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セカンド・ユートピア  作者: どるき


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その後のヤサト

 チヨダに到着したクララたちは教会に向かうと、フナバシにいるマルメガネに連絡を入れる。

 もしもハイジが生きていたらと言う配慮でチヨダの責任者であるマクベノには仔細を伝えず、フナバシ教会の人間だけの秘密としてマルメガネにだけハイジの事を伝えた。

 最終的にハイジが巨人の攻撃を受けて行方不明、おそらく死亡と伝えられたときのマルメガネの顔は、モニター越しにも悲しみが溢れていた。

 そして支配者を失ったヤサトの街はこれからさらに危険な状態になるのではないか?

 ひとまずパウロは仲間を連れてヤサトに戻るようにと指示を受けた。

 マルメガネが選んだ同行者は二人。

 いずれもGMではないが、転生の日以前からセカンド・ユートピアを高レベルになるまでプレイしていたベテランのネオスドリフトだ。

 シミュレーションのスコアだけで言えばクララに劣るとはいえ、こと人間相手の実践においては上を行くであろう猛者である。

 この人選は言うまでもなくクララは帰ってこいという意味に他ならない。

 マルメガネも半ば無理に彼女をネオスドリフトに加えたとはいえ、ここから先は大人がやるべき尻拭いだと弁えていた。


「それではパウロとクララくんは一旦こっちに帰ってきてくれ。マクノベさんへの説明は私がしておく」

「了解です」

「ところで……おれの扱いはどうなるんで?」

「キミはこっちに来るにせよチヨダに留まるにせよ好きにして構わない。経歴が経歴なので見張りはつけさせてもらうが」

「だったらおれもそっちに向かうぜ」

「わかった。では二人と一緒に来てくれ」


 報告を終えたクララたちはチヨダの教会に聖帝号を預けてフナバシに戻った。

 マキンタは「腹が減った」とクララを食事に誘ったのだが、彼女は今回の一件で精神的に疲れていたのでそれを断る。

 帰って早々にマイルームに籠もるクララは服を乱雑に脱ぎ捨ててから、ベッドの上でうつ伏せに倒れ込んだ。


「疲れた」


 呟いた言葉の通り彼女の心は疲れていた。

 ハイジと初めて出会って調査に出発したのが昨日の朝なのが嘘のようだ。

 正直に言えばクララはハイジのことを理解しきれていない。

 その上で裏切られたのもあり、彼に対しての印象はよろしくない。

 本性を表した彼勧誘されたときは、心の底から「誘いの乗ってはいけない」と感じたほど。

 だがそんなハイジでも出来ればフナバシに連れて帰りたかったし、目の前で挽肉にされる姿など見たくなかった。

 目をそらしたので潰れる瞬間を見てはいないが、想像するだけで吐き気が出る。

 巨人という初めて見るモンスターに対しての恐怖よりも、巨人が蹴り上げた極道車を殴り飛ばす光景の詳細を思い浮かべたときの吐き気のほうがクララには辛かった。

 戻ってきた時点で既に夕方なのでマキンタが彼女を食事に誘うのも当然の頃合い。

 だが食欲の沸かないクララはそのままお風呂にも入らずに眠ってしまった。

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