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第3話『四天王、戦士《ウォーリアー》の襲来!エレメント・ファイター完全敗北!(前編)』

登場人物

エレメント・ファイター周辺人物

火野《ひの》 茜《あかね》

主人公。熱血直情的な性格。

エレメント・ファイターのリーダー格。

赤い戦士、エレメントファイア


水原《みずはら》 碧《あおい》

ストレートの黒髪長髪で、クール系。

エレメント・ファイターの参謀的存在。

青の戦士、エレメント・ウオーター


土門《どもん》 橙花《とうか》

がっしりした体型で、ショートヘアで大雑把な性格。

黄色の戦士、エレメントガイア


風吹《ふぶき》 翠《みどり》

小柄で、ひょうひょうとして周囲を和ます、ムードメーカー。

緑の戦士、エレメントウインド


白銀博士《しろがねはかせ》

銀髪の前髪に金のメッシュを入れた白衣の博士。

エレメント・ファイター周辺技術の生みの親。

話し方が吹き替えの若手アイドルに不自然。


侵略者


博士(ドクター)

ツインテブカブカ白衣の幼女。

宇宙一頭が良くて、すべては自分を楽しませるために存在していると思いこんでいる。

正体は、ドラム缶に触手が生えたような生物。


戦士(ウォーリアー)

ビキニアーマーのようなものを着込んだ、大柄な女性(身長約2m)

最終的に勝つのは当然だけど、ある程度は苦戦したい戦闘マニア。

正体は龍に似た二足歩行の生物。


破壊者(デストロイヤー)

黒い軍服に似た服を着込んだ細身の女性。

正体は機械生命体。

月の裏側。


国は戦争の準備より福祉を充実するべきだ、との声が大衆より広まり、宇宙開発と、その技術を元にしたと思われる技術が衰退の一途を進んでいる今、月の裏側を含む宇宙は完全に暗黒の地と化していた。


その暗黒の地に拠点を構えた彼方よりの侵攻者たちは、彼らによって力を与えられた者たちと、その力に抗うものたちの戦う様を記録した映像を眺めていた。


「で、どうなんだ?博士(ドクター)あのデカブツは」

赤いビキニアーマーのようなものをまとった女性の姿をしたものが、何かの肉を頬張りながら、白衣の幼女に問いかける。

「この星の奴らでは、あの合体を邪魔するのも無理じゃあないかなぁ」

白衣の幼女が、舞台上の歌舞伎役者のような大げさなゼスチャーと、口調で返す。

様々な姿をした元日本人と、角柱と円柱が集まって人型になったような機械との戦いの様子が、複数に分割されたモニターで流されている。

「では、われわれでは?」

軍服に似た姿の者が短く、感情の起伏が少ない口調で問いかける。

「苦労はする、でもまぁ、なんとかなるな、あの程度」

「つまり、楽しい戦いができそうってことか」

「あれに乗ったあとと、小さい姿の2回楽しめる、お前に取っては最高なんじゃない?

戦士(ウォーリアー)なんて名乗ってるんだから」


 博士(ドクター)が笑みを含んだ口調で、戦士(ウォーリアー)の方を向くと、既に彼女の姿はなかった。

「ほぉ、動いたか」

奥で大きなソファに横たわる、大柄の女性が楽しそうにつぶやく。

残った2人が慌てて振り返り、膝をつき、礼を示す。

「おそらく、実物を見たかったのかと」

博士(ドクター)が視線を上げることもなく、わずかに恐怖のこもった声で返答する。

 

