第41話
下におりると酒場のような広さでかなり繁盛している。
あたりをみていると
「新入りか!?初めてだとビックリするだろ?学校なのか?ここは?って感じだよなぁ」
「初めてなんです!地下にこんなところがあるなんて衝撃です!」
床に寝転んでるやつからテーブルの上で踊ってるやつまで様々だ。
盛り上がり方が異常なだけでただの酒場なだけだ…
ただの飲食店なのだったら文句いうこともない。
学生のストレス発散の場の一つとして認識しておけばいい。
「こっちこいよ。まずここに来たのなら飲み物と一緒にアレを頼まねぇとな。」
奥に行くと大きなカウンターがある。
「マスター、こいつ初めてなんだって。とりあえずエールといつもの一つつけてやってくれ。支払いはこいつがする。俺も同じので頼むよ。」
「あいよ。」
飲食店の店員というより用心棒な風体の店員が酒と一緒に薬のようなものをだした。
「とりあえずグイッと一杯これと一緒に飲みな!最っ高にキモチイイぜ!」
潜入捜査だしな…
飲んだふりをしてぐいっと一口呷る。
前世で飲んでいたビールの旨さが身に染みてわかった。冷えてないビールはビールに非ず!
はぁ〜キンキンのやつ飲みてぇな…
振り返りあたりを見回すとみんながだいたいキマってるやつばかり。
「これ『ダメ、ゼッタイ』のやつじゃないか…」
黒確定です。
どうにかしてここにハルや姉さん、フラウが来てしまって変なことに巻き込まれたら大変だし、もし廃人になるような中毒性があるのなら尚更だ。
ボスをさがして成敗せねば。
こんだけガヤガヤしていれば気配を消せばだいたいどこにもいけるっしょ!
あちこち探索していると別室が1つだけあるのがわかった。鍵がかかっているのか扉は開かない。
だが途中で開いた。そこから2人ほど男がでてきてそいつらが女性に声をかけている。
声をかけられた女性は少し驚いた様子で二人組についていく。そうして4人がつれられてまた別室に戻っていく。こっそりついていこう。
潜入に成功したが、最悪な部屋だった…
「今日はなかなか上玉じゃないか。さぁこっちへこい。まずはオレに酌をしろ。」
連れられた女性はその男の周りに侍らされて酌をはじめる。
何人かの手下らしき者も少しいやらしい表情でそれを見つめている。
「この店を見つけられて運が良かったなぁ!ここなら今まで味わったことのない幸せをつかみ取れる。感じたことのない快感を感じられるんだ!」
はい。アウトー!
どうしようもないクズだな。
まぁまだ決定的な瞬間じゃないから様子見するしかないのだけれども…
「これを飲め。カウンターで売ってる奴より何倍も効くからブッ飛ぶぞ!ほれ!」
もう…いいよね?
「おいおい。そんなことでしか幸せ感じられないならもう終わってるだろお前!」
「んんんっ!お前は!なぜここに!」
キールは入口付近の手下を睨む。
「お前がここの主人か?キール?」
「穢らわしいやつには関係ない!どう入ったかはいいとして俺のやってることを知られるのは具合が悪いな。お前らこいつ…潰せ。」
「きたきたー!!めっちゃヒーロームーブじゃん!え?いいの?」
俺のテンションにこいつ大丈夫か?という目線で一瞬止まるが、勢いよく全員でかかってきた。
「おい…ウソだろ…6人がかりだろ?」
とんでもなく弱い。
最初に飛びかかってきたやつを膝蹴りで怯んでるまま回し蹴りで巻き込むかたちで二人目と三人目をダウン、後ろからのパンチも心眼で見えてるからその腕をとって一本背負いで4人目、投げた先にいた5人目も巻き込むかたちになった。怯んでる6人目の背後に一瞬で移動して絞め技でオトす。
「おーい。手下終わったぞー。お前はもっと強いんだろ?かかってこいよー。おーい。」
キールはなにか小声でブツブツ言っているが、聞き取れない。
女性陣もキマっていても身の危険はわかるようでキールから離れている。
「こんな危なっかしい薬ばら撒いて何がしたいの?」
「そういうところだよっ!お前は何なんだ!オレの邪魔をして。」
キールはソファから飛び出し俺に向かって拳を振りかぶった。
……もちろん遅い。
シュン
「避けるのは上手なようだな。」
蹴りやパンチを何発も繰り出すも一向に当たる気配がない。
「答えになってないのだが?俺はお前が何のためにこんなことをしているのか問うているのだよ」
「うるさいうるさいうるさい!お前がそんなんだからだよ!お前をぶっ飛ばすためにやってんだろうが!」
「は?なんでそうなる?中毒にして薬を餌に俺に危害でも加えようとしてる?くだらねー。そんなんだからお前は…」
言い切る前にまた攻勢が強まる。
……当たらないが…
「っはぁはぁはぁ…俺のバックにはドークス兄さんだってついてるんだ。余計なことはしないでさっさと去れ。それでここのことは忘れろ!そしたら手出しはしないでいてやる。今は。」
「今は。じゃねーんだよ。そもそも手出ししないでやるってのは勝ってる側が言う言葉で今のお前が言える立場にないんだよ!それにドークス兄さんが背後にいるんだとしても関係ない。俺はお前のやり方が気に食わない。俺の正義の名のもとにぶっ飛ばす。」
「お前の正義ってなんだよ!これでも喰らえ!」
ナイフの投擲と共に魔法で作られた火球が飛んでくる。
両方撃ち落として、まわりに火がまわってないか見てみるが大丈夫だった。
「お前バカか?逆上して地下の木造の建物で火魔法撃つって何考えてんだよ!…もうダメだ。俺だけで解決しようと思ったけど、ここまでくればエル兄さんも動くだろう。報告させてもらう。」
強く睨むと一瞬ひるんだようだ。
「お前は寝てろ!」
腹に強烈な一撃をいれると意識を失った。
その後は建物内の薬物使用者に対して浄化の魔法をかける。我に返った者や、少し後ろ髪を引かれるような者もいる。カウンターの奥に薬の在庫があった。薬の山の中にある手紙を拾う。本来ならば証拠として少し残しておくべきなのだろうが、こんなものを残しておいて誤って誰かが使ってしまうと大変だ。ここにあるすべての薬を処分した。これにて一件落着だろう。
実はこの時キールをブチのめした時に部屋にいた4人から強烈に迫られるなんてシーンもあった。
助けたお礼なのと一目惚れしたのだそうだ。
かなり強烈だったし、諦めてくれないからそこの四人にも眠ってもらった。
ハーレム展開は少し夢見ちゃうけど、ここで手を出したら何か違う気がする。
本当に残念だけど…あー残念…
と思っていたら…
《複数の異性からの強い誘惑に打ち勝ちました。》
《色欲のスキルを解放します。》
え?これが解放条件だったのか…
災い転じて福となす…みたいな!
「キールも弱いし、手下もヘッポコだしなー。全然いい運動にならんなぁ。」
とりあえず先生とエル兄さんには報告しておくか。ドークス兄さんへも少し釘刺しておいた方が良さそうだしなー
とりあえず部屋戻って寝よ




