第46話
綺麗に着飾るでもなく龍を連れて登城した。
控室に案内され、そこで最低限の謁見時のマナーを伝えられた。
こんなに豪華な部屋にいると少し緊張してくるな…
謁見の準備ができたからと案内係に誘導される。同じような道が続いて右へ左へと曲がる。スキル使わないと現在地わからなくなりそうだ…
大きな扉の前に到着した。
ここが謁見の間か
「此度の功績を讃えて!マァト殿の入城です!」
バァン!
王族のお目に触れてはならないから少し下を向きながら所定の位置で顔を伏せる。
「うぉっほん。此度の龍による災害の鎮静化の大役を果たしたマァト殿。ご登城にお応えいただき感謝いたす。これより皇帝スティファン・ダルク・イメリア様のご登壇でございます。」
「皆のもの面をあげよ。此度の龍の事案の鎮静化に尽力したマァト殿にはイメリア魔導皇国として感謝を。そなたを国の客人として迎えることを約束しよう。して褒美なのだが、見ず知らずの者に何を準備しようか思案したが、何がよいか全然わからぬのだ。この国の者ならば爵位や領地なんて話もしやすいが、そうではないからのぉ」
いやいやいや!土地も爵位もいらねー!!
違う国でよかったーー!!
それにしてもエルフだけあってみんなキレイだなー
っておいおい!ちょっ!まっ!
なんでここに!?
なんでなんでなんで??
「なんじゃ?ハルマーナを気に入ったか?さすがに爵位を持たぬ者に娘をやることはむずかしいがのぉ。他に何かないか?」
ハルだ…
本当にお姫様だったのかよ!
何かお上品な佇まいだけど、ハルだ。
「ん〜少しの間こちらに滞在して考えさせていただいてもよろしいですか?」
「もちろんだ!いくらでもいるとよい。部屋を用意せよ。それでその…肩に乗っておるのが例の…」
「はい!そうです。今は俺の旅の仲間ですから悪さはしませんが、ちゃんと力を持った龍です。今は小さい姿になってもらってますが、本当はとっても大きいですよ!見せましょうか?」
「いやいや、結構。話は隊長から聞いておる。驚いて寿命を縮めたくないないからな。ひとまず国としての脅威が去ったことを喜ぼう。これで港も安泰じゃ。それでは案内係をつけよう。ごゆるりとしてくれ。」
謁見が終わると王族の退場が先にされてから解散となる。
さすがお城だ。部屋が広い!
そしてお客さんにもメイドがつくのか。
「何なりとお申し付けください。」
メイドさんもめっちゃキレイだわ〜
コンコンコン
「よっ!」
学校の教室にいるかのように軽く入ってくるお姫様…
「殿下!?なぜこちらに?」
そりゃまぁなんの気なしにお姫様がきたらメイドさんは驚くよね。
「同じ学校に通ってる友達なの。いきなりお城に来るから驚いたけど入っていいわよね?」
「もちろん。さっそくですが、メイドさん。お茶をお願いしますね」
「かしこまりました。」
「来てくれたのは本当にうれしいけど、マァトだから仕方ないか…」
「仕方ないって何が?」
「その肩の子。神獣まで従えて今度は龍連れているなんて…それにしてもお父様も私と結婚だなんて、何を言ってるのよ。」
「アレにはビックリしたよ。エルフはみんなキレイなんだな〜って見てたらハルがいて、いつもの学校の姿とは違って見惚れてた。ハルだと気づいてビックリしたのもあるけど綺麗な人だと目を奪われたよ。」
「そんなに褒めても私から褒美はでないわよ!でもありがとう。」
「あっ!そうだこれを渡しに来たんだった!」
アイテムボックスからスティアに打ってもらった短刀というより小剣かな?碧玉をだす。
「これを君に。弓矢や魔法だけではどうにもならないこともある。俺が助けに行くにしてもすぐ届かないことだってあるかもしれない。だからスティアにお願いして作ってもらった。ミスリル製だから魔法も乗せられるし、相手の魔法を断ち切ることもできるよ。」
「ありがとう。キレイね…大事にするわ!私が片手で振るのにはちょうどいいサイズね。これから剣術も特訓しないと。スティアのところからっていったら移動にけっこう時間をとられたわね。」
「いや、全然。だって学校までは一瞬だから船に乗った5日間だけだよ。」
「え?」
「え?教えてなかったっけ?俺転移の魔法というかスキルが使えるから行ったことあるとこならどこでも行けるよ。もうイメリアにもこれたから学校までも一瞬だし…」
「はぁ〜それは聞いてないし、そもそもそんなのはおとぎ話や伝説の類のものよ。ほんっとにあなたって人は…でも興味あるわ!見せてくれる!??」
「ん〜どこ行く?と言うかその格好のままいくの?さすがに城外にその格好は目立ちすぎるよ」
「あなたもまともなこと言うのね。ちょっと待って着替えてくる。何か悪いことしてるみたいで少し楽しいわ」
隣の部屋でガタガタ音がする…
「これじゃなくて〜…う〜ん…」
バタバタガタガタした音が止むと
バタン!
