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女性専用刑務所の面会室:一線を越えた【危険な女たち】の犯罪告白  作者: 熾星


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3.甥の名前

真紀の供述後、警察は北原市へ向かい、宮下拓也と川瀬翔太を逮捕した。


二人が白川警察署へ連れ戻されたとき、拓也の顔は白かった。まだどこか、成長しきっていない子どものようにも見えた。翔太のほうは体格がよく、むしろ妙に軽い態度で、自分が何に巻き込まれたのかを本当には理解していないようだった。


のちに前田沙也香が拓也と面会したとき、彼は留置場の服を着て、机の向こうに座っていた。両手は膝の上に置かれていた。

沙也香は回りくどい聞き方をしなかった。


「真紀さんは、そのとき何と言ったんですか」


拓也はわずかに目を上げた。


「叔母さんは、叔父さんに毎日ひどいことをされているって言っていました。殴られることも、悠斗を脅されることも、うちの家族を脅されることも、いろいろ話していました」


「それで、あなたに何を頼んだんですか」


「人を探して、あいつを殺してほしいって」


その言葉を口にするとき、拓也の声は他人事のように平坦だった。

沙也香は一瞬、言葉を止めた。


「それは殺人です。怖いとは思わなかったんですか」


拓也は机を見つめた。


「村の人は、みんな叔父さんがどんな人か知っていました。だから、変だとは思いませんでした」


「変だとは思わなかった?」


「いつか、そうなると思っていたので」


その言葉に、沙也香は背中が冷えるのを感じた。

けれど彼女をさらに不安にさせたのは、拓也の顔に浮かぶ空白だった。

彼は言い訳をしているのではなかった。

剛志が殺されることを、理解できないことだとは本当に思っていなかった。

翔太の面会態度は、さらに危うかった。


彼は終始、わずかな笑みを浮かべていた。友人同士の雑談の場にいるようだった。体格はしっかりしていて、指先で爪をいじっている。沙也香はその姿を見ながら、この若者は「殺人」と「自分の人生が終わること」

をまだ結びつけられていないのではないかと思った。


「この話を引き受けたのは、友人のためですか。それともお金のためですか」


翔太はほとんど迷わなかった。


「友達のためです。金はいらないって言ってもよかったくらいです。拓也はダチなんで」


沙也香は彼を見た。


「友達というのは、人を殺してもいい関係ということですか」


翔太は少し笑った。


「すごく仲がいいってことです。友達は一生もん、みたいな」


沙也香は笑わなかった。


目の前の二人は、あまりにも若かった。

義理、恨み、金、殺人。


そのすべてを混ぜ合わせ、まるで一つの扉をくぐれば二度と戻れないことに、気づいていないようだった。


三人の供述によると、事件前、真紀は拓也に現金を渡していた。

それは佐久間家に残っていた金の一部であり、二人への報酬でもあった。事件当夜、拓也と翔太は裏口側から佐久間家の敷地へ入り、あらかじめ話し合ったとおり、強盗殺人に見えるよう現場を荒らした。


剛志は眠っているところを襲われた。

真紀も傷を負った。

だが、その傷は致命傷にはほど遠く、むしろ「生き残った被害者」であることを示すためのものに見えた。


事件後、真紀は血まみれの姿で藤田千鶴の家へ向かった。

剛志を助けてほしいと叫んだ。

その瞬間から、自分を唯一の目撃者の位置に置いた。

しかし真紀は気づいていなかった。


自分の傷の浅さ、混乱した供述、あまりにも作為的に荒らされた室内。それらすべてが、警察に偽装を見抜かせる材料になっていくことを。

そしてもう一つ、気づいていなかった。


甥を巻き込んだ瞬間、彼女が壊したのは剛志の命だけではなかった。

二人の若者の後半生も、同時に壊していた。

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