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番外編 ラーガスタの行方 後編

 次の日カイル達は洞窟に向かった。


 洞窟の中には魔物が多く現れ行手を阻むが倒しながら何とかカイル達は奥に辿り着いた。


 奥には先が見えない程の闇に染まる穴が現れ魔物がワープして来たかのように出てきていた。


「あそこを封印するぞ、俺がやるから皆は魔物を頼む」


 カイルはそう言うと周りの仲間達は頷いた。


 それを確認したカイルは叫びながら物陰から飛び出した。


「よし作戦開始だ‼︎」


「「おお‼︎」」


 カイルが穴の封印をする間沸き続ける魔物をサイラ達は倒していたが洞窟に聞き覚えのある声が響いた。


「またお前達か」


 その声を聞いたサイラは血が湧き上がり大きな声を上げた。


「何処だ‼︎ 出てこい‼︎」


 スッと暗闇から黒いローブに禍々しい紫色の首飾りをした魔物が現れた。


「目障りな奴らめ、ここで始末してやる」


「それはこっちのセリフだ‼︎ ラーガスタ一族の仇を取らせてもらう‼︎」


「お前達は力を持ちすぎたんだ。過度な力は駆逐しろとの命令だ」


「その命令をしたやつもろともぶっ飛ばしてやる‼︎」


「威勢がいいがこんなところで遊んでていいのか? 城は今頃魔物が侵攻しているぞ?」


「な! なんだと……」


 狼狽えるサイラにカイルは叫んだ。


「サイラ‼︎ お前は城に行け‼︎」


「分かった‼︎ 兄貴後は頼んだ‼︎」


 サイラは急いで洞窟を出ると城へ向かった。


「あ……そんな‼︎」


 サイラは煙をあげボロボロになった城を見て絶句した。


「アイニース‼︎」


 サイラは無我夢中で魔物を蹴散らしながら城へ向かうと王座に辿り着いた。


「サイラ様‼︎」


 最愛の人の声が聞こえほっとしたサイラにアイニスは飛びついた。


「良かった……」


 サイラはアイニスを抱き締めるとラエド王がやってきた。


「サイラ殿よ頼みがある。アイニスを連れてここを出てくれ抜け道を用意した」


「そんな! お父様はどうするのですか‼︎」


「私はもう少しここにいる、安心しなさい後から行く」


 その言葉でアイニスはサイラと共に城を出て行った。


 城の周りにも魔物が多くサイラは必死にアイニスを守りながら進み続けた。


 城を抜け出せたのは日が落ちそうな頃だった。


 「……」


 いつもより寂しげな夕暮れの道をサイラはアイニスと無言で歩いていた。


 洞窟に向かっている途中でカイル達と合流した。


「兄貴‼︎」


「サイラ‼︎ 城は⁉︎」


 サイラが首を振るとカイルは悔しそうに拳を握る。


「兄貴の方は?」


「ああ、道は封印する事ができたが何人かやられた……」


「あいつは?」


「逃げられた」


「そうか……くそ‼︎」


 カイル達は近くの森で野宿をする事にした。



 夜になると滝が見える場所でカイルとサイラが話をしていた。


「王女は?」


「今寝たよ誰も城の者が来なかったのが相当ショックだったようだ、この時間にいないとなるともう……」


「……サイラ、俺と生き残った者で洞窟の封印を守るつもりだお前は奴を追ってくれないか?」


 サイラは考えると少し寂しげな表情で答えた。


「分かった」


「奴は去り際にこう言っていた。隣の大陸に行かないといけないのでなと」


「お前ひとりでは心許ないと思うから何人か連れて行け、後は道中で仲間を見つけて何とか成し遂げてくれ」


「任せろ俺にできなくとも後継者を作りいつの日か倒してみせるさ」


 カイルはロッドを出すとサイラに渡した。


「これは?」


 カイルはもう一つ同じロッドを出すとロッド同士は共鳴するように淡く光っている。


「ラーガスタ一族で受け継がれてきたもので歴代のマナ使いの意志と力が込められているんだ片方をお前に託す持って行け」


 サイラがロッドをしまうとカイルは話を続ける。


「アイニス王女は連れて行かないのか?」


「ああ、こんな辛い旅には連れて行けないよ。それに彼女には俺より相応しい男がいる筈だ」


「無理をするな。だがお前の決めた事だ好きにしろ」




 次の日の夜サイラはアイニスと皆が野宿をしていた場所を離れて歩き出した。


 静かな森の奥にある丘に来るとアイニスはサイラに迫る。


「サイラ様‼︎ 何故私を置いて行くのですか‼︎」


「俺はこれから危険な旅に出る。君を連れて行くわけにはいかないんだ分かってくれ」


「あなたは私を守ると約束したではありませんか! あれは嘘なのですか⁉︎」


 サイラは前を向いたまま俯いた。


「本当は離れたくない‼︎ でも君に辛い思いはさせたくないんだ……」


 アイニスはサイラの後からそっと抱きつくと囁いた。


「私はあなたとならどんな事でも成し遂げられるわ、だからお願い私を連れて行って……」


「アイニス……すまない、いや、ありがとう」



 まだ日も出ない早朝にサイラ達はアイニスを連れ果てのない旅へと歩き出した。



 その後道中で仲間を増やしラテアナ大陸からルヴォス大陸に渡ったのは10年後の事だった。


 ルヴォス大陸に渡ったサイラは村を作り名前はラーガスタから取りラーガと名乗った。





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