第17章 孤児院の再建
冒険者ギルドの個室でエレナは建築家を待っていた。
コンコン
ドアがノックされ職員が入ってくる。
「お待たせしましたこちらへどうぞ」
職員について行くとゼンと会う部屋より大きく豪華な内装の部屋に通された。
その部屋には3人の男がいた。
エレナを見た男達はまるで女神に会ったかのように感激してエレナを見ていた。
(……真ん中の人ちょっと泣いてないか)
「お待たせして申し訳ございません!」
『え? い、いえ大丈夫ですよ』
真ん中の男リアスはいきなり頭を下げエレナを驚かせた。
その姿を見た他のふたりは少し驚いてる。
「あのリアスさんが緊張しているぞ⁉︎」
「俺も初めて見たな」
小声でヒソヒソと会話をしていた。
『いえ、こちらこそ急にすいません』
「聖女様のお願いとあっては居ても立っても居られず参上いたしました、リアスと申します」
続けて後の二人も挨拶をする。
「部下のカイファです」
「同じくザラスです」
『宜しくお願いします』
「して……どの様なご依頼でしょうか?」
エレナは倒壊した孤児院を建て直したいと話した。
その話を聞いてリアスは感動していた。
「噂の以上の方! まさに聖女様だ! 子供達の為にそこまでしてくださるなんてこのリアス理想の孤児院を約束しましょう」
リアスはエレナが思っていた以上の人だと分かり喜びに震えていた。
「では希望の間取りを聞きましょうか」
エレナとリアスは数時間に渡り間取りについて話し合った。
「ではこれで進めていきますね。早速明日から始めていきます」
『いいんですか? 他のご依頼もあるんじゃ』
エレナはリアスが人気の建築家だと聞いていたので時間がかかるものだと思っていた為、少し驚いた。
横から部下のザラスが諦めたような表情をして言った。
「もうこうなると聞かないんで気にしないで下さい」
「あたりまえだ! 俺はなんとしてもやり遂げるぞ! ではこれで失礼します!」
リアス達は頭を下げると部屋を出て行った。
(熱い人だったな、でもすぐにやってくれるって言うし良かった……)
エレナはゼンにお礼を言ってからギルドを出て孤児院を目指した。
孤児院は倒壊したが教会部分が無事だった為孤児達はそこで生活していた。
教会に行くと子供達が外で遊んでいる。
「あ! エレナお姉ちゃん!」
『やあ』
エレナは子供達に挨拶をしてオヤツを渡すと中に入っていった。
中ではシスターが3人で掃除をしていた。
祭壇に神父を見つけるとエレナは近づいて話しかけた。
『こんにちは神父さん』
「これはエレナ殿、今日はお祈りですかな?」
エレナは神父に孤児院の再建について話をした。
「本当ですか⁉︎ ありがとうございます。 実は諦めていたので子供達も喜ぶと思います」
『孤児院に住んでいたのは子供達と誰なんですか?』
「セリアが住み込みで色々と世話をしていましたな、後はシスターが教会から手伝いに行っております」
『それで相談があるのですがセリアと一緒に孤児院の管理を任せたい人達がいまして』
実は前もってエレナはステラの家族に孤児院の運営を助けてもらえないかお願いしていた。
始めようとしていたレストランは延期にする事にしたのだ。
エレナの話を聞いたランス達は快く引き受けてくれたのだった。
「エレナ殿が選んだ方なら問題ないでしょう」
『では明日連れてきますので宜しくお願いします』
次にエレナはセリアに会いに行ったがセリアはいつもの明るい表情をしていなかった。
「エレナこの前はありがとう」
(セリア元気がないな……何か最近様子が変なんだよな、魔物に殺されそうになったんだからしょうがないか)
『間に合ってよかったよ、セリアに何かあったら僕も子供も悲しむから』
「そう言ってくれると嬉しいわ」
やっと笑顔を見せてくれたセリアに孤児院の再建について話した。
セリアは嬉しそうな顔をして話を聞いていた。
「エレナにはお世話になりっぱなしね」
『気にしないで、明日ステラの家族に会わせるね』
「ええ、分かったわ」
そして夜になった頃またユギルが訪ねてきた。
「どうだ? 決まったか?」
『うん、旅に出るよ』
「そうか、助かる」
ユギルはホッとした表情をして椅子に座った。
『でも少し時間が欲しいんだけどいいかな?』
エレナは孤児院の再建の件を話した。
「そうだなじゃあもう少し待つか」
ユギルと話し合い5日後に出発する事に決めた。
ある王国の一室にて。
5人の男が豪華な装飾がされている長方形のテーブルを囲んでいた。
その内上座の右手に座る豪華な白いローブを着た男が口を開いた。
「報告を」
すると茶色のローブを着た痩せこけている男が話し始めた。
「はい、予定通りポーラトールへ10体の魔物を仕向けられました。ほぼこちらの指定する場所です」
「被害はどれほど出た?」
「それが……」
「どうした? 話せ」
痩せこけた男は少し間を開けて信じられないと言う顔で話し始めた。
「被害ですが建物20棟を倒壊させ怪我人は30名との報告です」
「想定では50棟の破壊と100人の死者を出すと言っていなかったか?」
「はい、魔物は10体といえど中級クラスです。普通に考えても甚大な被害が出てもおかしくないのですが、想定よりも魔物が早く倒されてしまいました」
すると1人の鎧を着たガタイのいい男が口を挟む。
「あそこの冒険者ギルドは本部だ、たまたま主力が街にいたんだろう」
「仮にそうだとしても被害が少なすぎます」
「ふむ、何かありそうだな」
「それと調査員からの報告で最近聖女と呼ばれる女が相当な力を持ったマナ使いとして現れたと現地の住民から聞いたと」
「もしかしたら今回の件でも関わっているかもしれません」
上座の右手に座る男は少し考えると上座に座る男に話しかけた。
「陛下どうしますか?」
「大陸の制圧は予定通り行う。その女に関しては調査員を派遣して調べろ、こちらの敵になる様なら消す」
「分かりました」
そう言うと王は部屋を出て行った。
それが会議の終わりを告げ皆部屋を出て行く。
ひとり部屋に残った白いローブを着た男はさっきの報告にあった女が気になっていた。
(陛下は調査を命じたが早めに消した方がいいのではないか? こちらにつくとも思わない、そうするとこちらには脅威でしかない)
「アイツに頼むか……」




