第48話
「今回はゲイルにも手伝ってもらうからな。頼りにしてるよ。」
「相わかった。早く解決できるよう助力いたそう。」
宰相さんに聞いた道順通りに行くと繁華街のど真ん中にある酒場『花の蜜』に到着した。
話通りカウンターにいるのはたった一人。これは間違いない。
「こんにちは。こんな時間から飲んでるなんて景気いいのかい?」
「なんだぁ?ガキがこんな店にくるんじゃねぇ。邪魔だから帰れ」
「宰相さんに紹介してもらってここに来たんだけど、情報屋さんであってるよね?仕事の依頼なんだけど、話聞いてくれないかな?」
「宰相だぁ?なんでこんなガキを使いによこすんだよ。仕事の話するんだからちゃんと金はあるんだろうな?」
「もちろん。でもそれはそれに見合う話聞けるならだけど…」
「主導権はこっちにあるんだ。値踏みすんじゃねぇよ」
「最近人攫いが横行してるようなんだけど、なんか知らない?」
「宰相から聞いてここに来たんだったら俺が知らねぇって答えてるの知ってるだろ!そんな話なら金になんねぇな。帰れ帰れ」
手で払うようにしてからカウンターに向き直りまた更に酒を呷っている。
どうしたものか…
もう少しコイツ探ってみるか
店を出るフリをして気配を隠し張り込んでみる。
その後、三杯ほど呑んでから、情報屋はフラフラと店を出る。
宿屋『光翼』の裏にまわる。
勝手口から入っていった。そのままつけていくと地下に降りて行くとそこは賭場が開かれていた。
裏ギャンブルか。
そりゃあ金が必要になってくるよな
勝ったり負けたり…
普通にギャンブルしてるだけだな…
「大丈夫だ!勝って倍にして返すからなんとでもなる!俺は大勝するからよ!」
あぁ典型的なダメギャンブラーだ…
金借りてるのかな?
「俺の直感がビンビンきてる!この勝負は勝つぜぇ!」
勝負師の第六感ってやつか
ん?手元がなんか変だぞ?
イカサマでしたー
第六感なんてなかったんや
でもこれは使えるネタになったな。
もう一回揺さぶってみてどうなるかだな…
その後、清算して少しのプラスの戦果を持って家路についた。
翌日にまた酒場に出向いた
「また来たのか!?何度来ても話するこたぁねぇぞ!」
「俺には話があるから今日ここにきたんだよ。まぁ見てもらったら早いから見せるけど…」
気配を消して視認できなくなった。
「どこいきやがった!!」
「ここにいるよ。こうやってあなたをつけさせてもらった。それで賭場一緒に行った。そこで負けがこんでたアンタが最後の最後にだけ都合よく大勝してるとこもね。ずいぶん都合がよすぎないか?」
「たまたま、運がよかっただけだろうが!賭けってのはそんなもんだろ!」
「ふ〜ん。アンタの左の袖にたまたま入ってたカードがたまたま手元に入ってたまたま勝ったと?」
「袖ぇ?そんなんは俺ぁ知らねぇな。たまたま勝ったってとこには同意してやるがな」
どんっ
金貨の入った袋をカウンターにのせると情報屋の目が釘付けになった。
「そこまで強情なら俺と賭けをしないか?勝てばそれは全部やるよ。負けたらさっきのイカサマを認めてもらった上で俺の要求に応えてくれないか?」
「いいだろう。何で勝負する?何でもいいぜ。俺は運がいいからな。」
「ごちゃごちゃしたのは面倒くさいからカードを引いて数字の大きい方が勝ちってことでどうだ?」
「いいだろう。」
「さぁ勝負!」
ひっくり返されたカードは俺が3と情報屋が13
「13を引いたぞ。さぁ俺の勝ちだ。総取りでいいんだよな?」
「アンタの勝ちならな。…さぁ答え合わせしようか。始める前にこのカードの枚数は調べてある。だから何か余計に増えたり減ったりしてたらおかしいよな?」
情報屋に見えるようにすべてのカードを表にして本来あるべき枚数を確認する。
「なんで13が1枚多いんだろうなぁ?あ?」
「くっ!」
「なんで俺に疑われてるのにイカサマやってんだよ!バカか?」
「負けられねぇ戦いってのがあるんだよ!」
「まぁいいや。俺の勝ちな。アンタには洗いざらい吐いてもらう。まずは人攫いについてだ。」
「なんで俺が知ってる前提なんだよ」
「アンタには拒否権ないことわかってる?俺がひっそりついていってイカサマの瞬間をバラすことなんて余裕なんだよ?それでもあの時バラさなかった優しさを汲んでほしいもんだよ。」
「くっ…人攫い…知ってはいるが全部は知らん。とある組織が絡んでる。そして女を狙って攫っているということだ。」
「攫った女性はどこにいる!?」
「知らん!そこまで知ったら俺の身が危ねえだろうから首を突っ込んでねぇんだ。でも攫う前には必ず教会で祈りを捧げているって聞いたぞ。ヤツらを追いかけたいなら教会で待ち伏せするしかないんだろうな。俺が知ってるのはここまでだ。組織の名前も黒幕も知らんぞ。ただ、宰相とかの国からの問いに関して知らぬ存ぜぬを突き通せと金を握らされてるだけだ。先に話を持ちかけてきたのは組織の方だからそこに義理立てしてるだけだ。」
「本当にこれで全部か?俺はお前の嘘を見抜く外道のような方法もあるんだ。」
「俺ぁアンタに弱みを握られてるんだ、これ以上は本当にねぇよ。そこの金貨をくれるなら何か思い出せそうな気がするよ」
「情報には対価があっていいだろうさ。もっていけよ。」
「毎度ありぃ!おそらく今夜ないしは夕方あたりは行動あるはずだから教会にいけば収穫あるはずだぜ。」
「情報感謝する。まぁもし空振りならその保障はしてもらうがな。」
店を後にして一旦宰相に現在の情報を報告した。
騎士団の派遣をしようとしていたので、あまり大勢で動くと気取られて捕まえられなくなるかもしれないから魔法で救援信号を出すまでは少し離れて待機していて欲しいと伝えた。
さぁ教会だ。ここで何が起きてるか少しわかるかな…
「主よ先ほどの嘘を見抜く外道の方法とはなんなのだ?」
教会を見張っている時にゲイルが聞いてきた。
「いや、なんもない。あれは言ってみただけ。しいて言えば死なない程度に殴って回復させてを繰り返すくらいかなぁ?」
「十分外道な方法だぞ。それ。」
「え?そう?回復してもらえるんだもん得なんじゃない?あ!あの黒いローブの集団だな。俺は1人で入るから外に逃げるヤツもしくは援軍いたら教えてくれ。」
「相わかった。くれぐれも加減は頼むぞ。街を吹き飛ばしたら元も子もないぞ。」
「ゲイルまでそんなこと言うのかよ!わかった。いってくる。」




