第22章 臨時パーティ
朝になりエレナはアステシア達と約束していた集合場所に向かうとふたりが待っていた。
「おはようエレナ、今日はよろしくな!」
「エレナさんおはようございます。よろしくお願いします」
『おはようございます! 頑張ります!』
挨拶を交わすと3人は近くにある山へ向かって歩いていった。
アステシア達に案内され魔物がいない道を通るとお昼前には目的地に着いていた。
「あーやっぱいるわアイツ」
そう言って足を止めたアステシアが見ている方にエレナは顔を向けると20メートルはあるだろうか亀の甲羅を乗っけたようなトカゲが寝ていた。
(確かにデカいなアレは……昨日アステシアさんが硬いと言っていた意味がわかった、あの殻に閉じこもったりしたら厄介そうだな)
『どういう作戦でいきます?』
「殻に閉じこもるとなかなか出てこないんだよアイツ」
「なので閉じこもったらマナで殻の中に攻撃してください特に火に弱いので……そしたらまた殻から出てくると思います」
『分かりました』
アステシアは剣を構え、ユーリアは弓を準備した。
「よーしいくかぁ!」
準備が出来たふたりは魔物に向かって走って行った。
「まずは先制攻撃行くよ!」
ユーリアが弓で矢を放ち魔物を足止めさせた。
「だぁりゃー!!」
アステシアの剣が魔物に振り下ろされる。
『流石高ランク冒険者! 動きが早い』
ザシュ!!
大剣が魔物を捉え首を切るが皮膚が硬いのかそこまで深手は負っていなかった。
「グオオー」
魔物は暴れてズドンズドンと地面を揺らし怒っていた。
その後も2人は攻撃を緩めずダメージを与えていくと魔物がたまらず殻に閉じこもってしまった。
攻撃を諦めたアステシアとユーリアがエレナの方に来て叫んだ。
「エレナ頼む!」
「お願いします!」
『了解!』
エレナはロッドを取り出しマナを流すと殻の中目掛けて火炎弾を撃ち込んだ、特大の火炎が殻の中に飛んでいく。
ゴォォー!!
「ガァー!!」
魔物は炎に包まれやがて動かなくなった。
(あれ?倒しちゃたのかな?)
エレナは恐る恐る後ろを振り返るとふたりは口をあんぐりさせて固まっていた。
(……ちょっとやりすぎたかも)
エレナはそれを見て明らかにオーバーキルした事が分かって気まずくなっていた。
「見たかユーリア」
「うん、噂には聞いてたけど想像の100倍以上だったよ」
「パーティ組むなんておこがましいな」
「そうだね次元が違いすぎるよ、王様をパーティに誘っている様なものだよ」
「王様じゃ釣り合わないな神様だろ」
エレナはふたりが会話をやめそうにないので話しかけて止める事にした。
『そろそろ行きません?』
そう言うと2人はハッと現実に戻ってきて答えた。
「お、おう!」
「は、はい!」
魔物がいた先には小さい洞窟がありアステシア達が中へ入って行ったのでエレナも後を追った。
『綺麗だ……』
中に入るとそこは鍾乳洞が広がりエレナは幻想的な光景を目の当たりにして感動しながら歩いていた。
エレナは周りを眺めながら歩いていくとユーリアが声を上げた。
「あ、ありました!」
洞窟に入って少し進んだ所に花が咲いていた。
「ここにしか咲かない花なんだよ、よし! 依頼完了っと」
アステシアは手際よく花を摘み瓶に入れた。
3人は目的が達成されると街に向かって歩いていた。
「いやーエレナのマナがあんなに凄いとはな!」
『まあロッドの効果も大きいですけどね』
「それでもですよ! 私達もマナ使いの人を見てきましたけどエレナさんに比べたら話にならないレベルです!」
(やっぱりやりすぎたな……ユギル以外の人前でマナを纏う以外は自重しよう)
そうエレナは誓ったのだった。
街の前に来るとふたりはポーラトールに帰るとエレナに声をかけた。
『約束の事忘れないで下さいね?』
「おう! 任せろ!」
「ではこれで失礼しますね」
(さて……やっと市場に行けるな!)
ふたりと別れたエレナはどんな食材があるのか楽しそうに店が並ぶ方へ歩いて行った。
市場に到着するとざわつく周りを無視して見た事のない食材を買い漁ると満足な表情で宿に帰ってきた。
早速調理器具を出す。
『まずはここの名産品タネだ! 見た目が米だったから衝撃はここに来て1番な気がする』
エレナはこれを見た時思わず変な声が出てしまった。
鍋を取り出して炊いて食べるとほぼ米でエレナは顔を緩ませて喜んだ。
『ああ、これを探していたんだ……あれが作れるあれも……』
エレナの頭に作りたかった数々の料理が頭に浮かび出てくると楽しくなっておにぎりを握っていた。
(明日はこのおにぎりを持っていこうかな♪)
そして次の日、朝起きると食事の準備を始めた。
米に魚の焼き物に卵焼きとエレナの前に和食が並ぶがあと肝心の一つが欠けていた。
(あー味噌汁飲みたい、時間があったら味噌作ろっと)
実は味噌の作り方はエレナの頭に入っていた。
前の世界で興味本位で味噌を作る工場に見学に行っていたのだ。
『さてそろそろ行きますか』
街を出るとユギルがタイミングよく現れエレナは不思議に感じて聞いた。
『いつも思うんだけどこっちのいる場所がわかるの?』
「ああ、俺はお前のマナで動いているからな」
『なるほどね』
「遺跡はそう遠くない今日中には帰って来られるだろう」
『遺跡かぁやっぱり守護者達がいるのかな』
「いるだろうな」
『そこには誰がいるの? サラさんて兄妹とかいたの?』
「誰が行ったかは覚えてない、サラの家族は父親と妹がいたなまだ14歳くらいだったか」
ユギルはサラから妹の話は聞いていた、姿を見たのは行事があった時のみでいつも暗い顔をしていたのが印象に残っていた。
「ほとんど家から出ない子でな」
『お母さんは?』
「母親は亡くなったそうだ。俺が里にくる1年前に未知の病で……サラが治せなかった事を嘆いていた」
「族長が4つに分けたって言ってなかった?』
「母親は亡くなる前に結晶石になったらしい、それを村の誰かが運んだのかもな」




