第35話
「準備いーかー?いくぞー」
〜第二層〜
扉が開くと一層と同じように広めの洞窟が広がっている。
俺の前線に出られる順番は次の次だ。呼ばれるまでは後方にいる。
早く呼ばれないかな〜
索敵でどんなモンスターがいるのかを調べてみよう。
あ!
後方からきてるねぇ…
今度はオオカミに乗ったゴブリンがやってくるようだ。
「みんな!気をつけて!このままならあと30秒後接敵する!モールウルフとそれに騎乗したゴブリンだ。5組いる!」
モールウルフは見た目はオオカミなのだが、モグラのように土や岩を掘れる強靭な爪を持っている。もちろん攻撃用だが、落とし穴を掘って獲物を捕獲する知能を持っているモンスターだ。
今度はアルテミス試してみよう!
ギリギリギリ…
力いっぱい引いて狙う。
必中と貫通増加、速度増加で射ってみよう。
射程にはもう敵を認知した段階で入っているが、一応見えてから撃たないと嘘つき呼ばわりされても嫌だからね。
ゴブリンの短剣が反射した瞬間に
シュパッ
ドサッ。一組撃破!
「ぐぉぉぉぉぉん」
「ギャギャギャギャギャギャ!」
前衛はジリジリと距離を詰めている。
魔法隊も狙いをつけて魔力を練っている。
それにひきかえ俺はただ矢をつがえて撃つだけなのでシュッ、シュッ→ドサッ、ドサッさらに二組撃破!
「マァトに後れをとるなー!!」
なんか変な対抗心燃やされてない?
「準備できた。撃つぞ!」
魔法の放出と同時に前衛も詰め寄る
「うぉぉぉー!」
走って急ブレーキをしたりと移動パターンがすこし複雑になったが所詮乗ってるのはゴブリンなのである。
魔法で足止めされると一瞬怯んでしまう。その隙をついて前衛が一刀両断。見事だ!
「どうした?」
先生が前線から状況確認に来たようだ。
「マァトが探知してくれて後方強襲を未然に防ぎました。もうモンスターは退治済みです。」
「お前やり手だな〜どこまでの戦闘能力があるか気になるところだ。対処感謝する。このまま気を抜くなよ。」
そのまま順調に進み前線の順番も何度か回ってきてボス部屋にたどり着いた。
「次のボスはモールウルフの強化体だ。気を引き締めていけ!ちゃんとレベルアップできていれば困るほどにはならんはずだ。気を抜くなよ!」
俺はまたもや順番ハズレ。
ボスとも戦いたいのに!
ズズズズズ…
扉が開いたが何も見えない。
「警戒態勢!」
戦闘班はピリピリしているが、敵の位置を把握できずにキョロキョロしている。
《鑑定》
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ウルフモール
Lv.12
HP:600
MP:90
筋力:50
素早さ:10
魔力:10
精神:10
運:5
穴掘りLv.3
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これって…
先生に耳打ちした
「先生…本当にモールウルフの強化体?なんかウルフってよりモグラ要素が強い奴が下にいるけど、それ?さっきでてきたのがモグラ型のオオカミなら今のボスはオオカミ型のモグラじゃないかと…」
「よくわかったな!あいつらには伝えるなよ。これも1つの勉強だ。与えられたヒントが常に正しいとは限らないし、先入観が強いとその情報にのまれちまう。でもアレは本当にモールウルフの強化体だ。モグラ寄りになる方が強い個体なんだそうだ。」
ボスが見つからないから戦闘班ボス部屋全体に広く布陣していた。
見学班は扉の前で固まっている。
ボゴボゴボゴゴゴゴ…
「地鳴りだ。どこかかくるぞ!警戒!」
モグラは前衛と後衛の間からでてきた。
そのまま後衛へまっすぐとびかかる
「ギュギュギュ〜」
がモグラの要素が強くなったせいで足が致命的に遅い…
飛んでくる魔法にビビって地面に潜る。
バタフライのようにピョコピョコでたりはいったりしている方が何倍も早く移動している。
「魔法を地面に強めに打ってくれ!」
「ちょこまか動くから狙いが定まらない!」
「当てなくてもいいんだ!そっちから引き剥がすように地面に打ってくれればあとは俺たちがカタをつける!」
ここの班のリーダーはしっかり観察できてるようだ。
「お前ならどうする?」
先生が肘でツンツンしながら聞いてきた
「う〜ん…出てきたところを射るのでもいいし、あぶりだすなら出てきた穴に水ジャバジャバにして地面に潜れないようにするかな〜」
「こいつのいる班じゃなくてよかったな。モグラよ…」
戦闘班はさきほどの作戦が功を奏して討伐完了したところだ。
「よくやった!時間もないさっさと下降りるぞ!」
階段をおりて少しの休憩を挟み3層へ。
「ここの3層終わったら今日は終わりだ!気ぃ抜くなよ!」
俺が前線に入ってると先生がやたらと絡んでくる。前のボス部屋からだけど、高評価みたいな?
