第40話
トントン
「おはよう。よく寝たね。」
「スティアも帰ってくればわかるよ。ふかふかなベッドがあることの幸せを。おはよう。」
ダン実から帰ってくると1日休息日が与えられる。また翌日から机にかじりつく毎日に戻る。
さすがに今日は図書館お休みしようかな。
とりあえず起きたし、ご飯いくか…
「マァト!おはよ!」
「おぉ!ハル!起きてたんだ。ベッドの魔力に負けてるかと思ったよ。あ!こちらルームメイトのスティア。製作系だよ」
「おはよう。スティア。私はハルマーナ。それでこっちがルームメイトの…」
「あっ!フラウじゃないか!」
「えっ!?スティア?」
???????
ハルと俺は顔を合わせるもお互いの頭には?がたくさん浮かんでる。
「そっ!そうそうフラウよ。私達同室なの。」
スティアの顔を見てハッとした
「もしかして…例の…」
「そうだよ!僕のふぁのフガフガフガ…」
途中でフラウに口を塞がれる。
ハルは話が見えてないのか置いていかれてる表情でスティアとフラウを交互に見る。
フラウは慌てて
「ハル!後で話すから落ち着いて。」
「わ、わ、わわかったわ。」
「俺はスティアのルームメイトのマァト。よろしくね。商店街の矢のお店の件は本当に助かったよ。ありがとう。」
「え、えぇよろしくね。ハルからあなたの武勇伝は聞いたわよ。ハルにもいい人が現れたと思っていいのかしら?あなたの話をするハルはとっても楽しそうだったわよ!」
「ちょっ!何言ってんのよ!ただ、見たこともない程強い人をみたからってだけよ!」
赤ら顔で訂正するハル
「まぁまぁ。今すぐじゃなくてもね。その内何かが変化が生まれるかもってことよ。私はそれに期待してる。」
「で?この方はあなたの何なの?フラウ。」
「私のお付き合いしている方よ!とっても可愛らしいの。まぁ立ち話もなんだしみんなで席につきましょうか?」
………………
この日から実習とかのない限りは4人の朝ごはんが定番となっていった。姉さんも含めて5人ってこともある。信用できる人たちだと思いジョブのことや今までのことも一通り話した。
入学から3ヶ月も経ち3回目のダン実も終わった頃。
「そろそろ夏休みだね。みんなは実家に帰るの?」
「そうね。私はお母様に顔見せしておかないとなりらないから。フラウとスティアは同じく東大陸だから一緒に帰るのかしら?」
「そうしたいのはやまやまだけど、ドワーフ王国へはガストール帝国側から入ると山道が険しいから船でぐるりと回るルートになるかな。」
「昔からそこの山道を通らなくても行けるトンネルを掘っているんだけど、開通まではまだかかりそうなのよ。」
「マァトはどうするの?」
「時間あるから今まで行ったことのない大陸に行ってみようかなと思ってる。」
「それなら僕と一緒にドワーフ王国にこないかい?図書館行けばユニークジョブについても何か手がかりあるかもしれないしね。」
「面白そうだね。行かせてもらうよ!」
「話変わるけど、最近夜窓の外見たことある?」
ハルが神妙な面持ちで聞いてきた。
「何か変なものでも見たの?」
「聞いた話なんだけど、夜に路地裏で危ない人たちがいるって。確かに夜に歩いている人を見る時もあって、こんな時間に何しているんだろって思ったことはあったのよ。」
「俺は特に誰とも話さないからな…わからないや」
「僕も何か怪しい集団が夜に集会をしているらしい話を聞いたことがあるよ。そんなに信じてはいなかったけど、ハルの話を聞くとちょっと疑わないといけないのかもね」
「俺が調べてくるよ。ただ騒いでワイワイしてる元気なやつらなら放っておくけど、何か危ない奴らなら潰しておく。」
「マァトが潰すっていうんだから物理的に潰れる場合もあるわよね…まずは先生に聞いてみたりはしないの?」
「フラウ…すでに先生には誰かが調査依頼をだしているって聞いたよ。それでも尻尾は掴めていないみたいだよ。たぶん僕たちが手を出すと邪魔になるだろうから行動するのはマァトにまかせて僕らは情報集めに徹した方がよさそうだね。」
「いや、情報も集めなくていいよ。全部俺がやる。もしも危ない集団だった場合情報集め自体が危ない橋を渡る行為になりかねない。逆に俺のせいでみんなに危害が加わっても困るから行くなら一気にドカーンとやってくるよ!」
前世で見たことある。
よくある展開だとヒロインが調べている時に下手こいて捕まって人質になるやつだ…
そんなベタな展開は面倒だ。
「ドカーンって…ちゃんと加減はしなさいよ!あなたの場合本当にドカーンって学校を更地にしかねないんだから。」
ハルは本気で俺の破壊力を心配しているらしい。
俺の人外な強さは実習で存分に知らしめられているからクラスの人間はやり過ぎな面を記憶に強く残しているらしい…
「善処するよ。」
………………………
夜の帳が下り、月明かり
部屋から外を覗くと数人の男女が同じ方向へ歩いている。
「スティアこっちきて!」
「んんん…これは商店街方面かな?今使われてない店舗で集会が行われてるのかな…」
「その線は濃いね!ちょっと行ってくる。帰りは朝かもしれないけど、ちゃんと帰るから心配しないで待ってて。」
人の流れに沿って歩いていく
その先には商店街
もうすでに始まっているのか騒音が外にまで漏れている。
ただ寮からは離れているから音でバレることはないだろう。
流れている人についていくと、今は使われていない店舗にたどり着く。
店に入ると門番がいる。バレずに入れるだろうか…
「初めてか?」
「あ、はい。」
「入場料だ。あと、中でのことは絶対に口外しないこと。それだけ守れば好きに楽しめ。今日は当たりだぞ!アイツが来る日だから大盤振る舞いになるはずだ。ようこそ。酔幻亭へ。」
門番が避けるとそこの床が扉になっていて地下に入るようだ。
さぁいきなり本丸にきた感じは否めないけど、まぁ…どーにかなるか。なるようになるさ!
いざゆかん!




