第22話
「さぁついたぞ!」
借りた狼に乗って山の麓にたどりついた。
「帰りもよろしくな!おいしい肉狩ってくるから待ってろよー」
「さっさと終わらせて風呂で温まりたいものだな。」
ここは冬山。年中雪が降っている。
「しばらくはモンスターの気配はありませんね。プライド、グリード出ておいで。」
寒さに凍えてマァトにからみつく二匹。
「お腹は空かないけど、寒さは感じるんだね。おかげで俺は暖かいから助かるよ」
「きゅぅぅぅ」
「くぅ〜ん」
基本的にステータスが高い2人のため歩きが早く2時間も歩けば8合目付近まで辿り着いた。
「あの岩陰にいるのがイエティじゃ」
ゆっくり寄ろうにも足元の雪で音がなる。
「ンン?…ナンカキタカ?」
「師匠が肉ダルマって言ってたけど、本当にその通りだね」
《鑑定》
イエティ(武闘派)
武闘派ってどゆこと?
違うやつみてみるか
《鑑定》
イエティ(穏健派)
穏健派もいるのか…
これなら丸くおさめられるかも!
「ニンゲンごときにビビってんのか?ほら!こいよ!」
「うぉぉぉ!!」
簡単につれた。肉ダルマの割に全然パワーがない。マァトのスピードに追いつけるわけもなく簡単に一掃されてしまう。
もちろん武闘派だけだが。
首元の2匹は何もしてなくてもとてつもなくドヤ顔でふんぞり返ってる。
「まだやるか!??」
「オレタチ、タタカイ、キライ。デモ、リーダーツヨクテ、サカラエナイ」
「俺がリーダーやっつけたらフェンリルと争わないか??」
「タタカワナイ、タタカイタクナイ。オオカミ、コナイナラ、テヲダサナイ。」
「わかった。リーダーのところまで連れてってくれ。あっ師匠勝手に進めちゃったけど、これが1番平和だよね?」
「お主への依頼じゃ。好きにするといい。手伝いは惜しまぬから必要な時は言うといい。」
「ありがとうございます!」
岩陰と思っていたのは少し下へ続く洞窟で彼らの拠点だったようだ。
「リーダー、ココイル、アルヒ、キュウニ、ツヨクテ、ランボウニナッタ。コワクテ、クロイ。」
「黒い?毛の色が変わったのか?」
「チガウ。ミタメ、シロイ。デモ、リーダー、クロイ。」
「うーん…なんだろ?師匠わかる?」
「白色以外のこやつらを見たことがないでな。黒い奴がいたら目立ってしもうてすぐわかるじゃろ」
腹黒ってことか?まぁ、考えても仕方ない。悪の親玉やっつけて、早く依頼終わらせよう!
洞窟は下に降りるほど広くなっていく。
天使の洞窟ほどではないにしろ長く遠くまで続いているようだ。
「キェーッッ!」
大きな雪玉が襲いかかってきた。爪は鋭く避けたつもりが少しかすめたようだ。
「いてっ!」
「慢心するなと言ったはずじゃが?」
「はい。気をつけます。」
素早く動いているつもりのようだが、俺にはゆっくり歩いているようにしか見えない。
鑑定使っていると目が良くなるらしい。
「ここだっ!」
素早く足払いをしてこけさせる。
しっかり動きを止めたところでトドメを刺す。
こんなところで時間をくってる暇はない。
「キェーッッッ」
遠吠えのように叫びこと切れたようだ。
「あまり傷つけすぎんでくれよ!肉が不味くなる。」
「そーだった。食用だったものね。」
倒したイエティから魂みたいのが抜けたように見えた。うっすら黒い霧のような…
「リーダー、シンダ、アト、ブトウハ、ヤッツケル。オレタチ、ヘイワ、ナル。」
「残りのやつはどこにいるんだ?」
「サッキノコエ、ナカマ、ヨブ。モウ、ドウクツ
ナカ、イル。」
「わかった。待っていよう。こいつら倒したらフェンリルと一つ約束してほしい。1つの線を引くからお互いそれぞれのナワバリとしてみてほしい。」
「ワカッタ、オオカミ、タタカワナイ?」
「それは俺が約束させるから心配すんな!」
ドドダダダダドドダダダ
武闘派の波がやってきたようだ。
炎魔法を調整して洞窟幅に合わせてぶっ放した。
「ぷぎゃー」
「ぐぉぉー」
「直火で焼いてみた!食えそうかな?」
「火力高すぎて灰すら残っておらんわい。」
調整は出力範囲だけ調整するとかえって凝縮してダメージふえるらしい…
「フォルダム様から半分くらいって言われてたけど、だいぶ減ってしまったかもね」
「モウ、タタカイ、スキ、イナイ。オレタチ、ヘイワ。タスカッタ。」
「あとはフェンリル達に境界線とそのルールを教えて依頼完了だね!」
穏健派のイエティをつれてフェンリルに説明をした。山の頂上より向こうはイエティの住処、逆にこっちはフェンリルの住処。基本的には踏み越えない。お互いの縄張りを守るということに。
本当に理解してくれたのだろうか…
町に戻り、フォルダムに経緯を説明した。
報酬もたんまりもらえたから財布があたたかい。
「あー疲れたー!」
「明日一日休んだらまた出発としようかの」
「わかったよ。師匠。もうダメだ…おやすみー」