ありがたいけど、悪目立ちはご勘弁願いたい。
3層もまったりと進んでいく。事前に言っていた通り運動不足の解消をしようとするくらいのもんだね。
ボス部屋についた。
ついに俺の番!!やったーラッキー!!
「この部屋はマァト抜きな。こいついたらすぐ終わりそうだ。ちゃんと倒したなりの評価はするから心配すんな!ハハハ。代わりは誰でもいいから呼んでこい!」
えーーーーーーっ!!!
せんせーーーーー!!
どうしてっ!
「あぁせっかく戦いのチャンスが…」
「すまんな。さっき言った通りお前いたら連係とかする前に瞬殺しちまうからな。あとでお前にはメインディッシュ残しておくから心配すんな。」
「信用していいんだよね?先生」
「あぁ。大丈夫。」
ニヤリと笑う顔が信用できない…
3層のボスはゴブリンパーティ。ナイト、アーチャー、メイジの3種のゴブリンで形成されるパーティだ。ステータス的にはさっきのモグラのように得意箇所だけ伸びていてあとはね…
遠近バランスがとれているが前衛1人なためそこをいかに早く潰すかがミソだ。
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ゴブリンナイト
Lv.12
HP:560 MP:10
筋力:50 素早さ:10
魔力:5 精神:5
運:10
頑強Lv.3
ゴブリンメイジ
Lv.12
HP:450 MP:90
筋力:10 素早さ:10
魔力:45 精神:30
運:5
火魔法Lv.3
ゴブリンアーチャー
Lv.12
HP:500 MP:60
筋力:30 素早さ:30
魔力:20 精神:10
運:10
狙い撃ちLv.3
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前衛の中でもひときわガタイのいいのが
「ナイトは俺が気を引く!その間に後衛で後衛を落としてくれ!」
後衛からも
「マァトがいなくても俺もちゃんとやれるんだ!」
やっぱり対抗意識燃やされてる…
前衛からではなく後衛を落として前衛を孤立させる作戦らしい。
時間差で魔法、弓矢を放ちアーチャー、メイジそれぞれを撃破。
孤立したナイトは騎士道なのか前衛に一対一を求めるような動作をする。
「俺に任せてくれ!」
こっちの前衛にも騎士としての矜持があるらしい。
ただ、身長差がね…
倍近い差があるせいであまりまともな勝負にならなそうに見えるがどうなんだろうか。
勝負が始まると意外とゴブリンが素早く力押しだけで倒せる相手ではなかった。
「キェー!!」
キンキンと剣同士の交差する音が響く。
ゴブリンが飛び上がり上から斬りかかろうとするところを体当たりで吹き飛ばし、そのまま一息に首を落とす。
やっぱり運動不足解消か…
先生、本当に期待してていいんでしょうか?
「お疲れ様!階段降りて安全地帯で野営の準備だ!」