 その声に反応せずに、奥の女性がニヤリと笑う。

何がおきるのかわかっているのか、それとも、何かを期待しているのか。


 その場にいる二人にすれば、出ていった戦士(ウォーリアー)の行動の結果、自分たちに災いが起きぬことを望むだけである。


一人「仲間」がいなくなるのは、間違いなく災いを呼ぶことなのだから。


 とある議会。

いつものごとく、なん人もの議員の怒号が飛び交う会議が行われていた。

法案を通すために声を上げるのではなく、自分の存在を示し、自分の言い分に他人を従えるために大声を上げる。


いつもの議会であった。


しかし、今回はいつもと違うことがあった。

 とある議員が、別の派閥の議員の言い間違いを指摘、それを理由にマウントを取ろうとしたとき、それは起こった。

 言い間違いを指摘された議員の言葉が、いっしゅんつまったものの、いつものようにただの罵倒に変わっていき、グダグダになった挙句何も決まらない、それが毎回の議会の形であった。

 今回罵り合っていた「マドンナ議員」と呼ばれた二人の罵倒がどんどん意味不明な言葉に変わっていくのと呼応するかのごとく、二人の体から触手のようなものが現れて、互いに巻き付き、異形のモノに変わっていった。


周囲の議員や記者、一般の見学者たちが気付いたときには。もう手遅れだった。

彼らもまた、二人のマドンナ議員から伸びた触手に巻き付かれ、吸収された。


 そして、その建物があった場所に、三つ首の化け物が現れた。

「なに、あれ。顔が3つあんだけど…」

黄色いシャツを着た大柄の女性、土門《どもん》 橙花《とうか》が引きつったような笑みを浮かべつつ、戸惑いの声を上げる。

「直前の画像では、言い争いをしてたのは二人って聞いてたのに、首が3つ?」

青いジャケットを羽織った、細身の女性、水原《みずはら》 碧《あおい》が不思議そうにつぶやく。

「いや、不思議がるのって、そこ?」

緑の開襟シャツの風吹《ふぶき》 翠《みどり》が、呆れたようにツッコミを入れる。

「言い合いをしていた二人以外にも、もう一人バケモノがいたってことか」

赤いブルゾンの両袖をまくった、火野《ひの》 茜《あかね》が怒りを抑えたような声でつぶやく。

「どゆこと?」

「いままでのパターンからするとそうなるか」

「多分な。いくら雑魚を喰らっても、頭が増えることがなかったことを考えると」

「頭が3つってことは、おなじような力を持ったバケモノ、三体が合体した可能性高いってこと?」

「?」

水原、火野、風吹の三人の「なんとなく」わかったことの答え合わせ会話に、ついてこれない土門であったが

「まぁ、とりあえず、いつものやつよりデカいのは三体合体の結果ってことでいいんだよね?」

と、強引に会話の流れを断ち切る様に叫ぶ。

「そうだな、あの融合体はとりあえず片付ける必要があるな」

「いくぞ!」

『エレメント!チャージ!』

四人の左腕に装着したブレスレットにそれぞれのコインを装着、光に包まれたあと4色の戦士が姿を現した。


「なんだ?」「やつらがこない?」

いつもであれば、集団で飛びかかってくる全身黒ずくめの集団の姿が見えない。

「チ…チ」「チギュゥウウ」


 三つ首の姿をした巨大生物が、その場から動く気配がなくなっていた。

その姿は、建築物や、周囲の人間、機械、家具といった様々なものを取り込む最中で固まった様になっていた。

その端で、途中まで取り込まれた「チギュ」と呼ばれた黒ずくめのモノのみが微かに動いている。

全く動く様子のない人型のものは、その集会場で行われていた議会にいた、普通の人々であろうか。


巻き込まれたのか、「仲間」になりたかったのか。


言葉を発することはおろか、指一本さえ動かせない彼らに聞くことはできない。


「どう、する?」

「もう、動かないみたいだけど」

土門と、風吹が誰に言うまでもなく、問いかける。

あそこに居る、いや、あるのはかって人間だったものだ。

今までも、人間だったものと戦い、抹殺してきた。


 だが、それは人に似た姿をした黒ずくめのチギュ、人の姿と知性をなくして暴れまわる「何か」

それらが自分と周りの者を害することを止める、いわば防衛行動であった。


ところが、今目の前にいるのは無垢の人間を喰らおうとしてオブジェのようになった何かでしかない。

人の形をした何かをわずかに残したまま。

