第63話 決戦前夜
今回は会議です
ロールル連邦、ハルバ王国、ジンゼイ皇国はという三つの国は隣国同士で、時には仲良く、時には戦争という関係だった、この国達がスピットザーン魔法大陸帝国から独立できたのはクーデターや民衆の暴動である、しかし、技術的にはロールル連邦とジンゼイ皇国は近世の始めくらいの技術力あるが、ハルバ王国は騎士が主力の中世くらいの技術しかないのだ。さらに、クーデターでの予備憲兵隊と地方防衛軍の戦闘では元軍人達が次々と戦死して、実際に国守っていたのが民間人で形成された装備も練度も劣る民兵達だったのだ。
そのため、第4魔法化軍という魔法化戦列歩兵という普通の戦列歩兵よりも何倍も強い部隊によって三国ともあっさり制圧されて、再びスピットザーン魔法大陸帝国の支配下に入ってしまった。
今この三国では、予備憲兵隊と再編成された地方防衛軍によって防衛ラインの一部が作られつつあったが、全体的に防衛ラインは完璧ではなくレジスタンスの総攻撃でも突破しやすいものだった。
そして、レジスタンスもこの戦いに終止符を打つために帝都ドラグスオーガストへの総攻撃を計画しているのであった。
デングンド都国デーンガル城会議室
前話でのベスビアオルート超大規模初代奴隷収容所解放戦から三日が経過したある日、レジスタンスの最高幹部達のタス、アルフォーン、グレゴルグ、ジリーム等がいる、自衛隊の幹部達、立木一等陸佐、畠岡一等陸佐、鈴木一等陸佐、斎藤空将補と他数名の幹部といった蒼々たるメンバーが一同に会していた。
今から現在の戦況と帝都ドラグスオーガストへの総攻撃の作戦会議が始まるのだ。会議の内容は敵の防衛ラインの突破におけるレジスタンスと自衛隊の行動、帝都ドラグスオーガストにいる敵主力への対応などが話し合われる。
ジリーム「それでは帝都ドラグスオーガストへの総攻撃作戦の作戦会議を始めます、司会進行はジリーム・タジテメルが勤めさせていただきます」
ジリームは、会議にいる面々に向かって一礼をすると本題に入っていった。
ジリーム「まずは、今回の戦争における戦況ですが、全体に我が方が有利でしょう、奪還した土地や国にあった武器や奴隷解放による数多く兵員で、それなりの戦力にはなっています。しかし、敵は再度国の奪還を行っており、現に三つの国が奪還されました、帝国は奪還した三つの国と近隣の連合国を含めた合計8国での防衛ラインを構築しつつあり、国外にいる帝国軍がここに帰還しようとしています、このまま放っておけば戦争は泥沼化していくでしょう」
戦況は今のところ有利だが、時間を掛けると戦争が長期化することが間違いなかった。この言葉を聞いたメンバーは顔をしかめたり考えてたりした。
タス「時間を掛ければ掛けるほど民が苦しむのか」
タスは、戦争の長期化という文字が重くのしかかり苦悩していた。
アルフォーン「ふむ、要は素早くを敵を潰して降伏させれば良いのだろう、幸いこっちには攻城兵器が多数、凄腕の魔術師や魔法使い等もいるし、自衛隊っていう最強の戦友もいるわけだ、勝てる見込みはあると思うぞ」
アルフォーンの力強い発言は皆と暗い顔を明るくするには充分だった。
そして、帝都ドラグスオーガストの防衛ラインの総攻撃作戦の作戦会議は長時間みっちりと漏れがないように、話し合われた。
今回の作戦は、帝国軍の防衛ライン付近にいるレジスタンスとヘリで運べる自衛隊の歩兵部隊を合流させて先遣隊とし、360度全方位に展開し一斉に攻撃を仕掛けて敵の要塞と防衛ラインをボロボロにする、スピットザーン大陸中から集めたレジスタンスとアントロー作戦によって脆くなった地面を避けて通った自衛隊の戦車や装甲車が、合流して本隊となり先遣隊の攻撃で脆くなった防衛ラインを突破、防衛ラインの後ろにある都市に治安維持部隊を残しつつ、レジスタンスと自衛隊は帝都ドラグスオーガストを制圧する。これらを二ヶ月以内に実施する。
