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女性専用刑務所の面会室:一線を越えた【危険な女たち】の犯罪告白  作者: 熾星


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13/18

【セクハラ院長】被害者だった私は、二人を殺す女になった 1.ニュースに映った逮捕

2017年9月のある夜、二十二歳の佐倉美羽は、明かりを消した居間に座っていた。


テレビ画面の光だけが、彼女の顔を青白く照らしていた。ニュースでは、ある重大事件について報じられていた。逃亡していた武藤香織と春日井剛が、群馬県警と埼玉県警の合同捜査によって逮捕されたという内容だった。


アナウンサーの声は、淡々としていた。画面には、警察車両、警察署の入口、そしてモザイクのかかった容疑者の姿が映し出されていた。

美羽は、動かなかった。


その瞬間、自分はもう耐えられないのだと悟った。

台所から出てきた母は、居間が暗いことに気づき、眉をひそめた。


「美羽?どうして電気をつけていないの?」


美羽はゆっくり顔を上げた。

母は、娘の頬が涙で濡れていることに気づき、足を止めた。


「どうしたの。具合でも悪いの?」


美羽は立ち上がり、母の伸ばした手を避けた。


「お母さん、私なんか生まれなかったと思って」


母の表情が固まった。


「何を言っているの?」


美羽は玄関へ向かった。ドアノブに触れた指が、一瞬だけ止まった。


「お母さんにも、お父さんにも申し訳ない。二人とも体を大事にして。来世で、必ず償うから」


扉の閉まる音が、部屋の中に重く響いた。


母が玄関まで追いかけたとき、廊下には誰もいなかった。蛍光灯の白い光だけが、空っぽの通路を照らしていた。母は靴箱に手をついたまましばらく立ち尽くし、それから震える手で携帯を取り出し、夫に電話をかけた。


誰も思わなかった。

あの若く、弱々しく見える娘が、近くの警察署へ出頭しに行ったのだとは。


十数日前、彼女は従姉の武藤香織、そして香織の交際相手である春日井剛とともに、須藤誠一と園田莉子を殺害していた。


佐倉美羽は、1995年3月15日生まれだった。医療事務の専門学校を卒業したあと、地方の小さな町、白川町にある個人クリニックで働いていた。2017年10月、身代金目的誘拐、殺人、死体遺棄などの容疑で正式に逮捕された。


テレビ局の記者、前田沙也香が初めて美羽と面会したとき、胸の奥が一瞬だけ冷えた。


面会室に現れた美羽は、拘置所の淡い色の服を着ていた。体つきは細く、肌は白い。二十二歳という年齢よりもずっと幼く見え、まだ高校を卒業して間もない少女のようだった。


だが沙也香は、すでに事件の記録を何度も読んでいた。


目の前の少女が、あの事件の中でどれほど大きな役割を果たしていたのか。外見の弱さとは裏腹に、彼女が下した選択がどれほど残酷だったのかも知っていた。

ガラスが二人を隔てていた。


美羽は目を伏せ、両手を膝の上に置いていた。

沙也香が口を開く前に、美羽が低い声で言った。


「事件が起きた日から、逃げられるとは思っていませんでした」


声は小さかったが、大きく震えてはいなかった。


「どこまで逃げても、いつか連れ戻される。最初から、戻れない道だとわかっていました」


本来なら、普通の人生を歩めたはずの若い女性が、なぜここまで落ちてしまったのか。

すべては、一年前にさかのぼる。

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