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口論


部屋だ。


薄暗く照らされ、ひとつの電球だけが部屋を照らしている。俺は木の椅子に座っている。向かいには、もう一人の人物がいる。


その顔は、興味を宿しながらも、何の感情もない――まるで人工の生息環境の中でアリを観察しているかのような表情だ。それは軽蔑に満ちた表情だが、物理的な指標はまったくない。ただ、そうであるとわかる。


そうだ、俺の向かいに座っている少年は、他でもない「カイト」だ。


だが、奇妙なことに、その髪は下ろされている、俺のものとは対照的に。長い紺色の前髪が特徴を覆っているが、大まかな詳細を見て取るには十分だ。


「カイト」。


彼が俺を見つめる。


俺は誰だ?


俺も「カイト」だ。


そうだよな?


いや、これは「カイト」じゃない。


これは、██████だ。


ああ、名前を忘れていた。


この部屋は静かだ、誰一人動かない。俺たちはただ、その瞬間に凍りついている、死に至るまでの永遠の見つめ合いに囚われて。氷にゆっくりと針が刺さっていくように。


だが、やがて、それにひびが入る。


「……よくやってるな。髪まで撫でつけ始めたんだから」


「……」


何も言い返せない。それは、言いたくないからか? それとも、言えないからか? どちらであるかは、今この瞬間にはほとんど関係がない。俺はただ、答えていない。


「……これが唯一の道だ」


瞬きする。頭がその言葉を読み取り、思考に刻み込む。


「まあ、これが唯一の道だとわかっていても……」彼は続ける、「……正直……悪く取らないでほしいんだが……」


彼の柔らかな表情が、眉が寄せられるにつれてゆっくりと変わっていき、その目が針のように俺の肌を突き刺す。手がテーブルの上に置かれ、掌が前方へと伸びる、まるで抑え込んだ感情を解き放つかのように。


「お前、だんだん、吐き気がしてきた」


―――――――――――――――――――――――


「大丈夫か?」


それは、先ほどの激しい瞬間を洗い流していく、落ち着いていて、しかし鋭い声だ。混沌とした地獄にもかかわらず、俺を落ち着かせる落ち着き。


体に風が吹きつける中、両手を上げる。


俺は地面に横たわっている、背中を下にして。


息を切らしながら体を起こし、自分の服にすばやく目をやる。ほとんどの部分が焼け落ちているが、機能的に使い物にならなくなるほどではない。さっきまで燃えていたはずなのに、ほんの一瞬で、炎は消えている。


驚いたことに、肌には火傷の跡も、いかなる損傷もない。


頭が右へと弾かれる。


そこにいるのは、ナヴィ・ハイアーガルドという名の少女だ。白髪と、見つめるたびにきらめくような鋭い黄色い瞳を持つ少女。彼女の隣には、この層でのガイドを務めてくれたゴブリン、キュロスが立っている。彼は近くにいるが、危険には近づいていない。


頭が前方へと弾かれる、まだ衝撃を受けたまま。


その生物は、まだ溶けたままで、今、叫び、暴れ回っている、獲物を再び奪われたことに怒り狂って。楽しみの時間が終わったことに、この人物たちの出現がさらにその計画を台無しにしたことに。


すぐさま、爪を持ち上げ、ナヴィに向かって振り下ろす、彼女はすぐさまサーベルでその一撃を受け流す、上半身を回転させながら。その攻撃は、性質上巨大であるにもかかわらず、剣程度の効果しかなかった。


いや、少なくとも、そう見えた。


ナヴィは、ずっとこのレベルの強さだったのか? 彼女はこれをただの児戯のように扱えるほど強かったのか? 以前のループで彼女が負けていた理由、あるいは全力を出していなかった理由は、単に負傷していたからだったのか? 治癒するのに十分な時間があっただけなのか?


待て、でも彼女、あんなに早く治ってる!


