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【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
帝国との戦争

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デート、午後の部

「もう大丈夫?」

「ああ、もう大丈夫だ」



自然な笑顔になっているはずだ。



「よかった、心配しちゃったよー」

「ごめん、ごめん」

「『今日』は見逃してあげるけど、次からは相談するんだよ?」

「…はい。アカネお姉さん」

「ふふっ、よろしい。お腹すいちゃった、ご飯にしよ?」

「そうだな、和食を練習したドールさんの下に行こう」



やっぱ見透かされているよなあ。

ちゃんと相談しないと、俺が壊れちゃうな。

その辺のバランスをアカネはしっかりできている。

やっぱ年上なんだなって感じる。

悔しいな…

大人の余裕っていうのが、俺にはまだないからな。


よし、反省終了。切り替え大事!

調理の練習を頑張ってくれたドールさんの昼食を食べに行こう!




『いらっしゃいませ、和食『睡蓮』へ』

「おー、お店の中は雰囲気あるねー」

「ちょっとだけこだわってみた、ふふん!」



「じゃあ、ドール。よろしく頼む」

『はい、マスターカオル』

「何が出てくるのかな?ワクワクするよ」




和食と言っても、難しいものじゃないもの。

その上、予定ではそこそこ動いて、疲れている予定だったんだが…

まあ、完璧にするのは夜景だけで十分だろう。

というわけで、見ていればわかるが…



「うどんだー!今の気分的に麺だったからちょうどいいー!」


「あぶねーな!?

ラーメンじゃないと喜ばないみたいなラインじゃねーか!?」


「あ、あはははっ、気分はしょうがないよねっ、うん!」


「ホントだよ、丼ものじゃないと嫌!って言われるよりはマシだが…」


「あー、丼物もいいよね…」


「おい…」


「いやー、あのね。丼物って、自分じゃうまくいかなくて…」


「今度お願いしておくよ、はあ」


「ホントっ!?やったぁ!!」



そうして、出来上がるうどん。付け合わせに、天ぷらもどきだ。

鶏肉を天ぷらにする、鶏天ってのがチェーン店で食べてうまかったのだ。

なので、再現して形にしてもらった。

ドールさん曰く、天ぷらは揚げるのが難しいらしい。

生地の扱いと火加減の難易度が高く、修行あるのみと言って、意識が高い。


うどんはビニール袋に入れて、足踏みしてコシを出している。

つゆもこの店のドールさんがオリジナルで作ってある。

これも修行あるのみと呟いていたのが印象深かった。



「うーんっ!つるつるでコシの強い麺がいいね、このうどん!」


「たしかに。さぬきか?ってくらいコシがある。つゆもうまい」


「この鶏肉の天ぷらも初めて食べたけど、いいね!

うどんのつゆと相性ばっちりだよ!」


「ああ。この鶏天は再現料理だな。

こんな風に揚げたてで食うから、よりサクサクとした食感を楽しめるのがいい」



『マスターカオルが食べた鶏天はサクサクしていなかったのですか?』


「ああ。作り置きを置いて、早く、安く、うまいってのが信条な店だったな。

俺はこっちのサクサクのが好きだぞ?」


『そうですか、よかったです…

ですが、食堂として出すのであれば、作り置きのがいいのでしょうね』


「だが、あれはあれで問題も多いんだよなあ。

食の安全というのは奥が深いからな、注意しとけ?」


『マスターが言うのであれば、食べ物に関しては気をつけるべきなのでしょう。

どういう問題があるのかを今度教えてくださいませ』


「ああ、今度教えておこう。お前たちは言わば、調理部門だからな」


『はい、よろしくお願いします』



「私のドールたちにも調理部隊作ろうかしら?

