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【本編完結】異世界男の娘【連載版】  作者: 物部K
帝国との戦争

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デート、午前の部

今日は俺が頑張って作った遊園地でのデートだ!

待ち合わせしよ!って、アカネが言うので、俺も服装をビシッと決めた。

ナンシーには女の子を遊びに誘って、持て成す服装なんだけど…

と言って、全身を見てもらった。


現代日本の服装だけど、ナンシーはファッション誌を読んでいる。

そのため、以前の制服のときのようなことはなく、服装にはかなりうるさい。

そのナンシーから無事に合格を貰えた。

なので安心して、アカネと待ち合わせしているところだ。



アカネがやってくる。

今日のアカネは俺と同じく現代日本風だ。

お互いに、その格好どうしたの?と言ってしまい、笑う。

俺はナンシーに合格を貰ったと伝えると、私はリリーさんからとアカネが笑う。

考えることが似ていて、それがおかしくて笑ってしまう。



まだ遊園地に入ってもいないのに、すでに楽しい。

今日は全力で楽しむし、楽しませるぞ!

遊園地に向かって一歩進もうとするアカネに待ったをかけ、エスコートする。

俺はこの世界で貴族として育った。一応、女性の扱いには自信はある。



「お手をどうぞ、レディ?」

「ふふっ、カオルじゃないみたい。お願いね、紳士さん?」



そして、最初に連れてきたのは、スプラッシュコースターだ。

気をつけないと服が濡れるために、ビニールコートを装備する。

案内人はドールさんだ。

この日のために、機材の扱いなど案内の練習をしてもらった。



『それでは、安全バーが降ります。

お手を挟まないように腕をお上げください』


「ふふっ、こういうところも練習させたの?」


「ああ、何事も経験ってな?」



『安全バーの確認よし。いってらっしゃいませ』


「わー、向こうのそれっぽい!」


「安全確認はドールさん任せで…

俺も乗るのは初めてなんだ!うおおおお!」


「結構、激しいね!楽しい!!」


「よく出来ているよな!作ったの俺だけど!」



「あははっ!すごい、すごい!それっぽさがすごい!」


「お、最後の締めだな。く、来るぞ!」




「きゃあああああ!」

「うおおおおおお!」




『お楽しみいただけたでしょうか?安全バーが上がります』


「うん、楽しかったよー!」


「ああ、楽しかった!」


「ふふっ、カオルったら、顔がびちゃびちゃに濡れてる!」


「水も滴るいい男って感じだろ?」


「その顔で言うのは卑怯だと思う…」


「赤くならないでください、照れてしまいます…」




『綿毛鳥たち、しっかり見ていますね?』


「ん、ドール?何か言った?」


『いえ、何も。

二人の良き思い出のお手伝いが出来て、感無量でございます』


「いつもありがとうね、ドール!」


『その言葉はマスターカオルにどうぞ。

私ももちろん嬉しいですけどね?』


「じゃあ、私たちは次に行くね!バイバーイ!!」


「ええ、楽しんでください。マスターアカネ」






「うぅ~っ、まだしっとりなカオルが色っぽく見える…」


「そ、そんなにか?」


「もう!ずるいんだよ!その顔に、その黒髪の長髪が!!」


「ははっ、喜んでもらえて何よりだ。

でも、この髪のケアはアカネのおかげだろ?いつもありがとうな?」


「…!もうっ!もうっ!そういうところ!

このタイミングで、そういうことを言うところ!!」


「たまには直球で攻めないとな、ははっ!」




「それで?次はここ?」


「ああ、これも安全確認はドールさん任せ。

中身は作ったが、実際にどんな感じになっているのかは俺も知らない」


「へー、結構しっかりした作りの光線銃だね」


「魔道具だからな、一応の分類は」



『マスターアカネ、マスターカオル、いらっしゃいませ』


「えへへ、よろしくね!」


「よろしく頼むな?」


『それでは落下防止の安全バーを下げさせてもらいます』


「みんなの教育、しっかりしてるぅ!」


「ははっ、みんな頑張ってくれたからな!」




『安全バーの確認よし。

それでは、中は暗いのでお気を付けくださいませ。

スペースコースター、発進です!』


「ここもすごいねー、本格的!」


「ああ、こんな風になってるんだな」



「見て見て、あれ!宇宙クラゲ!」


「あっちも見てみろよ!流星群だ!」



「あ、なんかちっこいのがでっかいのに追われている!」


「よし、アカネくん!あのでっかいのを撃つのだ!」


「了解であります、船長!」



「あははっ!カオル当てんの、へたっぴー!」


「ち、違うって!あいつらの動きが変則的なの!」


「私は当てているもんねー!」


「くっ、こうなったら、秘技、乱れ撃ちじゃあ!」




「きゃああああ!あはははは!」

「おらららら!」




『おかえりなさいませ、楽しめたようですね。安全バーを上げます』


「ふう。はしゃいじゃったね!」


「たしかにな。ちょっと休憩挟むか?」


「うん!」


「じゃあ、あっちにカフェを用意してるから行こうぜ」




「あはは、ダモナーたちじゃん!何してるの?」


「彼らには基本自由行動させているから…

あれは、甘味が出てくる機械で楽しんでいたんだろう」


「もう、チビダモナー、おいで。口の周りがクリームでべったりだよ?」


「拭いてほしいんダモナー!」


「はいはい、任せて。じっとしているんだよー」



俺はその光景に幻視してしまった。俺とアカネとの間の子供を。

だが、俺たちが子供を作ることはない。

子供を見送るのはきっと、精神的にすごくつらいだろうから。

だが、幻を見るくらいなら、許してくれるだろうか?



「カオル、どったの?」


「ん、いや、目にホコリが入った」


「あー。まあ、この子たちがどったんばったんしたっぽいからね?

もうっ、ダメだよ?めっ!」


「ははっ、可愛い叱り方だ…」




「カオル?ホントにどうしたの?」


「何でも、ないんだ。ホントに。なんでもないんだ…」


「ほら、おいで?カオルも」


「…!」


「大丈夫だよ?私たちなら、大丈夫。安心して。~♪」



この曲は…?

アカネがカラオケでよく歌っていた曲だ。

ゆったりとしていて、しんみりする歌詞だ。

昔、子守歌みたいだなって言ったのを覚えていたのかな?

今は、アカネに抱きしめられたまま、聞き入ろう…




夢を見る。

アカネとの子を。

…さぞ可愛いんだろうな。

今だけは、この夢を見ていてもいいのだろうか?




視界が白い。

『ごめんなさい。あなたたちに過酷な運命を背負わせて、ごめんなさい。

夢を見させてあげられなくて、ごめんなさい』

ああ、女神様が俺たちに向かって、涙を流しながら謝っている。



俺の方こそすまない。

自分から選んだのに、挫けそうになって、すまない。

代わりはいるんだ。だから、大丈夫。


アレクとティナ、コルネリウスとエリザベス。

それに護衛たちに、侍従たち。

彼らに代わりに夢を見させてもらえばいい。

別に、俺たちじゃなくてもいいんだから。



だから、謝らないでくれ、女神様。もう一度チャンスをくれないか?

俺を向こうに帰してくれ。アカネが泣いてしまう。

もう、彼女を泣かせるわけにはいかないんだ…




すうっと、浮遊感を感じる。

『あなたたちに敬意を。あなたたちに祝福を』

ありがとう、女神様。




俺は目を閉じて、開ける。

大好きな彼女が、微笑んで俺の頭を撫でてくれていた。

彼女の大好きな曲は歌い終わっていたようだ。

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