表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

25/175

第23章 カナン遺跡

 ユギルの後を歩いていると前方に石を積んで建てたような大きな建物が姿を現した。


『遺跡とあって朽ちているね、所々石が欠けていたり像が壊れてる』


「こっちだ」


 入り口に着くとエレナが最初に住んでいた森の洞窟にあったものと同じ水晶を見つけた。


 エレナはユギルを見ると頷いたので手を置いてマナを流した。


 ゴゴゴ


 扉はゆっくりと開いていく。


「気を引き締めて行くぞ」


 ユギルは剣を出すと先に中に入って行った。


『うん』


 エレナもロッドを出してユギルの後に続き遺跡に入って行った。


 ドォン!


 案の定入った瞬間扉は閉まる。


 エレナはマナで辺りを照らし通路を進んで行くと少し明るい場所に変わり広間に立っていた。


 周りを見渡すと長い年月が過ぎて床も壁も石が剥き出しになっている。


「さあ守護者達のお出ましだぞ」


 魔物の気配を感じたユギルは剣を構えると奥から2体の魔物が姿を見せエレナ達に気付いてグルルと威嚇するように牙を見せた。


 どちらも5メートルはある牙が大きいオオカミの様な魔物だった。


 エレナはこの魔物達が元は同じ人間だと思うとやりきれない気持ちになった。


『元はラーガの人か……悲しいね、皆んなやりたい事があったり幸せに暮らしたかっただろうに』


「そうだな、俺も1年しか一緒にいなかったがいい連中だった。こいつらの為にもカダル王国を倒すんだ」


 2体の魔物は地面を蹴りもの凄い速さでエレナ達に迫った。


「お前は右のヤツを任せる!」


 そう言うとユギルは左の魔物に向かって走って行った。


『分かった!』


 エレナはマナをロッドに通すと右の魔物へいかづちを放った。


「ギャン‼︎」


 いかづちは魔物の体に落ちて鳴き声を上げたが、流石に他の魔物と違い一撃では倒れなかった。


『ごめんね、一気に決めるよ』


「ガァー‼︎」


 魔物は立ち上がると怒りの形相でエレナに襲いかかった。


 エレナはロッドにマナを流した。


「グヴォー‼︎」


 魔物は大きく口を開けてエレナに噛みつこうと接近した時エレナが魔物にロッドを向けると業火が魔物を包み込んだ。


 カチャン!


 倒した魔物から青色をした宝石が落ちていった。


 ザシュ!!


「オオーン!!」


 ユギルが戦っていた方から魔物の断末魔が聞こえてエレナは悲しい顔をした。


「よし、進むぞ」


 魔物が出てきた場所を抜けると大きな階段を見つけ登って行くと奥に大きな扉が見えた。


 ユギルが扉を開けると王座らしきものがあり周りには豪華な彫刻がされている広い部屋だった。


 そして真ん中に剣を持った人ではなく鎧を纏った2メートルはありそうな魔物が立っていた。


 その魔物は顔が無く全身に黒いオーラを纏っていた。


「アイツがここの番人みたいだな」


『強そうだね』


「気合い入れて行くぞ!」


 ユギルはダッシュで魔物に向かって行った。


 ガギン!!


 魔物はユギルの剣を受け止める。


 その間エレナはマナをロッドに流してユギルに叫んだ。


『ユギル離れて! マナを撃つ!』


 パキィン!!


 ユギルは受け止められた剣を払い魔物を仰け反らせた。


『今だ!』


 ズガーン!!


 エレナは特大のいかずちを落とす。


 魔物はいかずちに撃たれてガクッと膝を曲げしゃがみ込んだが、少しすると立ち上がり何事もなかったかの様に突っ込んで行った。


 エレナは攻撃を避けユギルがそこへ攻撃をかける。


『ユギル! この魔物には何が効くの⁉︎』


「コイツはアンデットタイプみたいだ! 聖光が効くが!」


『聖光なんてやった事ないよ!』


「サラが得意だったんだが……」


 魔物は休む間もなくふたりに攻撃を繰り返す。


 エレナは他にも火や氷で攻撃するが効いていなかった、足止めがいいところだったのだ。


「参ったなアンデットタイプは浄化しないと倒せん」


 エレナは首にかかる虹色の結晶石にマナを流した。


『サラさん……力を貸して』


 虹色の結晶石からマナが溢れエレナに流れる。


(頭に意識が流れ込んでくる……これは!)


『ユギル! 聖光出来そうだよ!』


「本当か⁉︎」


『うん! 下がって!』


 エレナはロッドにマナを溜め掲げた。


 パァァー‼︎


 ロッドの先から眩い光が降り注いだ。


 すると魔物が纏っていた黒いオーラが消えていく。


「よし! 行けるぞ!」


 ユギルは魔物を剣を横に薙ぎ払い魔物を真っ二つにした。


 魔物は消え黒い結晶石が落ちる。


「おい、どう言う事だ?」


『ああ、サラさんの意識が流れてきて聖光を教えてくれたんだ』


「サラが……そうか」


(ユギル何か嬉しそう……サラさんにはこれまで色々助けてもらってるな)


 奥に進むと棺が置いてあった。


「開けるぞ」


 ゴゴゴ


 棺を開けるとそこには豪華な箱があり開けると虹色の結晶石がに入っていた。


 箱には「ナーラここに眠る」と書いてある。


「これはサラの母親の名だ」


『サラさんのお母さん……この結晶石にはナーラさんがいるんだね』


 ユギルに虹色の結晶石を渡されマナを流してみた。


 すると虹色の結晶石は眩い光を放ちサラの結晶石に吸われていく。


「ありがとう」


 かすかに女性の声が聞こえた。


 光を放った虹色の結晶石を見るとパラパラと粉々になっていった。


「虹色の結晶石が融合したのか?」


『……そうみたいだ、ねえ見て?』


 そう言ってエレナはネックレスにある結晶石を手に取りユギルに見せる。


 虹色の結晶石が白銀に変化していた。


「あと2つか……とりあえず街に戻るか」


『そうだね』


 遺跡を後にしクォードの街に向かった。





 私はナーラ、ラーガ族長の妻だった。


 私は未知の病に倒れ死ぬ前に結晶石になっていた。


 里が襲われていたのは知っていた、家族はバラバラになり皆結晶石になってしまったのだろうか?


 私は暗い場所にいたがその時はきた。


 光が差し誰かの心地よいマナが流れ私は解放された。


 今白い世界に私はいる。


「お母さん……」


 私の目の前に大人びたサラが立っている。


「サラ……綺麗になったわね」


 サラは私に泣きながら抱きついて謝ってくる。


「ごめんなさい……お母さんを治せなかった……」


「もう、そんな事を気にしていたの? あれはどうしようもない病気よ」


「でも!」


「サラが出来ないなら誰にでも出来ないわ。だからもういいのよ自分を責めないで」


 ナーラはサラの頭を撫でて話を続けた。


「私は幸せだったわ、家族で暮らせて。ただあなたとクレイには幸せになって欲しかった……」


 そしてナーラは微笑むとサラの顔を見て言った。


「でも確かに今のあなたは少し表情が違う、お父さんがよく私の結晶石に嬉しそうに話していたわサラに好きな人が出来たって」


「もう! お父さんたら……」


「そろそろ行かなきゃ、サラ後はお願いね」


「お母さん、また会えて嬉しかった……」


「ありがとう」




 エレナ達が遺跡を出ると辺りは暗くなっていた。


『‼︎』


 ガギン!!


「チッ、外したか」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