第25話 LV980の虚無王を掃除したら、レベルが987まで上がりました
LV980《虚無王・ネグラ》。
レンはLV951。
今度こそ、本当に格上です。
天蓋裂孔の向こう側。
そこは、この世界の外だった。
目の前には、巨大な黒い存在が浮かんでいる。
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《虚無王・ネグラ》
LV:980
汚染度:100%
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そして俺は――
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LV:951
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レベル差は29。
かなり近づいた。
とはいえ、相手はまだ格上だ。
総合戦闘力も表示されている。
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虚無王・ネグラ
総合戦闘力:8,800,000
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俺の通常時は、
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総合戦闘力:6,900,000
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普通に負けている。
ただし、今は違う。
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《清掃妨害排除》
清掃を著しく妨害された場合、
全能力+100%
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現在発動中。
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総合戦闘力:13,800,000
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「倍ってすごいな」
『何を見ている』
虚無王が俺を睨んだ。
「いや、掃除できそうだなって」
『ふざけるな』
巨大な黒い腕が、裂け目の向こうから伸びてくる。
空間そのものが歪んだ。
『消えろ』
ドンッ!
衝撃で世界が揺れる。
俺はアブソリュートモップを振った。
「清浄化」
シュッ!
白い光が黒い腕を包む。
ジュウウウウウ!
『ぐっ!?』
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《虚無王右腕を清掃》
《世界外汚染を浄化》
MP+31,000,000
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ピロリン!
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LV951 → LV960
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「9上がった」
いい感じだ。
『貴様……』
虚無王が自分の腕を見た。
真っ黒だった表面の一部が、銀色に変わっている。
『何をした』
「汚れを落としました」
『これは我の肉体だ!』
「汚れてましたよ?」
『汚れていない!』
視界に数値が表示される。
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《汚染度》
100%
↓
94%
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「6%落ちてますけど」
『数字で判断するな!』
また言われた。
でも俺には、その数字が一番分かりやすい。
「じゃあ次いきます」
『待て』
「無理です」
アブソリュートモップを構える。
「超広域清掃」
シュッ!
白い光が広がり、虚無王の顔から胸、両腕まで一気に包み込んだ。
『ぐおおおおお!』
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《虚無王上半身を清掃》
MP+48,000,000
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《汚染度》
94%
↓
77%
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ピロリン!
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LV960 → LV968
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「あと12で980か」
俺が呟いた瞬間、虚無王の周囲にある亀裂が一気に広がった。
何千、何万という黒い目が、その向こうからこちらを覗く。
『ならば――』
空が真っ黒に染まる。
『世界ごと沈め』
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《世界外汚染波》
危険度:世界滅亡級
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「世界滅亡級?」
黒い波が裂孔から流れ出し、下にある世界へ向かって広がっていく。
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《世界汚染率》
9.8%
↓
10.4%
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「あ、増えた」
せっかく減らしたのに。
これは嫌だ。
「止めます」
『止められるものか』
俺はアブソリュートモップを両手で握った。
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《超越清掃員》
《超広域清掃》
効果範囲拡張可能
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「じゃあ最大で」
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《魔力消費》
現在MPの60%
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「結構使うな」
でも仕方ない。
世界中に広がってから掃除する方が面倒だ。
「超広域清掃!」
全力でモップを振る。
シュッ!
一瞬、何も起こらなかった。
『……失敗か』
「いや」
次の瞬間。
世界が光った。
ブワアアアアアアアアアアア!
天蓋裂孔の周囲。
そこから溢れ出していた黒い波。
すべてが白い光に飲み込まれていく。
『なっ!?』
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《世界外汚染波を清掃》
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《世界滅亡級汚染を完全浄化》
MP+120,000,000
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ピロロロロロン!
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LV968 → LV975
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「975」
虚無王が動きを止めた。
『ありえぬ』
「何がです?」
『我が世界を滅ぼすために、8000年蓄積した力だぞ』
「8000年?」
長いな。
それだけ放置されていたなら、相当汚れていたはずだ。
『それを……』
虚無王が俺を見る。
『一振りで消した』
「掃除用なんで」
『説明になっていない!』
俺に言われても困る。
改めて虚無王を見る。
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《汚染度》
77%
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まだ高い。
「続けます」
『やめろ!』
シュッ!
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77%
↓
52%
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ピロリン!
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LV975 → LV979
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「979」
虚無王はLV980。
あと1で並ぶ。
「もう一回いきます」
『待て待て待て!』
初めて、明らかに焦り始めた。
「あと52%です」
『半分程度なら問題ない!』
「半分汚れてますよ?」
『そういう問題ではない!』
「俺にはそういう問題です」
シュッ!
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52%
↓
31%
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ピロリン!
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LV979 → LV981
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「あ」
超えた。
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虚無王・ネグラ
LV:980
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レン
LV:981
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さらに表示が出る。
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《レベル逆転を確認》
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虚無王が固まった。
『……何だ』
「何がです?」
『今、貴様の存在格が我を超えた』
「レベル1だけですけど」
『1でも超えたものは超えた!』
そういうものなのか。
俺は自分のステータスを見る。
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LV:981
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999まで、あと18。
「もうすぐだな」
『何が!?』
「なんでもないです」
残りは31%。
俺は再びモップを振った。
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31%
↓
14%
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ピロリン!
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LV981 → LV984
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虚無王が裂孔の奥へ下がり始める。
『さらばだ!』
「あ、逃げる」
困る。
まだ掃除の途中なのに。
「空間移動」
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《アブソリュートモップ》
《空間移動》
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シュン!
一瞬で虚無王の目の前へ移動する。
『なぜ来られる!?』
「モップに付いてました」
『モップに空間移動を付けるな!』
俺に言われても知らない。
「あと14%です」
『十分綺麗だ!』
「駄目です」
『なぜだ!』
理由は簡単だ。
「中途半端は気持ち悪いので」
俺はモップを構え直した。
「完全清掃」
シュッ!
白い光が虚無王の全身を包み込む。
『やめろおおおおおお!』
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《虚無王・ネグラ》
汚染度
14%
↓
0%
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《世界外存在を完全浄化》
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MP+250,000,000
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ピロロロロロロロン!
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LV984 → LV987
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「987」
あと12。
虚無王を覆っていた黒いものが消えていく。
同時に、巨大だった身体も少しずつ縮んでいった。
最後に残ったのは、人間ほどの大きさをした白い姿だった。
『…………』
「大丈夫です?」
『我は……』
「はい」
『何をしていた』
またこのパターンか。
「世界を汚してました」
『……そうか』
「結構、汚してましたよ」
『すまぬ』
素直だ。
その瞬間、別の表示が出た。
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《世界汚染率》
10.4%
↓
3.1%
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「まだ3.1%ある」
元虚無王が俺を見る。
『まだやるのか』
「もちろん」
『世界の3%だぞ』
「3%汚れてるので」
『……そうか』
諦めたらしい。
大体みんな最後はこうなる。
俺は眼下の世界を見た。
残りの汚染率は3.1%。
そして俺のレベルは987。
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LV:987
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999まで。
あと12。
俺はアブソリュートモップを握り直した。
「もう少しだな」
まだ掃除は終わっていない。
お読みいただきありがとうございます!
世界外存在《虚無王・ネグラ》。
完全清掃。
レンはついに――
LV987
まで到達しました。
LV999まで、
あと12。
次回――
世界に残った3.1%の汚れを掃除したら、レベル998になりました
あと1まで行きます。




