第30話
入学式当日
「お〜い!朝だよ〜!スティア!遅れるぞ〜」
駄目だ…朝弱すぎだろ…
学校始まっても毎日起こさなきゃならないのか?
目覚まし時計的な魔道具ないのかな
「起きないなら水ぶっかけるぞ〜3、2、1」
バシャっ
「うえっぷぁ!」
「あ〜さ〜で〜す〜よ〜」
「起こしてくれてありがとう。でも水じゃなくてもよかったんじゃ…」
「起きない方が悪い。」
「うぅぅ…明日こそはがんばる!」
「ほら!着替えて準備しないと間に合わなくなるよ!朝ごはん食べられなかったらもったいない」
食堂経由して講堂につくともう生徒は半分以上集まっていたようだ。続々と新入生らしき人が入ってくる。
まだクラス発表はされていないためどこにいてもいいらしい。
「マァトと同じクラスになれると心強いんだけどなぁ。」
「そうだといいよね。」
ガヤガヤしているなかで演台にあがる人が
「静粛に!これより入学式を始める。」
長ったらしい規範とか心持ちとかの話が続く。
こーゆーのは本当にダルい。
でも学園長の挨拶はとってもさっぱりしていた。
「みなさん、中級学校へ入学おめでとう!これからは今までよりもさらに大変になるが、1人だけの力ではなくまわりの友、力を貸してくれる教師等助けてくれる人はどこかに必ずいるはずだ。困った時は誰かに助けを求めるといい。その行為自体がきっと君たちを大きくしてくれるから。諸君らの大いなる成長を願って挨拶にかえさせてもらう。」
ぼっちになるなってことね…
困ったらとりあえず姉さんには甘えられるな!
演台が下げられクラス発表のようだ。
単純に3級の生徒のランキングが張り出されている。
今年は100人ごとにクラスがA〜Fに振り分けられる。
下から順に見ていくが全然出てこない。
あ!スティアだ。320位Dクラス。
まだでてこない。残念だが同じクラスではないようだ。
……
あった!98位Aクラス。ギリギリのね。
101位にキール・テミスとあった。Bクラス同じじゃなくてよかったけど、逆にお前のせいでBになったって因縁つけられないか心配だ。
クラス発表が終わったあとは各クラスに移動して教師紹介等の簡単なオリエンテーションらしい。
「諸君!このたびはAクラス入りおめでとう!今の順位に甘んじることなく精進を続けるように。場合によってはBやそれ以下に落ちることもありうる。私はラグナール・ヴァリアン。今年の君たちの担任だ。」
インテリってよりは体育会系に見える。
暑苦しくないといいな
「ランキングの話にもつながるが、教科書や資料等の差はクラス間でないようにしている。うかうかしていられないからな!試験を挟まなくても日頃の姿勢や実習、実技の結果でポイントが加算されてクラス間の移動もあり得るから日々の姿勢が現れるからな。ちなみに3級は座学がメインだから定期的な試験もあるが、ちょこちょこある小さな試験も気を抜くなよ。」
スティア勉強苦手って言ってたよな…
大丈夫かな…
クラス違うようになったからこっちにも友達作らないとな〜
学生証を一人一人配布して今日は終わり。
学生証があれば図書館、実習区の修練場はすぐ行けるようになる。実習区の各模擬戦場やダンジョンは学生証と共に許可証も必要になる。
昼前に終わったから今日はご飯食べたら図書館に行ってみようかな!
教室を出た時に何か視線を感じるもそれを送った者の姿はわからなかった。
まぁ…想定内か…
敵意は感じなかったけど、何か嫌なものを感じる。警戒レベルは引き上げる必要がありそうだ。
食堂にいればスティアくるかと思ってゆっくりめにご飯を食べていたが来る様子はなかった。
特に約束してるわけでもないので一人で図書館へ。
今まで龍神国で見ていた資料や書物よりも量も質もかなり上だろう。
天使について、ユニークスキルの存在等歴史書を中心に見てみたけど今日はわからなかった。まだまだ読むべき本はたくさんあるからまた来よう。
「腹減った〜」
ちょうど姉さんも夕食の時間のようだ
「マァ君!これからごはん?1人なら一緒にどう?」
「逆に姉さんこそ1人?お友達いるなら気にしないでそっちに行った方がいいんじゃない?」
「大したものじゃないけど、少し話ししたいなぁって思って。」
「わかったよ。」
「初日はどうだった?」
「ギリギリだけど、Aクラスになったよ。隣のクラスにはキール兄さんがいる。まだ顔は合わせてないけど時間の問題かな」
「そうね。父様には手紙出しておいたから近いうちに返事くると思うよ。それについてはまた連絡するね。…本題なんだけど、研究棟の神聖学の教室にはできるだけ近づかない方がいいわよ!」
「ドークス兄さん?」
「あとエル兄さんもね。2人とも神聖学の専門科目をとっているから教会や神聖学教室、神聖魔法の実習をしている場所があれば気をつけた方がいいわね!」
「なんでエル兄さんまで?跡継ぎになるのはドークス兄さんだろうに…」
「一応『予備』としてってことでそれなりの地位を約束されてるらしいよ。父様の指令で専攻してるって話よ。」
「学びに来てるのに好きなものを専攻出来ないのはもったいない。姉さんは何を専攻する予定なの?」
「花嫁修業専攻あればよかったのだけれど、ヒーラーかエンチャンターのような冒険者か傭兵の後衛職の分野かな。家を出る為に少しでも準備しなきゃ!」
「抜け目ないね。明日は授業初日だし早めに寝ようかな。姉さんご飯一緒にしてくれてありがとう!また今度お茶でもしようね!」
「マァ君のお誘いならいつでも待ってるわね。授業がんばってね!おやすみなさい。」
姉さんと別れ部屋に戻るとぐったりしたスティアがいた
「どうした??」
「明日からの授業に絶望してるところ。朝起きれるかわからない上に教科書チラッと見てみたけど全然内容が入ってこない。どうしよう…」
「得手不得手は誰にでもあるし、仕方ないさ。でも卒業するって目標だけは曲げちゃだめだよ!3年間チャンスあるし、諦めなければなんとかなるさ!」
「ありがとう。その感じだとマァトは大丈夫そうだね。」
「教科書をチラッと見た感じだけではあるけど、たぶんなんとかなると思ってる。テスト前は一緒に勉強しよう!」
「やっぱり僕はルームメイトに恵まれている…」




