第28話
予定通り敷地内の探索しようと思い少し早起きをした。
「朝ごはん行こっ!スティア!朝だよ!」
「んぁ〜?やる気満々だねぇ…」
体を起こしたと思ったらまたそのまま突っ伏して寝てしまったようだ。
「眠いなら無理強いはしないけど、学内探索どうするの〜?」
「いくぅ…けど…眠い…もう少しだけ。」
スティアはキッチリしてるようで朝はあまり強くないらしい。
「起きなさ〜い!」
無理やり抱き起こし、立たせる。
さすがにここから倒れたらなかなかに痛い目を見るぞ。
「力持ち〜起きるよ起きる!ごはん行こうか。」
「そういえば昨日言ってた兄弟って何人くらい学校にいるの?」
「調べてないからわからないけど、年齢通りなら全員どこかしらにいると思う。上2人は頭いいハズだから飛び級してるかも!」
この頃長男ドークスは18歳、次男エルレイン16歳、長女ディケ16歳、三男キール14歳、四男サバト13歳である。
順当にいけばキールと同学年。姉さんよりも遭遇リスクが高いのだ。
「見た目でわかるならいいけど、僕にはわからないしなぁ…とりあえず人の多いところで大声で呼ばないくらいしか対処法はなさそうだね。」
「ありがとう。俺が生きていても暗殺とかないなら、諦めてくれるのなら何にも気にしなくて良いのになぁ…」
「本当にね…でもせっかく入学したんだし、そもそも悪いことしたわけでもないしコソコソすることもないよね。」
……
朝ごはんもそこそこに探検に出発した。
この学校は大きく3区画に分かれる。
実習区、魔法や実戦訓練、闘技場も含まれる。ダンジョンもあるらしい。敷地の約半分を占める。
生活区、寮や商店街、食堂なんかもここに含まれる。
学習区、教室や研究棟、製作工房がある。
「実習区のいろんな地形とかダンジョンみてみたいけど通行証ないから生活区をいろいろ歩いてみようか。」
「そうだね!マァトの兄弟に会わないことを祈って…だね。」
寮から食堂と反対側に歩くとズラッと並ぶ商店街。まだ授業が始まっていないため休んでいるのもチラホラ。その分屋台が並んでお祭りのようになっている。入学祭みたいな?
「お祭りみたいだねぇ!露店がいっぱい!」
「スティアのお兄さんの通りに行かないままなら後悔したかもね。ごはん食べたばっかりだけど、見てると食欲湧いてくる〜!」
串焼き、クレープ、フルーツ…
「あぁぁ食べたー!」
食べ続けてるおかげでずっとお腹いっぱいだ。
「お店覗いたらスティアのお兄さんの通りだったね…学校の消耗品とか実習で使いそうな基礎的な武器防具、製作関係の素材…そんな感じだったね。衣服やアクセサリーのお店が何店かあったから買い物で気晴らししたい人には少し助かるのかな?」
「そうだね。ほとんどは必要なものだけ買いに来る感じなんだろうね。」
………
「だいたい見終わったかな?」
「そうだね!マァトはもうお腹もいっぱいなんでしょ?」
「とりあえず商店街は見終わったけど、図書館とかないのかな?」
「図書館はたしか…学習区にあるはずだな。入学式終わって学生証もらえれば入れるはずだよ。実習区の演武場とかもね。素振りやトレーニングするならそっちでやるんだってさ。」
「それなら行けるところはもうないのかな?スティアのお兄さんにご挨拶しにいけたり…しないかな?」
「あぁ!そうだね。5級で個室もらってるから行きやすいよ。」
5級以上は個室があてられるため個室だけの個室棟がある。すれ違う人がいるたび兄弟に出くわすんじゃないかとヒヤヒヤしたけど、そんなことはなく到着。
ただ、途中で部屋主の名前で『エルレイン・テミス』の名札を見つけた時はスティアとひと盛り上がりあったのだが…
コンコンコン
「どうぞ!」
「兄さん!久しぶり!」
「おぉ〜スティアじゃないか!今年からこっちだったな!おめでとう!ってあれ?お隣の方は?」
「ルームメイトのマァトだよ。今日一日何もなかったから色々探検してたんだよ。それで兄さんのとこにも挨拶しに来たんだ。」
「マァト・テミスです。これからよろしくお願いします!」
「スティアの兄のモルダーだ。弟共々よろしく頼む。せっかく来てくれたのに申し訳ないが、少し今は立て込んでてね…また今度ゆっくりお茶でもしよう。」
「こちらこそ!急にお伺いしてすみませんでした!」
「なぁに!かわいい弟の友達だ気にしないで仲良くしてくれ!それではまたな。」
「うん。また来るね。兄さん。」
………
晩飯の時間になりスティアと共に食堂へ
「マァト!今の人見た!?とんでもなくキレイな人!今までエルフとか色々な人を見たことあるけど、そんなん目じゃないくらいだったなぁ」
入口ですれ違った女子生徒の集団の中にそんな綺麗な人がいたなら見ておけばよかった…悔やまれる!
また前に顔を戻すように振り返っている視界の端にその集団から走ってこっちに来る人がいるように見えた。
「んっはっはっはっ…あの……あぁやっぱりだ。見間違いじゃなかった。…本当に生きてたんだね。よかった。本当によかった。マァ君!」
ウチの姉さんは世界一可愛いんだぜ!
さーてバレたのが姉さんが一番最初なのはまだいいとして、これからどうするよ




