第19章 食事会
エレナはお昼が過ぎるとステラ達を迎えに行った。
すでに準備は終わり既に宿屋の前でみんな揃ってエレナを待っていた。
ランス達を連れて教会に入るとシスター達が集まっていた。
シスターはステラを見ると微笑みかける。
「ステラちゃんお父さんとお母さんに会えてよかったわね」
ステラは嬉しそうに頷く。
皆で挨拶を交わした後、個室にセリアを呼び皆でテーブルを囲んだ。
始めにランスが立ち上がり挨拶をした。
「初めまして、ステラの父のランスです。これから宜しくお願いします」
「妻のシェリーです」
「ステラの従姉妹のメアです」
「シスター見習いのセリアです。最近孤児の子供が増えて大変だったので助かります」
『セリア、これからどうすればいいかな?』
セリアは少し考えた後答えた。
「そうね最初は子供達と仲良くなって欲しいかな」
「それじゃあ明日からお手伝いとして皆で教会に通います」
「ありがとうございます、宜しくお願いします」
話しがまとまり皆でリアスに挨拶をしてから一度解散した。
エレナはメアとシェリーに買い物を付き合ってもらい市場に来ていた。
「エレナさん今夜は何を作る予定ですか?」
メアにそう言われたので考えていた料理を言っていく。
『え〜と唐揚げとポテトフライにピザとステーキ、後はサラダにパンとシチューかな』
もちろんメアとシェリーはエレナがいた世界の食材とか料理を知らない為、どんな料理か想像できなかった。
「この前食べた物で知っているのはあるけど知らない物ばかりです」
『ごめんねメア、僕の国の料理だから分からないよね』
「いえ、これから覚えます!』
最近メアは料理に興味を持っているようでシェリーとよく料理をしていた。
ここに来てからかなり食材を研究していたエレナはステーキや唐揚げにシチューなどに合う肉をはじめ調味料も独自に開発していた。
各料理に使う食材を買った後、食器と鍋も買った。
(これで買い物はOKだ)
日も暮れ始めエレナは教会の台所を借りて料理を始めた。
メアとシェリーも来ている、興味があるらしく見学のようだ。
(ビュッフェ形式で各自で料理を取ってもらう形にしよう)
マナで動く調理器具にメアとシェリーは驚いていた。
この調理器具達にも慣れてきたエレナは手際よく料理を作っていく。
それを見ていたシェリーとメアは尊敬の眼差しでみている。
「凄いわ、その歳で相当な修行をしてきたんでしょうね」
『まあ好きでやってるんで、よし! 出来た』
指輪に料理を収納して孤児院に向かうと瓦礫だらけの場所は見事に更地になっていた。
「凄い! もう綺麗になってる‼︎」
メアは驚いて声を上げた。
(あれ? 明日までかかるって言ってなかったっけ?)
リアス達が更地を見ているエレナ達に近づいて話しかけた。
「聖女様、今日で瓦礫の撤去が終わりました。今は皆風呂に行っています」
『お疲れ様でした。今から準備をしますので休んでて下さい』
「ありがとうございます! その言葉だけで今日の疲れも癒されます。我々も身なりを整えて来ます」
3人はその場を去って行った。
エレナは指輪からテーブルや椅子を次々と出していく。
ランス達にそれらを並べてもらい料理も出して皿に盛っていく。
ちょうどいいタイミングで皆集まって来たので始める事にした。
『じゃあ始めましょう。教会のみなさん、孤児院を建ててくれるみなさんも子供達の幸せの為に共に頑張りましょう』
神父さんにいつもの食事前のお祈りをお願いして食事会が始まった。
皆知らない料理だが漂う美味しい匂いに次々と手が伸びて行く。
あちこちで驚きの声が上がっていた。
「こ、これが噂の聖女様の手料理!」
「噂以上だ! こんな美味い物食べた事ない!」
男達は勢いよく食べていく。
「今日も美味しいわ」
「そうね私達はいつもご馳走になっているからもう舌が慣れてしまっているわ」
シスター達はそう言って美味しそうに食べていた。
エレナは凄い勢いで無くなっていく肉を焼いたり、唐揚げをひたすら揚げていた。
ある程度皆お腹が膨れるとエレナの所に来てお礼を言いに来ていた。
今は建築現場の作業員達に囲まれている。
「聖女様今日はありがとうございます。こんな美味しい料理生まれて初めてです」
『美味しかったようで良かったです。お土産に今日の料理を少しずつ持ち帰れるように用意してありますのでお家族に持って行ってくださいね』
「本当ですか! そこまでしてもらえるなんて……家族も喜びます」
「これで明日から頑張れます!」
皆笑っているのを見てエレナも笑顔になっていた。
(やっぱり美味しい料理は人を幸せにする……そう感じられる)
リアスらもエレナの元にやって来ると目を赤くして感謝を述べた。
「聖女様の手料理存分に堪能させて頂きました! ありがとうございました!」
『お口に合いましたか?』
「それはもうどれも美味しく幸せな時間を過ごす事ができました……」
(何か目が赤いな寝不足だからかな)
「泣きながら食べてましたもんね?」
横からカイファが笑いながら話す。
「それほど美味しかったと言うことだ!」
(マジか、そんな美味しかったならこっちも嬉しいけど)
『明日からまた宜しくお願いします』
こうして食事会も終わり明日から旅の準備が始まっていく。