鋭いカチンという音とともに、その生物が腕を引っ込める。その腕は、受け流しの純粋な鈍い衝撃によって、いくらかの血がこぼれ落ちながら、乱雑に元の位置へと戻っていく。


「あの状態でも、まだ元気があるじゃない」彼女は皮肉を言いながら、刃を華麗に振るい、次の攻撃に備える。ゆっくりと後ろ足を後方に引き、地面に食い込ませてから、いつもの戦闘姿勢に戻る。


彼女はサーベルを高く上げる、ほとんど指し示すように、左腕を構えて。


体のあらゆる部分がその可能性を最大限に活用し、無駄になっている手足がひとつもない構え。


「な、ナ……」自分を止める。


彼女は俺を見た。


彼女は俺が、燃える豚のように叫んでいるのを見た。


欠陥のある水のように脳に流れ込んでくる考えが、突然、新鮮な水によって洗い流される。


今、俺はショックを受けている。魂を蝕み、俺を殺していたはずのあの痛みが、こんなにも急に止まったことに困惑している。あんなに死に近かったのに、今は安全だなんて。


そうだ、俺は安全だ、でもこの状況をやり直すことはできない。まだ目の前のこの問題に対処しなきゃいけない。


俺は嬉しいのか? 生きていることが嬉しいのか?


もちろんだ、くそ。もう二度と、死にたくない。


まだ地面に横たわったまま後退する、両手で体を後ろへと引きずり、脚が地面を蹴る。土が固まり、爪の中にまで入り込むが、今の状況があまりにも大きすぎて、ほとんど気に留めることもできない。


その生物が素早く左の触手を頭上に持ち上げる、少女を押し潰す準備をして。「触手」と言ったのは、この時点で、それはもうそれ以上のものではないからだ。その「腕」の形は完全に破壊され、今や骨と肉の溶けて煙を上げる塊にすぎない。


素早く横に身をかわし、少女がその左後ろ脚に一撃を盗み取る、それに対してその生物は大きく叫ぶ。


これは、以前とまったく同じように展開している、ただひとつ重要な違いがある――その生物は重傷を負っている。その状態のせいで逃げられない、だから戦うことだけが選択肢だ。この特定の状況は気に入っているが、少し緊張していないと言えば嘘になる。


一連の攻撃を放った後、どれも効果がなかったようで、少女は草の上を滑るように後退する、サーベルは血にまみれている。彼女は素早くその血を振り払い、それから鼻を鳴らす。


「しぶといクソね……」


突然、彼女の構えが変わる、脚を後方に動かし、サーベルの持ち方を逆手に切り替える。素早い動作で、右腕を握り、まるで武器を安定させているかのように。


「これで、できるだけ早く終わらせないと」


「解放:ブレイズベイン」


その瞬間、不可能なことが起こる。おそらく、世界が明るい赤の光の中で爆発したのかもしれない。あるいは、何か外部の力の結果だったのかもしれない。だが、目を慣らした後にすぐに気づいたのは、衝撃的な光景だった。


ナヴィ・ハイアーガルドが、自分のセヴェラントの第一形態を解放していた、俺が今まで見たことのないものを。


暗い赤の炎が彼女のサーベルの周りを渦巻いている、そのサーベル自体も形を変えている。ギザギザの刃先が、奇矯でありながら整然と、刃全体に散らばっている、そしておそらく最大の変化は、その輝く刃先だ。それは力とともに爆発している、俺自身がその熱を感じられるほどに。


だが、それは奇妙な種類の熱だ。肌で感じる類のものじゃない、何かを焼き貫くようなものでもない。いや、まるで自分の魂そのものが燃えているかのように感じられる、まるで炎が内側から立ち上っているかのように。


痛くはないが、その熱は明白だ。無視することは不可能だ。


くそ、まぶしい。


手を上げ、その光から目を守る。


見て取れる限り、その生物は再び金切り声を上げている。ほとんど人間じみて聞こえる、身をよじりながら、両腕があらゆる方向に振り回される、まるで首のない蛇のように。もはや制御が効いていない。体が糸に繋がれた死体のように痙攣し、けいれんしている。頭がもはや動きを先導することすらなく、ただ引きずられているだけだ。


