第33章 再会
話すことも多いだろうとエレナはセリアの親子を残して久しぶりにステラの家族に会いに行った。
教会にあるステラ達の部屋に行くとドアをノックした。
「ステラ出て!」
奥からシェリーの声がするとエレナは自然と笑顔になる。
「はーい」
ガチャ
エレナは『おはよう』と笑顔で迎えた。
「エレナお姉ちゃん!」
ステラは久しぶりに会うエレナに力一杯抱きついていった。
「エレナさん! 帰って来たんですか!」
「予定より早かったですね!」
「お姉ちゃん!」
奥からランス、シェリー、メアが出てきて久しぶりの再会に笑顔でエレナを迎えた。
『お久しぶりってまだ30日くらいですけどね』
「また一緒にいられるね!」
メアが嬉しそうにそう言ってきたのだがエレナは首を振って言った。
『ごめんまたちょっと行く所があって』
「そうなんだ……」
『でも暫くはここにいるよ』
「じゃあ今日はご馳走作らなきゃ! ね? シェリーおばさま!」
「そうね!」
『ありがとうメア、シェリーさん』
雑談をした後ステラ達と別れると今度は冒険者ギルドに向かった。
(ポーラトールは初めて来た街だからか居心地がいいっていうか地元に帰ったような安心感があるなぁ……視線はまだ凄く感じるけど……)
見慣れた街を歩きギルドに着くとゼンのいる部屋に通された。
「おう! 久しぶりだな、お前の活躍はどんどん入ってきてるぞ。この前もリンドラ王国の王女を救ったらしいな」
エレナが部屋に入るなりゼンは嬉しそうにエレナの活躍を話し始めた。
(流石冒険者ギルド! 情報がはやいな)
『成り行きで』
「そういえばリンドラ王国から使者が来てな最近の魔物の件やカダル王国に関して話を聞いた」
ゼンは真剣な目をしていてその目には怒りがみえる。
「まさかカダル王国が魔物をここに仕向けていたとは……許せん」
『これから大きな動きを見せるかもしれないので注意して下さい』
「ああ、冒険者を集めてこの事実を公表するつもりだ。皆でここを守る」
エレナはラーガ一族の力を集めている事を話した。
「そうか……俺達も力になるぞ馬車がいる時はすぐに手配するから言ってくれ」
『ありがとうございます』
ギルドを出て今度はリアスの所へ行く事にした。
エレナが教会に行った時、孤児院を見たが最初ホテルかと思う程立派な建物が建っていた。
ここが孤児院だと思う人はいないだろう。
(外からは既に完成しているように見えたけど流石にまだだろうな)
「ここかぁデカいな」
エレナはゼンにリアスがいる場所を聞いてやって来たのだが目の前に大きな建物があり入口に看板があった。
看板にある事務所の名前がゼンに聞いたものだったので入り口に向かう。
ガチャ!
入り口を開けると受付のお姉さんがエレナを見て驚きの声を上げた。
「え? せ、聖女様⁉︎」
『こんにちはリアスさんいますか?』
「は、はい! 少々お待ちを!」
そう言って立ち上がり急いで奥の部屋に入って行った。
エレナに聞こえるくらいの大きな会話が耳に入る。
「社長! 聖女様がお越しですー‼︎」
「なにー‼︎ すぐに部屋へお連れしろ!」
「はい!」
受付のお姉さんは息を切らしながら帰ってきた。
「こ、こちらへどうぞ!」
エレナは応接室で待っていると扉の向こうはガヤガヤと騒がしくなっていた。
ガチャ!
リアスがいつもの部下2人を連れて入ってきた。
「これは聖女様お久しぶりでございます!」
3人は頭を下げて挨拶をした。
『すいません突然来てしまいまして』
「いえ! いつでも大丈夫です! いなくても飛んできますのでいつでもお越しください!」
(相変わらずだなこの人は……)
「今日はどのような御用で?」
『えーと進捗状況を聞きに来たのと代金を払いに来たんですけど』
「すいませんわざわざ、実はもうほとんど出来ています」
(え! はや!)
『さっき外から見たんですけどまさかそこまで進んでいたなんて』
「はい! 聖女様の依頼ですので皆やる気が凄く出来もいいです。私の最高傑作です!」
「完成まであと4日ですので是非明日にでも孤児院まで来て下さい。案内しますので」
『分かりました、ありがとうございます。これで子供達も喜ぶと思います』
部下のザラスが紙を持ってきた。
「これが請求書となっています」
紙を受け取ると金額を見る。
(ふむふむ1000万ラナね。ちょうど結晶石1個分か……そういえばこの前遺跡でまた結晶石を手に入れたんだった。それに盗賊から奪ったお宝もあるしギルドで売るか)
エレナは金貨の入った袋の山を指輪から出した。
当然3人は驚いて見ていた。
「流石聖女様! そんな術をお持ちとは恐れ入りました!」
「凄い……」
そうして用が済むと教会に帰って行くと辺りは暗くなってきていた。
教会に着くとステラや子供達がエレナを入り口で待っていた、エレナを見ると集まって来る。
「来た!」
「早く早く!」
そう言われエレナは子供達に手を引かれて食堂に連れて行かれた。
食堂に入るとシスターや子供達皆んなが集まっており誰かが音頭を取ると大きな声で言った。
「「「おかえりなさい!」」」
皆に言われたエレナは予想外の事に嬉しくて目が潤んでしまう。
エレナは前の世界では両親が死に一人暮らしをしていた為孤独を感じる事がよくあった。
しかしここでは家族のような人達がいる事にエレナはもう孤独を感じることはなかった。
「お姉ちゃんに教わったシチューだけど美味しかった?」
メアが食べ終わったエレナの横に座ると少し自信がなかったのか不安げにエレナに聞いてきたがエレナは笑顔で答えた。
『うん!美味しかったよ』
「良かった〜」
『可愛い過ぎて抱きしめたい』
エレナはその可愛さにメアに抱きつくとメアは恥ずかしそうに「もう!」と言いつつ嬉しそうにしていた。
楽しい食事も終わり夜も更け皆部屋に戻るとエレナはセリアの部屋に行った。
コンコン
『セリアいる?』
カチャ
ドアが少し開きセリアが顔をひょこっと出すとどうぞと部屋にエレナを入れた。
部屋に入りドアを閉めるとセリアはエレナを抱きしめた。
「エレナ会いたかった……」
『僕もだよ』
二人は椅子に座って話をした。
「お父さん達はさっきリンドラ王国に帰ったわ、これからやる事がいっぱいあるみたい」
『そっか、セリアの言った通り優しい両親だね』
「うん、エレナ本当にありがとう。お父さんに話は聞いたわ危険な場所まで助けに来てくれたって」
『約束したからね』
「エレナこれからはずっと一緒ね」
『うんセリアは僕が守るよ』
「ありがとう、でも私もエレナを守れるように強くなるわ……お願い明日からマナの使い方を教えて」
『分かったよ、後護衛をしている人にも会わせるね話したい事もあるし』
「うん」
『あ、そうだ!』
「どうしたの?」
エレナは指輪から小さな箱を出してセリアに渡した。
『開けてみて』
セリアは箱を開けると嬉しそうに中の指輪を取った。
『それも約束したよね?』
「ありがとう嬉しい……ねえ着けて」
エレナは指輪をセリアの右手の薬指に指輪を着けた。
セリアは部屋のロウソクの火から出る灯りに向けて指輪を眺めると嬉しそうに俺に見せた。
『似合ってるよ』
「ありがとうエレナ」
二人は見つめ合いキスをした。
そしてベッドで添い寝をして眠った。




