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女性専用刑務所の面会室:一線を越えた【危険な女たち】の犯罪告白  作者: 熾星


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2.顔を隠した取材

逮捕後、詩織はほとんど黙秘を続けた。

だが事件はあまりにも突然発覚したため、現場を完全に片づける時間はなかった。捜査員は、古い民家の庭、倉庫、洗濯機の周辺から凶器、血痕、そしてまだ処理しきれていない遺体の一部を発見した。


本人が認めなくても、証拠は十分だった。


あの日、莉央が彼女を追跡していなければ、この殺人は郊外の古い民家に埋もれたままだったかもしれない。


警察はすぐに、蓮太の身元を確認した。


彼には安定した仕事がなかった。都市を転々としながら暮らし、戸籍上は親族らしき人物もほとんどいない。彼の行方を積極的に探す家族もいなかった。ここ数年、彼と長く関わっていた唯一の人物が、詩織だった。


ほかの被告とは違い、判決が出たあとも、詩織は家族との面会を望まなかった。

ただ一つだけ、警察に頼んだ。


北海道にいる両親には、絶対に知らせないでほしい。


テレビ局の取材班は何度か面会を申し込んだが、詩織は拒否した。顔を出したくない。声も知られたくない。最終的に、番組側は彼女の身元を隠し、音声も加工する条件で、顔の映らない取材を行うことになった。


カメラの前の詩織は、マスクとキャップを身につけていた。つばを深く下ろし、顔の上半分は見えない。膝の上に置かれた手は荒れていて、節は太く、古いしもやけの痕が残っていた。


記者の前田沙也香は、彼女の向かいに座った。


沙也香には、詩織の顔が見えなかった。


だが、その手を見ていると、目の前の女性がまだ二十八歳だとは思えなかった。水と寒さと生活に長く削られたその手は、若さをほとんど失っていた。

加工された声で、取材が始まった。


「どうして、最後にご両親に会いたいと思わなかったんですか」


詩織はうつむき、小さく笑った。


「会わせる顔がありません」


膝の上で指が固く結ばれた。


「ここまで来たのは、全部自分のせいです。あのとき親の言うことを聞いていれば、こんなことにはならなかったかもしれません」


少し間が空いた。


「もう八年、会っていません。向こうでは、私は死んだことになっているかもしれない。今さら目の前に立っても、気づかれないと思います」


沙也香は彼女を見た。



「瀬川蓮太とは、どこで知り合ったんですか」


詩織は長く黙った。


「読書会です」


その年、彼女はまだ郊外の古い民家で暮らす洗濯女ではなかった。

北海道札幌市にある地方企業の、一人娘だった。


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