第92章 ルヴォス大陸へ
エレナ達はコーデリーの港町に着くと港に停まっている船に向かった。
船にはエレナ達の帰りを待っていた船員がエレナの帰還を喜んだ。
そして次の日船はルヴォス大陸に向かって出港した。
エレナは船の厨房でラテアナ大陸で買った食材を出して味を確認していた。
「これはサツマイモの味がする! 焼き芋やりたいな」
「これはカボチャかぁ! 煮物、天ぷらだな」
「おお! この肉柔らかくて美味しいな和牛みたいだ」
エレナはブツブツ言いながら楽しそうにラテアナ大陸で買った食材を焼いて食べながら料理を考えていた。
ガチャ!
ドアが開くとアリシナが入ってきてエレナの隣に来る。
「エレナさん楽しそうですね」
『そうなんだよね色々食材が集まってこれをどうやって美味しい料理にするか考えるのが楽しいんだ』
「私の村ではそんなに料理が好きな人がいなかったからエレナさんの美味しい料理がいつも楽しみです」
『向こうに着いたらさレストランを開こうと思ってるんだよね。しばらく旅はお休みして皆んなでゆっくり楽しく暮らしたいんだ』
「いいですね、村以外の所にいるのが新鮮で毎日が楽しいです」
エレナはアリシナが見つめる中手際よく昼食を作り始める。
『よし! お昼ご飯作ったから皆んなで食べよう』
「いい匂い……これは何ていうお料理ですか?」
『これはラテアナ大陸で買ったお肉を使ったハンバーガーとポテトフライって言うんだ』
エレナは食堂に行くと山盛りのハンバーガーとポテトをテーブルに置いて皆を呼んだ。
エレナのテーブルにはいつものメンバーが座ってハンバーガーを頬張っていた。
「美味しい! お肉が柔らかいし野菜もいっぱい入ってタレも良く合ってる!」
セリアは美味しそうにエレナの隣で食べている。
アルトとユギルは無言で食べている。
アリシナは口をいっぱい開けてハンバーガーを美味しそうに食べている。
フェイは口をソースだらけにしてガツガツと食べている。
「エレナの美味しい料理は生きてる幸せを感じられるわね」
マイナは口の周りのソースを上品に拭くと美味しい料理の余韻に浸っていた。
『ありがとう作った甲斐があるよ、それにしても便利だね魔物を寄せ付けない術があるなんて』
エレナの言葉にサラはある考えを話し始めた。
「そうね……私思ったんだけどこの術をこの世界に広められたら大陸での交流が活発になっていいと思うの」
「それいいかも! 世界の発展のきっかけになるわ」
セリアは賛成の意思を示した。
「だからリンドラ王国でマナ使いの人に教えようと思ってるわ」
『じゃあ王様に話してみますね』
「うん、よろしくね」
エレナはサラの提案に大賛成だった。
(今まで危険で出来なかった渡航が安心してできれば大陸間で交流が盛んになり文明が発展する、後はもう少し船の移動速度や耐性などを強化できればなお安心かつ快適な船旅が出来ると思う、そこら辺もリンドラ王国の王様に相談してみようかな)
3日後船はルヴォス大陸に到着した。
ガチャ‼︎
「大変です‼︎」
リンドラ王国の一室でいつもの定期会議をしていた王達は慌てて部屋に入る執事に何かあったのかと不安がよぎった。
皆冷や汗をかいてじっと執事の言葉を待っている。
「報告します‼︎ 今朝ラテアナ大陸に向かったセリア殿達の船が帰ってきたとの事です‼︎」
それを聞いた王は驚きのあまりガタ‼︎ と立ち上がると恐る恐る執事に聞いた。
「そ、それで聖女殿は?」
「はい無事に帰還されました‼︎」
「「「おお‼︎」」」
部屋にいた側近達は皆立ち上がると抱き合い無事を喜こんだ。
「聖女様……」
嬉しさのあまりファルナレスは顔を両手で覆い号泣する。
「それで⁉︎ 聖女殿達は今どこにいるんだ⁉︎」
「今ここに向かっているとの事です!」
「そうか‼︎ では国民に知らせて皆で出迎えようぞ‼︎」
「は‼︎ ではこれで失礼します‼︎」
執事は慌てて部屋を出て行くと王は満面の笑顔のまま大きな声を出した。
「もうこんな事をしている場合じゃないな、宴じゃ宴の準備じゃ‼︎」
「「「は‼︎」」」
エレナの無事を聞いたリンドラ王国の国民達は大騒ぎになっていた。
「聞いたか‼︎ 聖女様が生きておられたぞ‼︎」
「ああ‼︎ 国では皆大騒ぎだ‼︎」
「話では今ここに向かっているそうだ!」
「これは見に行かないとな‼︎」
その頃すでにエレナ達は馬車でリンドラ王国の近くまで来ていた。
『帰ってきたな〜早く皆んなに会いたいな』
エレナは馬車から自然風景を見ながら言った。
「シェリーさんとメアなんて相当ショックで大泣きしてたんだから」
セリアはエレナを探しにポーラトールの孤児院から旅立った時の事を思い出して少し悲しげな表情を浮かべた。
『そうか……心配かけちゃったね』
「しょうがないわよあれは不可抗力なんだから」
「あ! お城が見えて来ました!」
アリシナは馬車の窓から顔を出して大きな声をあげる。
エレナはリンドラ王国の美しい城を見ると帰ってきたと実感した。