「それが?」

「われわれのやることは同じだ」

マスクに隠れて、表情はわからないものの、火野と水原がいつも通りの口調で答え、ゆっくりとそれぞれの武器を構える。


 バケモノが姿を現し、動くことがないとおもっていたのか、遠巻きに見守っていた野次馬からどよめきが起きる。

火野と風吹、つまりエレメントファイアとエレメントウォーターの動きに呼応して、と思われたのだが

「ふむ、やはり、無理か」

群衆の中から、頭1つ以上抜け出した、長身の女性らしきものがゆったりと進み出してきた。

長い黒髪に、肩の張った真っ赤なスーツを着込んだその女性は、眼光鋭くオブジェとなったソレを見定めるように観察しているようであった。

「3つを同じところに奥には失敗だったな。あ、ああ、わかったわかった、コイツラに期待したオレが馬鹿だったよ」


そこにいない誰かと会話しているかの口調であるものの、小型の通信機と言えるものが作られていない現在、独り言をそう見えないように行ってるのか、それとも、なにか奇妙な術でも使っているのか。


周囲の感覚からすれば、会話してるような独り言を話している、奇妙なヤツでしかないのだが、その声とを耳にした土門と風吹、エレメントガイアとエレメントウインドの二人が、その女性の動きに釘付けになった。

「そこの人!危ないから出てこないで!」

右腰から取り出した銃のようなものを、オブジェに向けたままエレメントファイアが女性に叫ぶ。

一般人に被害は出したくない。

そのために力を得てここにいるのだから、無神経な行動を取る一般人に対するには、多少キツく当たるのは当然のことではある。

「あの、こえ…」

「あの、かお…」

『貴様、あの時の女か!!!!!』

エレメントガイアと、エレメントウインドが、武器になる前の光の塊のようなものをもち、その大柄な女性に飛びかかっていた。

「土門!風吹!」

「あの時?侵略者か!」

大柄な女性に飛びかかるエレメントガイアとエレメントウインドの動きを見て、慌てるエレメントファイアと対象的に、エレメントウォーターは二人の言葉から、その「女性」が何者か理解したようだ。


「ああ、コイツらが自称正義の味方か」

襲いかかってきた二人を視線も合わせずに吹き飛ばしたあと、他の誰かに確認するようにつぶやく。

「ほんとにコイツらで、ああ、わかったよ、これの始末しろってんだろ」

いかにもめんどくさそうに、オブジェを見た大柄の女性が、吸収されつつも微かに動いている黒服、チギュの体を掴み、引きちぎった。

「チギュアアアアアアアアアアア」

体をちぎられたチギュだけでなく、別のところにいたチギュも悲鳴を上げる。

吸収されたことによって、感覚が共有されているのだろうか。

「ふむ、なかなか複雑な味だな」

血の滴る肉片を手にした、その女性は、その肉を食べていた。


その姿を見た数少ない一般人の野次馬は、悲鳴を上げて逃げ出し、その場に残るチギュの姿になる前のスパイたちはその場を動くことができなかった。

 彼らが信仰する信仰者から力を与えられた自分たちは、どんな相手にも負けることはない。

そして、やがてはこの星の支配層として、君臨できるのだと。


 だが、今目にしているのは、自分と同じ、もしくはさらに強大な力を手にした者が、侵攻者と思えるものによって、食われていく様であった。


「なにを、している」

「なんか、飽きてきたな。消せるか?」


 エレメントファイアが、拳を震わせながら、いきなり現れた大柄の女性に怒りを込めた声で問いかけるものの、女性は全く気にせず、素手で解体を続ける。

「この姿だと、めんどくさいんだよ。元に戻ればすぐに…

ああ、頼めるか。三匹集まったらこんな味になるとは思わなかったんだ」


「何をしているかと、聞いている!!!」

エレメントファイアが腰から剣を抜き、斬りかかると同時に、エレメントウォーターが弓を取り出し、矢を射る。

先の二人とちがい、武器が形を成しているのは冷静さの証であろう。


「ほお、さっきの奴らより楽しめそうだな」

エレメントウインドの剣を指で摘み、エレメントウインドのウォーターの矢をすべて弾き返し、笑みを浮かべた。

戦士(ウォーリアー)は剣ごとエレメントファイアをエレメントウォーターに向けて投げつけると、スーツを投げ捨て、ビキニアーマーの姿になり四人の方にゆっくりと歩を進めると