だが、見つめ続けるうちに、何かが目立ち始める。肩から膨らんでいる形がある。何かが成長している、腫瘍のように、着実に膨張していく。


ナヴィはまだそこに立ったまま、刃を手にしていて、動く気配すらない。


その解放だけで、その生物はすでに負けつつある。


さらに数秒間の激しい暴れの後、それがついに姿を現す。


そうだ、もう一体の生物が、ずっとこの中に隠れていたのだ。


おぞましい破裂音とともに血飛沫が上がり、右肩から第二の頭が突き破って現れる、同じくらい大きな叫び声を上げながら。それは骨だけだ、暗い靭帯によってつなぎ止められている。その色は病的な茶色に変わっていて、青白い骨とは鋭い対照を成している。骨自体も、まるで炭のようにゆっくりと黒くなっていっている。


「やっと見せたわね」


ナヴィに目をやる。彼女は剣を松明のように握っている。


彼女の顔は恐ろしい。笑っている。この瞬間には似つかわしくない笑みを浮かべている。唇が大きく広がり、鋭く見える歯の列が露わになっている。まるで、これが人生最高のニュースを聞いたかのように、喜びだけを感じているように見える。彼女の顔は、この地獄そのものから出てきたような光景に、まったく似つかわしくない。


その生物に視線を戻す。赤い炎が、リボンのような形をして彼女の刃の方へと漂っていく、まるでその生物から吸い出されているかのように。それを一番うまく表現するなら、火の燠火のようだ、ただし方向性がある。


彼女、あいつの生命力を吸い取ってるのか?


彼女は、ずっとこれができたのか? じゃあ、以前はどうやって負けたんだ?


キュロスの方を向く、彼は俺と同じくらい困惑した様子だ。近くにいるが、危険な範囲内にはいない。


前方に目を戻すと、きしむような音に驚かされる。その生物が突然、俺の方へと向きを変える。それだけで、あいつが何を企んでいるかがわかる。俺を道連れにしようとしている。まるで個人的な恨みがあるかのように。後ずさりし、体を起こそうとする。


これまでのすべてから学んだことがあるとすれば、それは、この生物を殺すことは不可能だということだ。すべてを経てもなお、それはまだ考える力を、いや、動く力すら持っている。


それが地面を蹴り、俺に向かって身を投げ出す、そのとき――


「スレッド!」


赤い炎の閃光が空気を切り裂く。


それは、そうあるべき以上に鮮やかに切り裂く、まるで熱いナイフが紙を切るかのように。生物の破壊され焦げた姿にもかかわらず、その一閃自体は完璧だった。肩と頭部が体の残りから切り離される。断面が見える、内臓と骨が融合した焦げた塊だ。肉はパリパリに焦げ、血管は互いに溶け合っている。


血はない。本来赤いはずのものが、今は黒か茶色になっている。


一瞬、体はただそこに立ったままで、それから崩れ落ちる。肉が湿った地面に叩きつけられる音が、開けた場所に反響する。頭部と肩がまず地面に着き、バランスを崩してから、残りが続く。


ナヴィはしばらくその構えを保ってから、武器を下ろす。かすかな光とともに、刃が通常の形へと戻っていく。


彼女は死体を見つめる、その表情は魅了と喜びのそれだ。


「やっぱりオルトロスだったのね」


言葉を発することすらできない。すべてが起きた後、俺はまだショックの中にいる。だが、無理やり立ち上がる。


あんな姿を見られたくない。


すべてを押し殺す。


「な……何だって?」声が震えて出てくる。できる限り、平静を装おうとする。


ナヴィが、俺の方を見もせずにサーベルを鞘に収める。


「双頭の異形よ。どのカテゴリーだったか忘れたけど」


「キメラ分類に属すると思います」キュロスが歩み寄りながら言う、自分の首輪を調整しながら。「第一の頭は攻撃力として機能し、第二の頭はより重要な機能を持ち、適切な思考能力も備えています」


