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第5話 古代魔王の秘宝庫を掃除したら、伝説級アイテムが出てきた

古代魔王の秘宝庫。

中に入っていたのは――まさかの清掃員専用装備でした。



古代魔王の玉座。


その清掃を100%完了した結果。


玉座の下から、巨大な宝箱が現れた。


==========


《隠し報酬を発見しました》


《古代魔王の秘宝庫》


清掃達成報酬


==========


「……掃除しただけで宝箱って出るんだな」


俺は宝箱を見つめた。


黒い金属でできている。


表面には古い文字。


鍵もついている。


見るからにヤバそうだ。


そして。


とにかく。


「汚い」


埃だらけだった。


「レン」


後ろでガルドが疲れた声を出す。


「まさかと思うが」


「はい」


「それも掃除する気か?」


「もちろんです」


「だよなあ……」


もう止める気もないらしい。


俺はモップを置き、雑巾を手に取った。


まずは蓋。


キュッ。


==========


《古代魔王の秘宝庫を清掃しました》


MP+8420


==========


「8420」


もう驚かなくなってきた。


いや。


本当は驚く数字なんだろうけど。


さっき3万を見たせいで感覚がおかしい。


次。


側面。


キュッ。


==========


MP+7650


==========


次。


取っ手。


==========


MP+9120


==========


ピロリン!


==========


《レベルが上がりました》


LV30 → LV34


==========


「4つ上がった」


「……今また上がったのか?」


ガルドが聞いてくる。


「はい」


「いくつだ」


「34です」


「聞かなきゃよかった」


どういう反応だ。


俺はそのまま宝箱を磨く。


==========


《清掃完了率》


62%


==========


「まだ結構あるな」


「いや、もう十分だろ」


「中途半端は気持ち悪いです」


「お前の掃除への執念が一番怖えよ」


俺は無視して続ける。


角。


底。


金具。


細かい隙間。


==========


MP+3810


MP+5220


MP+6740


==========


ピロリン!


==========


LV34 → LV37


==========


そして。


最後。


鍵穴の周り。


細いブラシで埃をかき出す。


キュッ。


==========


《清掃完了》


古代魔王の秘宝庫


100%


==========


カチッ。


「ん?」


宝箱の鍵が。


勝手に外れた。


「おい」


ガルドが一歩下がる。


「それ、開くぞ」


「みたいですね」


「いや、待て」


「何です?」


「古代魔王の秘宝庫だぞ?」


「はい」


「絶対ロクなもん入ってねえだろ!」


確かに。


でも。


俺は宝箱を見る。


==========


《開封可能》


==========


「開けます」


「待てって!」


俺は蓋に手をかけた。


ゴゴゴゴゴ……。


重い音と共に、宝箱が開く。


中から。


眩しい光が溢れた。


「うわっ!」


俺は目を細める。


光が収まる。


そして。


宝箱の中にあったものを見て。


首を傾げた。


「……棒?」


「棒じゃねえ!」


ガルドが叫ぶ。


中に入っていたのは。


長い黒銀色の柄。


先端には白い繊維のようなものがついている。


どう見ても。


「モップじゃないですか」


「それをモップって呼ぶな!」


じゃあ何だ。


触れてみる。


==========


《神魔清掃具・アブソリュートモップ》


等級:神話級


攻撃力:12000


魔力:+50000


固有効果:


《魔力吸収効率+50%》


《清浄化効果+200%》


《破損無効》


《自動洗浄》


==========


「…………」


二度見した。


もう一度見る。


変わらない。


攻撃力。


12000。


今まで使っていたモップは。


==========


攻撃力:1


==========


だった。


「1から12000……」


「何がだ?」


「なんでもないです」


絶対言わない。


今度こそ。


俺は新しいモップを持ち上げる。


軽い。


見た目よりずっと軽い。


手に馴染む。


まるで最初から俺専用だったみたいだ。


==========


《装備条件を満たしました》


《職業:清掃員》


==========


「清掃員専用?」


なんだそれ。


ガルドが恐る恐る近づいてくる。


「レン」


「はい」


「それ、本当にモップなのか?」


「ステータスには清掃具って書いてあります」


「絶対ただの清掃具じゃねえだろ!」


それは俺もそう思う。


試しに。


床の埃を軽く払ってみる。


シュッ。


その瞬間。


ブワアアアアア!


部屋全体に光が走った。


「なっ!?」


黒い霧が一気に消える。


床。


壁。


天井。


部屋中の汚れが。


全部。


消えた。


==========


《広域清掃を実行しました》


《対象エリアを完全浄化》


MP+45800


==========


「4万!?」


ピロリン!


==========


LV37 → LV43


==========


「6つ上がった!」


「またか!?」


ガルドが頭を抱える。


「もう勝手にしてくれ……」


俺はアブソリュートモップを見る。


これは。


ヤバい。


ただの掃除道具じゃない。


「でも」


握り心地は悪くない。


「仕事は楽になりそうだな」


「そこかよ!」


その時。


魔王城上層。


巨大な会議室。


何人もの魔族が集まっていた。


中央。


水晶球が激しく点滅している。


「まただ!」


黒鎧の魔族が叫ぶ。


「地下から異常な魔力反応!」


「数値は!?」


「上昇中!」


「ありえん!」


別の魔族が水晶球を睨む。


「この反応……魔王級を超えているぞ!」


ざわめきが広がる。


「地下牢に何がいる?」


「封印個体か?」


「侵入者では?」


その時。


奥に座っていた男が立ち上がった。


赤い瞳。


黒い角。


部屋の空気が一瞬で静まる。


魔王城を統べる者。


現魔王。


ヴァルグレン。


「……確認しろ」


低い声だった。


「地下で何が起きている」


「はっ!」


兵士たちが動き出す。


その頃。


俺は。


そんなことになっているとは知らず。


新しいモップを眺めていた。


「これなら地下牢、今日中に全部終わるかもな」


俺の仕事は。


まだまだ残っている。

お読みいただきありがとうございます!


レン、ついに神話級装備

《神魔清掃具・アブソリュートモップ》を手に入れました。


そして地下の異常を、ついに魔王城上層が察知。


続きが気になった方は、ブックマーク・評価で応援していただけると嬉しいです!


次回――

魔王軍幹部が地下へ調査に来た結果、清掃員に威圧される


レン本人は、何もしているつもりがありません。

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