「準備できたわ!行くわよ!」
「ハル。行くのはいいんだけど、まず確認したいんだが、隣の部屋がハルの部屋なのか?」
「ええ。そうよ。何か問題ある?」
「ないけど、客が危ないやつだったらどうするんだよ…警備体制大丈夫か?」
「いやいや!今回はマァトだから隣にしてもらっただけでいつもはこんなことはないわよ。」
「それならよかった。それでどこかいきたいところある?」
「ただ転移をみるだけならどこでもいいけど、どうせなら遠くに行ってみたいわね。あっ!そうだ!あなたの師匠とやらに会わせてよ!」
「いいけど、いるかわからないからもしかしたら会えないかもしれないよ?それでもいいなら魔族領に行ってみようか!でもメイドさんとかにバレたら大変だから長居はできないからね。」
「わかったわ。じゃあお願いね。」
ハルの肩を抱き寄せ魔族領に転移する。
「さぁついたよ。」
「もう?確かに景色が変わったわ。」
「マァトじゃないか?久方ぶりじゃ。よく来たのぉ。元気にしておったか?」
「師匠は変わりないようでよかったよ。転移してきてもびっくりしないんだね?」
「お主なら、なんでもありじゃ。ありのままを受け入れよう。それでそこの女性はなんじゃ?奥方の紹介でもしに来たか?」
「おっく!違うってば!エルフのお姫様に転移を見せてあげただけさ。学校の友達だよ!」
「友達か…まぁ今はそうなのだろう。人とのつながりを大切にできてるようでなによりじゃ。そちは名を何と申す?」
「イメリア魔導皇国第三王女ハルマーナ・ダルク・イメリアと申します。以後お見知りおきを。」
「丁寧な挨拶に感謝申し上げる。じゃがここではそのような振る舞いは不要じゃ。楽にしてくれるとワシも助かる。」
「それでは…マァトはこちらでの修行してる時からぶっ飛んでる人だったんですか?」
「ぶっ飛んでるか…出会った頃から規格外な子だったことを覚えてる。あんな小さな子どもが体の何倍もあるモンスターを討伐していたのぉ」
「師匠!話ししたいことたくさんあるんだけど、ちょっとあんまり長居できないからまた来るね!」
「マァト急ぎすぎじゃない?私もっとお話したいのだけれど。」
「メイドさんにバレたら大変なことになるよ?君はお姫様なんだよ?ちょっとは気にしてくれたら助かるよ。じゃあ行くよ!」
「お主は本当に忙しいな…必ずこい。待っておる。」
「うん。また来るね!じゃっ!」
来た時のようにハルの肩を抱き寄せて転移
「転移は本物のようね。師匠に会わせてくれて嬉しかったわ。ありがとう。」
「短い時間で申し訳なかったけど、また今度色々紹介するから一緒に行ってくれるかい?」
「もちろん!楽しみにしてるわ。」
行き当たりばったりでイメリア来たけど結果としてはトントン拍子でよかった。