ドン


巨大な音とともに、光の束が降り注ぎ、三体の怪物と、周囲の様々なものを取り込んだ挙句、オブジェとなったモノを消滅させた。


「なんだ?」「なにをした?」

「後始末だよ」


戸惑いと怒りを含んだ二人の問いに、戦士(ウォーリアー)が淡々と答える。

「実験が失敗したら、後始末は当然だろ?

喰ってもうまくないなら、焼き尽くす。それが責任というものではないかな」


声に感情は乗っていない様に思える。

むしろ、どう言えば、目の前の連中を怒らせて、手を出させるか。

そのための脚本を読んでいる感じでもあった。


「そうか。そうだな」

エレメントウォーターの声が静かに震える。

「それが、おまえの考えか。ならば」

ハンマーを支えに立ち上がるエレメントガイア、右手のブーメランを構えながら、体を起こすエレメントウィンド。

『われわれは!おまえたちに反抗する!』

斬りかかるエレメントファイアの剣に向けて、エレメントウインドのブーメランがエネルギー体のようになって、まとわりつき、エレメントガイアがハンマーを振り上げると、その軌道に向かって、エレメントウォーターの矢を光にして放った。

「くらえ!」

「風をまとった炎の剣!風炎斬!」

「水の槍で貫け!ガイアプレッシャー!」


二人の力を合わせた、二つの攻撃が侵略者の戦士(ウォーリアー)に炸裂、左右の肩口から、Vの字に見える光が立ち上った。

「このまま」

「断ち斬る!」

左右二人の攻撃で戦士(ウォーリアー)の腰が僅かに沈む。

手応えを感じた二人がさらに力を武器に込めたその時。

「ふむ、すばらしい」

戦士(ウォーリアー)が両手を両手を振り上げ、二人を吹き飛ばした。

その体には、傷一つなかった。

「ふふふふ、はーっははは!人の形で我に痛みを与えるか。なら、巨人になれば!もっと!もっと!楽しめるのか!!!」

今までにないほどの、感情のこもった言葉とともに、戦士(ウォーリアー)の体が音を立てて変わり始めた。

鎧をまとった女性のような体は、複数の角を生やした爬虫類の顔に、ヘビのように節張った首と胴、長い指に鋭い爪を生やした長い腕、そして、大木の幹のような二本の足と、太く長い尻尾を生えた姿に変わり、さらに巨大化したその姿は、怪獣映画に出てくる巨大生物そのものであった。


「さぁ、あの機械を呼べ!そして!我に挑め!!」


声は低くなったものの、知性は残っていそうな語りで、戦士(ウォーリアー)が挑発を続ける。

 

 強大な敵を前にして、エレメントファイターたちはこの危機を乗り越えることはできるのか。

はたして、勝利の道を進むことができるのか。戦え!エレメントファイターたち!

明るい明日を掴むため。


続く。

「実験の後始末」を済ませ、エレメントファイターとの戦いを楽しむ、侵略者戦士(ウォーリアー)。

巨大な異形の姿を現し、エレメントファイターの前に立ちふさがる。

はたして、エレメントファイターは戦士(ウォーリアー)を倒せるのか。

巨大メカ、エレメントファイターロボと、正体を現した戦士(ウォーリアー)との戦いが始まる。


次回 第4話『四天王、戦士《ウォーリアー》の襲来!エレメント・ファイター完全敗北!(後編)』


よっつの力を一つに合わせ、勝利の道をつき進め!

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