第17話
「資格?あれ?洞窟は?ここどこ?」
「ここは試練の間。神に反逆し堕落したとされる我々天使の力を継承するに足るものかどうか確かめさせてもらう。」
「こっちの意志は関係ないのね」
「あぁ。こちらの判断だ。君はここの試練を受ける資格があると判断した。だからここに招待させてもらった。元の世界での時間は止まっているから残っている彼には君がこちらにきていることには気付かない。一瞬のできごとさ。」
「こんな子どもつかまえて試練ってどんな力を与えようとしてるんだよ」
「君にはなににも染まらぬ真なる心の眼があると判断した。その眼で世界を見極め、世界の調律をして欲しい。そのためには見極める眼と共に何にも危ぶまれない絶対的な力が必要だ。その力を示してほしい。」
「は?調律?それは神様やそのような存在の領分だろ?なんで俺が?」
「壁画をみてこなかったか?神が神たる領分をこなせばこのようなことは起きないのだ。絶対に。力を示してもらおう。我はサリエル。月の守護者。ここよりは武で語り合おう。いざ参る!」
背中に携えた二本のシャムシール。おそらく月のイメージなのかな。
「ちょっ!まっ!」
ガキンっ!
剣同士が激しくぶつかる。
《鑑定》
…
《鑑定!》
…
反応しない。なぜだ?
「君の大罪スキルだけは一時的に止めさせてもらった。さすがにそれで力を奪われたら試験としては本意ではないのでね。」
「くっ!見えない事の不安さがここまでとは。」
二刀流の速さに受けるのが精一杯だ。
受けた剣を弾かれ、そこに回し蹴り。
かなり飛ばされたが壁が無いのかぶつかることはなかった。
「うっ。うわっ!」
飛ばされたはずがすでにもう間合いにサリエルが来ている。ただ追い打ちはしてこない。
「ここまで受けてくれるニンゲンがいるとは。試験に呼んだ甲斐があるというものだ。」
「いやいや!受けてって言われてもかなりぶっ飛ばされて褒められてもなぁ」
「まだいけるだろう?さぁ!」
少し目が慣れてきたのか受けるので精一杯なほどではなくなった。数回打ち合う合間にこちらも攻撃できるようになってきた。
「スキルを封じても目の良さはあるようだな」
ダッシュしてきたと思ったら一瞬で視界から消えた。
「え?」
気配に気づいた時には間に合わず素早い無数の突きが壁のように迫ってくる。
「スラッシュビート!」
あちこちに切り傷が増える。痛みで動きが鈍くなる。
「うっ。くそっ」
さっきまで反撃できていたのがまた防戦一方になる。まだ見切れてる。
俺自分で言うのもなんだけどステータス人外レベルなはずなんだが!
こんなに手も足も出ないなんてことがあるのか…神に挑んだ天使とはここまでのレベルが必要なのだな。
「もう終わりか?ここまでなら期待外れだな。いたずらに長引かせてもよくない。幕引きとしようか。」
またアレがくる…
なんかひっかかってることがある。
あれ?大罪スキル「だけ」は?
そうか!まだチャンスが!
素早い移動、視界からの消失。同じ流れだ。
「スラッシュビート!」
「剣舞ぅ!」
回避と払いを繰り返しなんとかしのいだ。
最後の一振りをかわしたところでカウンター
回し蹴りをクリーンヒット!
「よしっ!」
「今は強欲使えないけど、これまでの経験は生きている!それなら負けない!」
「あの程度で終わられたら困る。せっかく久しぶりに第一の試験を通過した者なんだからな。さぁ!続きといこう!試験はこれからさ。」