でも、イメージが野戦料理に偏ってしまうのは何故!?」


「ははっ!たしかに、アカネのイメージにぴったりだなっ」


「むぅ。まあいっか、こういうのは得手不得手ってのがあるし」


「そうだな、苦手克服もいいが、長所を伸ばしてやるってのも大事だよな」



そうして、食べ終わった俺たちは店を出た。

あのドールたちは調理部門と聞いて、やる気を出していた。

なので、その内ダークエルフの街で店を出しそうだな。


さて、お次はゆっくりとしたアトラクション多めだな。

なるべく寝ないように注意したいが、食後だからちょっと厳しいかも…



「カオル?次はどこに行くの?」


「次は俺厳選!ティナを含むご婦人方の良作小説の読み聞かせだ。

ステンドグラス調と天体観測風があるぞ?」


「…うーん、ステンドグラス調からかな?」


「まあ、同じ場所にあって、入る部屋が違うだけだけどな。

…道は、こっちだな!」




『いらっしゃいませ、お二人とも。

午前中にマスターカオルに不調が出たと聞いて心配でした。

ですが、調子は戻ったようですね?』


「ああ、すまないな。今は大丈夫だ。無理もしていない」


「カオルのことは大丈夫よ。後日、『話』を聞くから」


『そうですか。では、どちらの部屋をご利用ですか?』


「ステンドグラス調の方を頼む」


『では、こちらですね。ごゆっくり…』


「わあ、綺麗…」


「これが物語に合わせて動くって寸法さ。さあ、さっそく座ろう」


「うん、ワクワクする!」




『これはとある女性を求めて、争った男性たちの物語…』




ゆっくりとした語りで、少しずつ動くステンドグラス。

音楽もオルゴール調で流れ続ける。


今は美しい女性が村の中で目立ちすぎるからと、街へと出かけようとする場面だ。

村から街への護衛で争う男性たち。女性が困ってしまうという流れだ。


だが、俺は満腹感などを含めたこの環境に耐えきれず、寝た。




俺が起きたときには、ドールが苦笑いをしながらこちらを見ていた。

隣のアカネも寝ていたようだ。

アカネを起こさないようにして、ドールに頭を下げて謝罪しておく。


す、すまん…






さっきの読み聞かせのアトラクションを出たときには、もう夕方だった。

結構熟睡したな、俺たち。

うーむ、なんだろうな?あの安心感が眠気を誘うのだろうか?

母親がする寝物語のような感覚だ。

アカネが目をしょぼしょぼとさせながら、欠伸をする。



「夕食にはまだ早いが、どうする?」

「気が付いたら、夕方だった。あそこの気持ちよさは異常だよ…」

「俺もそれには同意するよ」

「夕食かー、たしかにまだちょっと早いね」



「あ、そうだ。カオル!ゲームコーナー作って!」


「ゲームコーナー?どんなのがいいんだ?」


「うーん、気分はメダルゲームかな?

お子様系もいいし、大型の競馬みたいなのもいいよね!

あ、メダル落としもいい!」


「そういうメダルゲームね。まずは建物からかな?

あっちに空き地があるから、そこに行こう」


「うん!ふふふっ、楽しみー!」



俺たちはメダルゲームを楽しんだ。というか、ちょーっと楽しみ過ぎた。

外はもう真っ暗だ。お腹もすいていた。

もうちょっと!もうちょっと!が続いた結果がこれだよ!

急いでご飯を食べに行こう!ドールさんが待っているはずだ。

まずは、まだゲームに夢中になっているアカネを現実に戻そう。



「アカネ、アカネ!ちょっと外を見てみろ!」


「え?えええ!?もう真っ暗じゃん!?晩御飯は!?」


「ドールさんが待っているはずだ、急ごう!!」


「うん、急ごう!!」



こうして、俺たちはなんとかメダルゲームをやめた。

ヤバい、遅れた理由、なんて言おう。

素直に遊んでいましたっていうのは、俺の印象が悪くなるので回避したい。

ええいっ!なるようになる!今はドールさんのところに急げ!


俺たちは夕食を作って、ずっと待っているはずのドールさんの下へと急いだ。

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