少し呆れて喋りだした。
運び屋はこの教会からとある侯爵の家の裏の小屋に攫った人たちを運び込むということだけだそうだ。その侯爵と直接やりとりはしていなくて、金の受渡しは家来だと言う者から受け取るだけで、その前後は何も知らないらしい。
「お前も牢屋だな。こっちこい。」
運び込む小屋までの行き方を吐かせた後は用無しだからチンピラ達と同じ所へ置いといた。
運び込んだところでちょうど衛兵がやってきたので運び屋の行き先を確認するとアゼル侯爵という貴族の家の一角だそうだ。
突き詰めると貴族にたどり着くあたりため息しかでないな…
権力の果てに腐敗があるのはどこでもある話なのかな…
あの頃には力がなかったけど、今は腐敗を叩き潰す力も策略もある。膿は出してナンボ!
衛兵達には近くで待機してもらっているようにお願いした。
そろそろ黒幕にたどり着くかな…
今夜ケリをつけてやる