もし、帝都ドラグスオーガストの攻略が遅れて海外に派遣された帝国軍が帰ってきた場合は、レジスタンスの第4、9、10軍と自衛隊の海上戦力であるやまとが足止めする。
帝都ドラグスオーガストのドラグバル城の対策会議
ベスビアオルート超大規模初代奴隷収容所が制圧されたという情報が入って来たのは、その翌日であった。
帝国陸軍総司令官のミランと帝国陸軍中央方面軍司令官ダンデルト、帝国陸軍中央参謀本部本部長ログハン、国防長官ブリシンの顔は暗く沈んでいた。
ミラン「まさか、敵がこうもあっさりと
突破するとは、やはり敵軍の航空戦力があるというのは本当だったのか」
ミランは、悪い予想が当たってしまい気が滅入りそうになっていたが、対策会議は滞りなく侵攻していった。
ログハン「しかし、収容所は歩兵部隊によって制圧されたと聞く、いくら敵に航空戦力があろうと歩兵部隊を運ぶにはワイバーンや我々のドラゴンでは不可能だ、それこそ超大国にある飛行船や飛行艇とか言うものでないと」
ログハンの言うとおりである、この世界での航空戦力は基本的にワイバーンといったドラゴンや鳥人、鳥獣のヒポグリフやペガサス等である、人を1人か2人乗せることは簡単だが、数十人となると飛行船や飛行艇が必要であるがそれらは超大国しか持っていない。
ダンデルト「もし、自衛隊が歩兵を空輸する技術があるのならば、アントロー作戦は失敗に終わったと見て間違いないな」
ダンデルトは、敵の能力...特に自衛隊について過小評価するつもりはなくなっていたのだ。
ログハン「悪いことはそれだけではない、レジスタンスが大陸中から兵士を集めているとの情報が入った、戦略情報局では近々最後の戦いが行われるのではないかという分析も出てきた」
会議にいる面々は皆一様に俯いた。その時ブリシンが少し元気な声で発言した。
ブリシン「良い知らせもあるぞ、皇帝陛下が近衛軍を帝都内に配置なされた、今後我々は近衛軍と連携しながら戦うことになる。後は防衛ラインを突破されないことを祈ろう」
この後は、対策会議は一旦中止して会議に参加している者達は就寝した。
暗くなったテーブルには、スピットザーン大陸の地図が広げられていた。そこには旧ヴァイベルグ魔法帝国を中心にケリーミンド魔装帝国、ナギンド八国魔連、ザバルド魔法公国、ビリロード魔法王国、ジストニア魔法同盟の5つがある。
夜
防衛ラインの一部である、ナギンド八国魔連とビリロード魔法王国との国境の間にある第2ライン要塞が防衛ラインの一帯をになっていた、今要塞内に駐屯している兵力は予備憲兵隊の2個歩兵連隊と1個砲兵大隊だ。
第2ライン要塞、司令官室
司令官室には、この要塞の防衛司令官と連隊長二人と大隊長一人の計4人が話し合っていたり
司令官「ここの要塞は、レジスタンス共の侵攻を防げると思うか?」
司令官の問いに、3人は顔を俯かせたままだった。
連隊長1「我々は、正規兵ではありませんので、いくら要塞で防衛戦を行うとしても明らかに練度や人数と共に我が方は劣勢です」
連隊長2「勝てる見込みがあるとすれば味方の援軍が、到着するまで戦うしかないでしょう」
大隊長「奇跡でも起こらない限り援軍の到着まで、耐えるのは不可能です」
司令官室の空気は重くなっていった。司令官は結論を出した。
司令官「どっちにしても戦わずして逃げるのは、兵士達も納得が行かないだろうな、無論私も納得は行かないがね」
第2ライン要塞は、レジスタンスへの徹底抗戦を決定したのだった。
次回戦闘回になる予定です