「みたいね」ナヴィがため息をつく。


ゴブリンが銀髪の少女の方を向く。


「あの戦術は実に見事でした、ハイアーガルド様。あなたは、内側からあれを破壊したのですね」


彼女が正確に何をしたのか聞きたいが、まだ死にかけた経験に打ちのめされている。周囲の状況を完璧に把握できているにもかかわらず、話したい言葉を手放すことができない。


「うん。片方の頭が死ぬと、それはゆっくりと外側から腐っていく」彼女は頭蓋骨を指差す、その表面に光が反射している。「でも中では、通常もう一体育ってる。自分の心臓とか、いろいろ揃った状態でね」


理解する。あの……オルトロス……が炎を生き延びられた理由は、体内に生きているもう半分――ある種の『バックアップ発電機』のようなもの――が原因だったんだ。どういうわけか、彼女はそれを内側から殺した。


彼女に聞きたいが、今は、まともな文章すら構成できない。


残骸を見つめる。それはほぼ完全に土に溶け込んでいて、その体液が地面に染み込み、病的な茶色に染めている。それが生き延びられたのは、じゃあ、第二の頭のおかげだったのか?


くそ、今回も失敗した。


目が眼窩の中で震える。脳が、それに合わせて振動しているような感覚がある。


吐かないようにするために、体中のあらゆる神経を使う。


少女がさりげなくこちらを向く。


「あんたの計画、うまくいかなかったみたいね」


「あ、ああ……そうみたいだな」なんとか答える、手の震えを止めようとしながら。


「あの叫び声からして、明らかだったけど」


頭が彼女の方へと弾かれる。何かがひび割れたのを確信する。


彼女は得意げに笑っている。オレンジがかった黄色い瞳が俺を切り裂く。


「その顔、何よ? 死体みたいな顔してるけど」


彼女は笑っている。それを面白がっている。俺が燃えて、叫んで、息を切らしていたことを。彼女にとって、それはただの冗談だ。お前にとっては、ただのジョークなんだろ?!


「面白くない!」


俺の声の反響が土地を切り裂き、それぞれの言葉が空気を引き裂いていく。風すら止まる。


「悪かったな、何かを生きたまま燃やしながらニヤニヤできるサイコパスのエッジロードじゃなくて! こんなクソ、慣れてないんだよ!」


「はぁ……?」彼女はゆっくりと頭を上げる、その表情は明白にこう語っている――『これ以上話し続けたら、歯を一本叩き折ってやる』と。


挿絵(By みてみん)


「あたしがあんたを助けたんでしょ? 何をぶつくさ言ってんの?」


再び叫ぼうと口を開くが、止める。彼女は、俺が痛みで叫んでいたなんて、まったく考えもしていないんだな。彼女にとって、俺はただそのことで怒っているだけなんだ。


くそ。今、そんな気分じゃない。話せば話すほど、彼女は俺が自分の言う通りの人間じゃないと気づいてしまう。俺が「あっちの世界」の人間なんかじゃないと。静かにしていた方がいい。


「ちっ。そうね。何でもない」


「いや、いや、続けろよ――俺が制御できなかったことで、もっと怒鳴ってくれよ!」


黙る。


「……」


彼女は俺を見つめる、眉を寄せ、まるで彫像でも観察するかのように俺を見ている。瞼が眼球を覆い、細めて俺を見つめる。


「あんた本当にムカつくわね、この弱虫」


彼女は背を向け、歩き去る、それ以上一瞬たりとも無駄にしない。


拳を握りしめ、舌を強く噛みしめる。またこれだ。俺たちの間の溝が。振り出しに戻った。あんな風に切れるべきじゃなかった。黙っておくべきだった。


キュロスに目をやる。


「目的地への道を進むのが最善かと思います」彼が落ち着いて言う。「これは明らかに、あなたにとって絶望的な状況でした。動揺するのも当然のことです。ですが、彼女の視点も理解できます」


ただ頷く。


「ああ」


「どちらも間違っているわけではありません、この状況において」


いや、俺が間違っている。あんな風にキレたことで。もし俺が、なりたい自分になりたいなら、あんな反応を許すわけにはいかない。唇を噛みしめ、それから一歩前へと踏み出す。


俺は、押しのけられるだけの人間なんかじゃない、くそ。

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